子育てには正解がないと言われています。子どもの年齢、性格、夫婦の働き方や価値観、周囲のサポートなど、その形は人によって様々。子育てとは、それぞれの家族でオーダーメイドの方法をみつけていくことなのかもしれません。
“あのひと”がやっていることは、自分には合わないかも。でも、もしかしたら自分の子育ての壁を乗り越えるヒントになるかもしれない。
----そんな思いから、子育て中のパパ・ママに話を聞きました。
また記事の後半では、ベビー・マタニティ用品メーカー・ピジョンの運営する「コモドライフ」からオススメの記事を紹介します。
今回お話を伺うのは、東京郊外の閑静な住宅街に住むFさん一家。今年の夏に、娘さんが産まれました。
パパ・ママとも実家は遠方のため、夫婦ふたりで協力して育児をしています。
パパ・Fさん
テレビプロデューサー職。土日も関係なく、急な出張が生じたり、勤務時間も不規則
ママ・Yさん
Webニュースの編集者。ライフスタイルや家庭・育児に関する記事を手がける。現在は育児休暇中
娘・Nちゃん
2018年夏生まれ。現在5ヵ月
手伝いたいけど、求められるレベルが高い!
--お子さんは今5カ月とのこと。おふたりとも娘さんと過ごす時間に慣れてきた頃だと思います。改めて、娘さんとの生活はいかがですか。出産前に想像していなかったことはありますか?
パパ・Fさん:思ったより、赤ちゃんとコミュニケーションをとるのは難しいものなんだなと思いました。なんで泣いているかとかすぐ分かるようになると思っていたんですが、実際は泣いていても理由が分からなくて、どうしたらいいか分からず……ちょっと理不尽だなと思うこともありますね(笑)。
ママ・Yさん:ママって予想以上に家事ができないものなんだ、と驚きました。例えば、娘が寝ている間に煮物を作ろうと思っても、予期せぬタイミングで起きて焦がしてしまったことが2度もありました。掃除も、時間がかかる場所は後回しになっています。家にいるので家事がいろいろできると思っていたのですが、考えていたよりも赤ちゃんのお世話って時間を取られるものですね。
--今おふたりの家事・育児の分担はどのようにしていますか。
パパ・Fさん:朝は多少時間がとれるので、早朝に沐浴をしたり、妻を起こさないように遊んだりしています。それ以外のことは育児休暇の間は妻が家にいてくれるので、つい任せがちになっています。食器洗いや片付けなどは時間がある時にやっていますが、子どもが生まれてから、以前よりも求められる家事のレベルが上がっている気がしますね(笑)
ママ・Yさん:今まで仕事に注いでいたエネルギーが、家事と育児に集中して以前よりも家事などにこだわりが出ているのかも。手伝ってくれることは嬉しいんですが、「この食器はこっちに片付けてほしいのに」とか、今まで気にならなかったことが気になって、いろいろ言っちゃうんですよね。後から言い過ぎたなと思うこともあったりして……。
--そうなんですね。お子さんが産まれる前はどのように家事を分担されていましたか?
パパ・Fさん:お互い忙しいので、気がついた方が家事をしていましたね。
ママ・Yさん:先に帰った方が家事をするという雰囲気が自然とできていました。今でもそうですが、週末は夫がよく料理をしてくれます。鍋ものとかは夫の方が上手なんですよ。
育児や家事の分担、話し合いましたか?
--もともときっちり分担はされていなかったんですね。出産前に、家事や子育て面で互いの役割を話し合ったりしましたか?
ママ・Yさん:お互い気づいたらやるスタイルだったから、特に決めていなかったですね。決めても忙しいから、うまく分担できないかもと思っていました。あと、出産前に夫に「俺も家事と育児手伝うから」と言われて、ちょっともめたことがあったんです。「手伝う」んじゃなくて、主要メンバーとして「参加」してほしいのになって。よく話を聞くと何をしたらいいか分からないから「手伝う」という言い方になったようです。
パパ・Fさん:子育てや家事って細かいことが多くて、改めて言われないと気がつかない、見えていない作業が多いなという感じです。事前にすり合わせをしたら、もっとスムーズにできるのかもしれません。
--事前に分担をする人もいるようですね。例えばピジョンでも「授乳期の応援お願いシート」というシートを配布する取り組みを行ったりしています。
▼ピジョンの取り組み!
