こんにちは、ライターの佐々木かえでです。

ドラマで気になって、漫画「僕とシッポと神楽坂」(集英社クリエイティブ刊)を読みました。

内容は主人公のコオ先生(高円寺達也)をはじめとする坂の上動物病院のみんなが、さまざまな人間模様・動物模様を繰り広げるというもの。

ほのぼの・ほんわかとした雰囲気の中で、動物病院の実情やペットとの別れが描かれていて、「人と人」、「人と動物」との絆が優しく、時にシビアに表現されています。

  • 僕とシッポと神楽坂イメージ

    「僕とシッポと神楽坂」の舞台は、タイトルの通り東京・神楽坂

…というわけで、作品の聖地ともいえる神楽坂に来てみました!

  • 神楽坂×佐々木かえでさん

今回はアクセスが便利な「飯田橋駅」を起点に、コオ先生が作中で訪れた場所を巡れるだけ巡りたいと思います。

各スポットでは、作中のシーンを再現したり、遊んでみたり…。みなさんが巡りやすいように、できるだけ住所も掲載していきますね。

そして……なんと!作者のたらさわみち先生に各スポットについてコメントをいただいているので、ファンの方は間違いなく必見ですよ!

それでは聖地巡礼、
全力で行ってきまーす!

  • 走る佐々木かえでさん

    全力で坂を駆け上るアレ

すず芽ちゃんの密着取材時の背景にあった!~紀の善 付近~

  • 紀の善

まずは第5巻 カルテ19「すず芽」のとある1コマ。この背景にある看板を見てピンときました!

  • 第5巻 カルテ19「すず芽」

    1コマ目の背景左端に描かれているお店のモデルは、もしや「紀の善」!?

  • 紀の善×佐々木かえでさん

    ほぼ一致!

実在のお店は、「分かる方には分かる」感じで描くようにしていますが…紀の善さんの抹茶ババロアは美味です!


神楽坂をよく知る人が漫画を読んで「あっ!」となる、ニクい演出をしてくれているというわけですね。


  • サンプルを見つめる佐々木かえでさん

    ジ~~~~~~ッ

お店の前にはおいしそうな甘味やお料理のサンプルが……。ごくり。

我慢できなくなり、お店で甘味をいただくことにしました。

私が頼んだのは「田舎しるこ」。大好物です。

  • 紀の善の田舎しるこ

こんがりと焼かれた白いお餅があたたかい粒あんしるこに浸かる姿は、まるで白肌の美人が温泉に浸かって頬をほんのりと染めているかのよう。

  • 田舎しるこを食べる佐々木かえでさん

    アツアツでした

おいしい!!!

文句のつけようがない、この世で最も優れたバランスの粒あんしるこでした。


カメラマンのMOTOさんとマイナビニュースの制作さんは、それぞれ「粟ぜんざい」、たらさわみち先生が絶賛していた「抹茶ババロア」を注文。

  • 紀の善の粟ぜんざい

    粟ぜんざい

  • 紀の善の抹茶ババロア

    抹茶ババロア

見た目からして素晴らしいですね。お二人ともおいしそうに召し上がっていました。取材なのに、ただただ楽しいお茶会と化していたのは内緒です。


お店の雰囲気も良く、和風の落ち着く空間でした。取材1軒目にして、神楽坂をまるごと好きになってしまうほどの良さでしたよ。

紀の善
東京都新宿神楽坂1-12 紀の善ビル
電話:03-3269-2920

全てはここから始まった~最初の坂「兵庫横丁」~

続いて、第1巻より、冒頭のこの坂。

  • 第1巻冒頭の坂

    “東京 神楽坂 伝統とモダンが交差する町”

コオ先生が生まれ育った神楽坂の象徴といえる坂の風景。実はここ、実在するんです。

  • 兵庫横丁

    ほぼ一致!