コモドライフ『妊娠中に産後3ヵ月までの生活をイメージしておこう!「授乳期の応援お願いシート」』
ママ・Yさん:我が家ではやっていないですが、こういった形で決めておくと頼みやすくなりそう。作業を見える化できるし、家事のやり方などを話し合うきっかけになりますよね。
パパ・Fさん:そうそう、分担表を見て思い出したんですけど、「家事よりも赤ちゃんの世話の方に積極的だよね」って言われたことがあったよね。
ママ・Yさん:仕事でいない分、娘と過ごしたいんだろうなと納得はしているんですけど、私の想定ではもっと家事をやってくれるかな? と考えていて。夫が家事をしている間に私が子どもの世話をするのが理想だと思ってたんです。
パパ・Fさん:求められる家事のレベルが高くて、なかなかね(笑)。
ママ・Yさん:出産前は私自身適当にやっていたことでも、家にいる時間が多いせいか自分のやり方を崩されるとちょっとしたことが気になるんですよね。食事を作ってもらっても、ありがとうという気持ちがある一方で、今週この献立で使おうと思っていた食材の予定が狂ったりして。
パパ・Fさん:週末に親子丼を作って三つ葉を余らせた時に、ちょっとイラッとしてたよね。せっかく作ったのになと、ちょっと落ち込むこともありました(笑)。
ママ・Yさん:三つ葉とかパクチーとか、余っても使い所に困るものを買ってこられた時だよね(笑)。でも、今はこういうものなんだなって受け入れるようになってきました。子どもが5ヵ月になって落ち着いてきたから、冷静になってきたということですね。
自覚はなくても、今思うと産後うつだったのかも?
ママ・Yさん:本能的なものなのか、小さいうちは自分が世話をしたいって気持ちが強くなったんです。里帰りした時もそうですが、ほかの家族が娘の世話をしていると、「私のほうが過ごしている時間が長いんだから、人よりもよく分かっている」と思って、任せられなくなるんです。それから産後しばらくは、自宅のほうが安心と思って外出する意欲がでてこなくて、買い物もネット通販を駆使して家にこもりがちでしたね。今思うと「産後うつ」みたいな状態だったのかもしれません。
パパ・Fさん:ちょっと様子がおかしいなと思ったんですよ。今までそんなことがなかったのに、服装にかまわなくなって髪もボサボサで。メディアなどで“産後うつ”というものがあるという知識はあったんですが、まさか自分のパートナーがそんな状態になるなんて思いもしませんでした。
ママ・Yさん:本当に、家の外に出る意欲がなくなるんですよ。娘の世話をしているだけでいいやって気持ちになっていくんです。子育てにのめり込んでしまう状態です。今だから分かりますが、当時は精神的に余裕がなかったことに気がつけませんでした。
--Yさんはニュースメディアの編集者としてこれまで子育てや共働きに関する取材もされていますよね。だから知識も豊富だと思うのですが、それでも自分のことは分からなかったということなんですね。ちょっと意外です。
ママ・Yさん:産後は多かれ少なかれ、みんなメンタルに影響があるんだろうな、程度に思っていました。それから「産後うつ」というと、何もすることができなくて、寝ているだけの状態なんだというイメージを思い浮かべていました。自分の場合は、娘の世話はできているし家事も最低限できていたから、「産後うつ」だなんて思いもしませんでした。重い言葉ですしね。
--何か気がつくきっかけがあったんですか?