この「兵庫横丁」は、多くの作家や映画監督が執筆のために宿をとったことでも有名な旅館がある通り。漫画に書かれている「グルメとアート にぎわう表通りを一歩入ると 石畳の路地の静けさが花街の風情をまとう」を感じる通りでした。

石畳と黒塀がこの街の紹介によく出てくるので…作画の際に実際の景色から多少アレンジして、ここから物語をスタートさせました。


  • 兵庫横丁×佐々木かえでさん

    神楽坂の印象どおりの景色

坂の上動物病院の物語はここから始まったのですね。

通常、私たちの住む“現実”の世界と、“架空”の世界が交わることはほとんどない中、こうして物語の片鱗に触れられるのはとても幸せなことです。


兵庫横丁
東京都新宿区神楽坂4丁目2周辺

あ、ちなみに足元にいるのは…

  • マイナビベア

マイナビのキャラクターである「マイナビベア」ちゃん。この記事では犬・猫や人の代わりをしています。

コオ先生たちのお花見スポット ~筑土八幡神社~

作中に度々登場する「筑土八幡神社」。コオ先生たちがお花見に来たここも、実在するスポットです。

  • 筑土八幡神社×佐々木かえでさん

    筑土八幡神社

あいにく季節は冬ですが、お花見に向かうコオ先生をまるごと再現してみました。

  • 第3巻カルテ9「秘め衣」

    第3巻 カルテ9「秘め衣」を参考に…

  • 第3巻カルテ9「秘め衣」再現

    フォトショップを駆使!

そこそこ構図を似せることができました。スポットによっては漫画のページをほとんどそのまま再現できるのも、実在の街をモチーフにした作品の良いところですね。


筑土八幡神社は、小さな丘の上にある静かな神社。大通りのそばなのに、境内に入るとなんだか静かで落ち着くところです。桜も綺麗なので、主人公たちにお花見させました。コオ先生と看板犬ダイキチの散歩コースにもなっています。


  • 筑土八幡神社

境内はこんな感じです。空気に透明感があって、風がそよそよとしていました。ここをコオ先生とダイキチくんが散歩していたんだと思うと、胸がアツくなります。

筑土八幡神社
東京都新宿区筑土八幡町2?1

よく出てくるぞ!~赤城神社~

第9巻 カルテ38「やさしいイベント」。

  • 第9巻カルテ38「やさしいイベント」

作中、境内で「歳末助け合いのイベント」が開催された「赤城神社」。ここももちろん実在する場所です。

  • 赤城神社の鳥居

赤城神社はオシャレモダン神社として有名で、何かしらのツアーの団体客も来ていました。

  • 赤城神社の境内

    境内

せっかくなのでお参りをしていきます。

  • 赤城神社でお参りする佐々木かえでさん01

    チャリーン

  • 赤城神社でお参りする佐々木かえでさん02

    ガシャガシャ

二礼、

二拍手、

  • 赤城神社でお参りする佐々木かえでさん03

一礼。

  • 赤城神社でお参りする佐々木かえでさん04

神社に慣れていないため、正しい手順でお参りをすることに必死になりすぎ、「何もお願いしていなかったこと」に原稿を書いている今、気づきました。別に悔しくなんかないです。

ふと前に目をやるとおみくじが。

書いてある内容が辛口とのことだったので、故事みくじ(1回200円)を引くことにしました。一体、どんな厳しいことを言われるのでしょうか。

  • 赤城神社でおみくじ中の佐々木かえでさん01

    ゴソゴソ……どれにしようかな……

  • 赤城神社でおみくじ中の佐々木かえでさん02

    ドロー!

  • 赤城神社でおみくじ中の佐々木かえでさん03
  • 赤城神社でおみくじ中の佐々木かえでさん04
“身も心も真剣に動かさねば世の中の変動は分からない。傍観は何物もつかめぬ。さう悟つた時運は一度にひらけて来る。自分の道に自分の足で歩くより外一歩も前進は出来ない。”
※引用:故事みくじ

引用した総評の他に、「願望」や「交際」「病気」など、8つの評価項目がありました。

……読めば読むほど当たっているような気が。いや、当たっていてほしい項目と、当たってほしくないけど図星を突かれたような項目があるというのが本音です。ちょっと怖いくらい。

みなさんもぜひ、おみくじを引いてみてください。故事みくじの他にも、恋愛に特化したものと、100円でリーズナブルに引けるものがありましたよ。


作品の中で1番よく出てくる場所が、赤城神社だと思います。最初に取材した時は隣に幼稚園がある古い神社でした。現在はスタイリッシュで凛とした神社に生まれ変わっています。その神楽殿にてコオ先生が紋付袴姿で三味線を弾くシーンは、お気に入りのエピソード(第9巻 カルテ38「やさしいイベント」)です。