パパ・Fさん:側で見ていて心配だったので、積極的に外出を勧めたんです。買い物に行ったりとか。最初は「別にいいよ、家にいる」とかちょっと嫌がってたんですが、一人で美容室にいってカフェに寄って帰ってきた時に「スッキリした」とボソリと言われたんです。その後、「ずっと我慢していたんだなって自覚した」と話していました。たまたま外出を勧めたのが、結果的に解決につながりました。
ママ・Yさん:自覚がなかったんですよね。外出欲とか買い物欲はなくなったと思っていたんですが、押さえ込んでいただけだったんです。自分が思っているよりも、傍目からは鬱々とした状態だったんでしょうね。外出を勧めてもらって冷静になれました。
--普段のコミュニケーションがあって、さらに「産後うつ」のように出産にまつわる知識を備えていたから気がつけたのかもしれませんね。その後、どうやって鬱々とした状態を抜け出したんですか。
ママ・Yさん:これは時間が解決してくれました。娘が成長してリズムができてくると、いろいろな作業の見通しが立てやすくなってきたんです。また、5ヵ月になれば首もすわって体もしっかりしてくるので、人に世話を任せても大丈夫と思えるようになったことも大きいです。
パパ・Fさん:僕が娘の世話をしていれば、妻も自分がやりたいことに時間をあてられるようです。仕事は忙しいですが、娘と過ごす時間を作るために赤ちゃんの生活リズムに合わせて朝型に切り替えたんです。出勤前、沐浴やおむつ替えをしながら一緒に過ごしています。
ママ・Yさん:家事のことではいろいろ言いましたが、何か問題があると、その都度その都度、柔軟に対応してくれるので本当に助かっています。先ほどの食材が余る問題は、鍋料理にすることで解決しました(笑)。あとは、本当に私が疲れている時は、洗い物などを率先して済ませてくれるので、困った時にはちゃんと手を差し伸べてくれるんだな、と安心できる関係ができています。
パパ・Fさん:不規則な仕事なので、前もって何かを計画するというよりは、その都度対処することが多くなりますね。あと、春に妻の育休が明けて職場復帰したら家事のハードルが下がると期待しています(笑)。
Fさん家族の子育てルールは?
お二人に子育てのルールについて聞くと、次の答えをいただきました。
Fさんご夫婦は、二人ともメディア関係で不規則な仕事をしているからか、事前に計画して問題に備えるというよりは目の前の問題を柔軟に対応するという即決力が高いように感じました。その即決力を支えているのは、普段からのコミュニケーションのようです。
生活リズムと綿密なコミュニケーションが秘訣と語られたFさんご夫婦でしたが、子育ての課題の乗り越え方は家族ごとにそれぞれ。他の家族のありかたを見ると、我が家の子育てのスタイルが見えてくるかもしれません。
またピジョンのWebメディア「コモドライフ」では、さまざまな家族の子育てを紹介しています。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
最後に、出産後のイメージを考えるきっかけのひとつとしてピジョンが実施したプレママ・プレパパが育児について話し合うワークショップをご紹介します。
プレママ&パパの育児のきっかけづくり
ワークショップ
「育児・家事はチームプレー」という考えのもと、チームビルディング(一丸となってゴールを目指す組織づくり)の手法を、夫婦の間でもやってみようというイベントを、12月2日にピジョンが実施しました。講師は乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を開発するヴァル研究所。実際に仕事の中でチームビルディングを取り入れているそうです。
出産前はうまく分担できていても、出産後は何が起こるかわからないもの。そんな想定外の時、「相手に任せよう」と思っていたことができない! と慌てることにならないように、事前に作戦会議をしましょう、と説明を受けます。まだ出産前なので、ピンときていない方もいる様子……。
まずは育児や家事のタスクをどう割り振るかのチェック。チェックリストを使って、出産後の退院の準備から、授乳・寝かしつけ、洗濯や自分たちの食事づくりといった日々の家事まで、これは私が分担する、これはパパにやってほしいと、「それぞれ自分が考えている担当」を書き出します。
書き出した後は、ママとパパのチェックリストを突き合わせて、認識のズレがある場所を洗い出します。このご夫婦の場合、パパもママも「お風呂担当はパパ」という認識であっている様子。
実際にできそうか、思っていたよりも偏りがないか……お互い話し合って、最終的に割り振りを決めて一覧を作りました。作戦名をつけて、完成!
作戦名をつけることで、「あの作戦、うまくいってるかな?」と、夫婦で共通の認識を持ちやすくなる狙いがあるそうです。
ここで決めていても、出産して育児を始めたらズレが出ることも十分あるとのこと。出産後1ヵ月したら、同じ作戦で行くのか変更するのか、また夫婦で話し合ってくださいね、とアドバイスを受けてイベントは終了しました。
詳しいレポートは「ピジョン コモドライフ」にも掲載していますので、ぜひ読んでみてください。
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