  • ドラマ版僕とシッポと神楽坂を再現する佐々木かえでさん

    ドラマのイメージビジュアルのポーズも真似してみました

とても開放的で気持ちの良い神社です。境内にカフェもあるので、デートで立ち寄るといいかもしれません(当方デートには全く詳しくありません)。

赤城神社
東京都新宿区赤城元町1?10

さあ、まだまだ歩きますよ。


亀さんのベンチもゾウさんの滑り台も!~あかぎ児童遊園~

続きまして、第11巻。

  • 路地を見つけた佐々木かえでさん

    こ~んな路地を曲がって……

  • 路地を下っていく佐々木かえでさん

    その先を下っていくと……

  • 公園にたどり着いた佐々木かえでさん

公園にたどり着きます!

この「あかぎ児童遊園」は、第11巻 カルテ47「会いたい」で、亡くなった「たまこちゃん」と、その仲良し猫がいつも遊んでいた公園のモデルになっています。

  • 第11巻カルテ47「会いたい」
  • 亀さんのベンチに座る佐々木かえでさん

    亀さんのベンチが漫画とおんなじ

ひっそりと住宅街の中にある、あかぎ公園。かなり立派なゾウさんの滑り台が特徴的です!作品の中ではこの公園と、大きな木々のある広い白銀公園周りが出てきます。ダイキチはその辺りでお散歩!


ダイキチは近くの白銀公園周辺でも散歩していたんですね。お散歩コースまで考えられているなんて、ここまで地域に根差している漫画が他にありますでしょうか。


あ、「かなり立派なゾウさんの滑り台」、滑ってみましたよ。

  • ゾウさんの滑り台を楽しむ佐々木かえでさん

    楽しくてついつい2回も滑ってしまいました

大人になってからは滑り台で遊ぶ機会が減っていたのですが、布越しに伝わる冬の滑り台のひんやりとした石の硬さに、懐かしさを通り越して新しさを。そして、ズボンのお尻部分の摩耗を真っ先に気にする自分に加齢を感じました。

非常に趣のある公園なので、みなさんも年甲斐もなくはしゃいでほしいなと思います。

  • 亀さんのベンチでポーズをとる佐々木かえでさん

    第11巻(P56)に描かれている階段横のハシゴ(足がかり) もおんなじです

あかぎ児童遊園
東京都新宿区赤城下町21

「袖すり坂で あなたをふって 逢うせ坂にて 仲なおり」~袖摺坂~

「僕とシッポと神楽坂」は、動物だけじゃなく、彼らに関わる人々の関係性や心の動きがほんわかゆるやかに、しかしまっすぐと描かれている作品。「袖すり坂」が出てくるエピソードは、個人的にとても好きです。

  • 袖摺坂×佐々木かえでさん

    実際の表記は「袖摺坂」となっています

  • 袖摺坂を下る佐々木かえでさん

    結構な急勾配

“袖すり坂で あなたをふって 逢うせ坂にて 仲なおり”

第6巻 カルテ25「オウムのひみつ歌」は、芸妓だった母と幼い頃に死に別れた智留(さとる)の“過去”が、オウムのコハクちゃんが覚えた“都々逸(どどいつ)”によって明らかになる回です。

私、読みながら思わず泣いてしまいました


せっかくなので、P104の構図を再現。

  • 第6巻 カルテ25「オウムのひみつ歌」

ポーズと位置が惜しいところもありますが、ほぼほぼ一致です。他のスポットもそうですが、物語が関連付けられると途端にその場所への愛着が湧きますよね。

取材をしていて、神楽坂を上りきった少し離れたところで見つけた袖摺坂。芸妓さんの話を描くときに、この坂の名前と対で、坂下のフランス語学校近くの逢坂(作品の中では「逢うせ坂」)を使い、都々逸(どどいつ)にしてキャラクターに歌わせました。


今回は行けませんでしたが、「逢坂」もあるんですね。ちなみに「袖摺坂」は坂道の幅が狭くて行き交う人々の袖が触れ合ったことから名前がついたそうです。


扉絵のかっこいい神社~神楽坂若宮八幡神社~

ところでみなさん、ここで悲しいお知らせです。

ここまでたくさんお読みいただきましたが、とうとう最後のスポットとなってしまいました……。

想いを噛みしめていきましょう。

  • 第9巻 カルテ40「幸せの  あとさき」

ここは「神楽坂若宮八幡神社」。第9巻 カルテ40「幸せの あとさき」の扉絵を飾った、かっこいい神社はこの場所です。

  • 神楽坂若宮八幡神社×佐々木かえでさん

    12月でしたが、入口左の紅葉がまだ綺麗だったので得した気分になりました

神楽坂若宮八幡神社、向かいにある若宮公園など、飯田橋に近いこの辺りも時々作品に登場させています。


扉絵では神楽坂若宮八幡神社の他に早稲田通りなどがコラージュされているので、なんとなく座り方だけ真似して撮影。


  • 神楽坂若宮八幡神社でポーズをとる佐々木かえでさん

作品を読みまくって思ったんですけど、コオ先生の扉絵のポーズってイラストだと大人しめだけれど、実写でやるとナチュラルにかっこいい感じになりますね。ちょっと照れました。


神楽坂若宮八幡神社
東京都新宿区若宮町18

神楽坂、坂と神社が多かった


  • 神楽坂に戻ってきた佐々木かえでさん

さて。徒歩でぐるっと巡って、最初にお邪魔した紀の善付近の「神楽坂通り」まで戻って参りました。スポットの大半が神社であることと、歩いた道がだいたい下り坂か上り坂であったことを踏まえると、この街が「神楽坂」という名前なのも頷けます。

  • 神楽坂通り前でポーズをとる佐々木かえでさん

    神楽坂通りはとても人通りが多くて楽しげ

坂が多いので歩いていると筋肉を使いますが、ここまで坂だけで構成されている土地というのもなかなかないので、楽しく歩けるんじゃないかと。私は楽しかったです。

あ、余談 ですが、聖地巡礼の途中に見つけた肉まん屋さんのプチ肉まんがとてもおいしかったので、見つけたらぜひ食べてみてほしいです。

  • 肉まんを食べて美味しい顔の佐々木かえでさん

    おいしいときの顔

今まで食べた肉まんの中で1番おいしかったです。ジューシーでトロトロ。店名は忘れたので、みなさん頑張って探してください!


「僕とシッポと神楽坂」の聖地巡礼をするなら「ヴィアイン飯田橋後楽園」に宿泊がおすすめ!

聖地巡礼はたくさん歩くことになるので、宿泊施設への移動は少ないのが吉。歩きすぎて足を痛めたりしたら大変です。そこでおすすめのホテルがこちら。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園×佐々木かえでさん

    じゃーん!

ヴィアイン飯田橋後楽園」です。今回の行程は迷わずに歩いて2時間ほど。普段あまり歩かない人だとクタクタになってしまいます。作品の世界に浸った後は、ホテルでゆっくり休みましょう。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園のロビー

    入ってすぐにある本をしつらえたロビー

コンセプトは「都心に泊まる。心に留まる。飯田橋で綴る旅の1ページ。」。書斎をイメージした客室は、「僕とシッポと神楽坂」を読み返すのにもおすすめです。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園のベッド

    無料Wi-Fi接続はもちろん、広めのデスクや給電用USBポート、HDMI端子もあり

山手線の中心に位置するヴィアイン飯田橋後楽園は、JR・東京メトロ・都営地下鉄3社5路線が乗り入れる「飯田橋駅」から徒歩約5分圏内の好立地と、アクセス抜群。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園の外観

    1階には22時まで営業しているスーパーもあり、ちょっとした買い物にも便利

フロントは宿泊者の安全を確保するため24時間有人対応。焼きたてパンや飯田橋エリアのご当地グルメとしても有名な「深川めし」など、朝食が無料提供なのも嬉しいところ。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園のフロント

また、パナソニックが手がける美容家電の体験型サロン「Be-Lounge(ビーラウンジ)」が、日本ではじめて宿泊施設に導入されたこともポイントです(要事前予約)。

  • ヴィアイン飯田橋後楽園のBe-Lounge

    マイナスイオンドライヤーやイオンエフェクター、美顔器など、最新の美容家電を旅先でゆっくりと使えると好評

みなさんもヴィアイン飯田橋後楽園に泊まって、「僕とシッポと神楽坂」の聖地巡礼を思う存分楽しんでください!


  • 僕とシッポと神楽坂 OSAMPO MAP

    ヴィアイン飯田橋後楽園で『僕とシッポと神楽坂』の聖地巡礼ができる、三つ折おさんぽマップを配布中!



文:佐々木かえで
写真:大塚素久(SYASYA)

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