訪日外国人の増加に伴い、多くの業界で英語での接客能力が切実に求められています。しかし、実情として、英語スキルの問題などにより外国人の接客対応が難しいという声も聞かれます。そんな中、免税売り上げ(インバウンド)が総売上の25%を占める百貨店「松屋銀座」は、新入社員研修に「英語応対能力検定」を導入。同時に、学習機としてカシオの「joy study」を採用しました。その狙いと効果について、お話を伺います。
接客業に特化した、実践的な英会話を
英語応対能力検定は、百貨店のような販売業をはじめ、飲食、宿泊、交通などに携わる接客業従事者が対象。訪日外国人に対して英語の簡単なフレーズで、必要な案内やサービスができるかどうかが評価される検定です。民間のビジネス英語検定と異なり、難しい単語や長い文章、正確な発音などは必要以上に問われません。検定はインターネットで実施。期間中いつでも自宅や職場のPCやタブレット、スマートフォンで受験できます。現在、インバウンド需要の高まりや、2020年に向けて訪日外国人も増えるであろうことから、観光や小売店、飲食、テーマパークなど様々な業種やエリアにわたる企業が、英語応対能力検定及び検定公認の英語学習機を採用しています。
松屋銀座は2017年、いち早くこの検定を導入。2018年4月からは、新入社員研修の一環に採り入れています。
新入社員を代表して、5月に売り場に配属されたばかりというお二人に、英語応対能力検定を受検した感想を伺いました。
三坂氏:「日常生活や旅行の英会話ではなく、実際に売り場で海外からのお客様に尋ねられるような状況ややりとりが出題され、非常に実践的な内容でした」
なお、松屋銀座では、販売員が外国人客への対応が終わると、またすぐに外国語で話しかけられるほど、外国人客への対応頻度が高いといいます。
髙須氏:「しかも記述だけでなく、実際に”話す”要素もあって、学校の英語の授業や試験とは違うなと思いました」
顧客戦略部担当部長の服部延弘氏も次のように語ります。
服部氏:「私たちが入社した頃に比べて、彼らはずっと英語が身近にある中で生きていると思うんです。学校でも、英語学習の比重は大きくなってきている。ただし、それが人と人のコミュニケーションを図るための英語なのか、それとも受験のための座学の英語なのかというと、現状ではまだ微妙ではないでしょうか」
同じく顧客戦略部の龍野由木氏によれば、
龍野氏:「前回の試験結果を見ても、聞く、書く、話すの3分野の中で、やはり話すのが苦手な人が多かったんです。でも、接客ではこの”話す”が何より重要なので、これを克服することが課題ですね」
とのこと。
そこで、英語応対能力検定の教材として、また、日頃の英語接客の学習機として松屋銀座が採用したのが、カシオの英会話学習機「joy study」です。
コンパクト&ショートコンテンツで、学習の場所と時間を選ばない!
joy studyは、手のひらサイズのデジタル英会話学習機。手軽に学べる幅広い難易度のコンテンツを多数収録、通勤時や外出先で気軽に英会話を学習できるのが魅力です。実践的な英会話を音声で繰り返し聴くことができ、自分で英語を話して、独学では難しい発音のチェックもおこなえます。
松屋銀座では、新入社員にjoy studyを一人一台貸与。英語での接客能力の向上をサポートしています。
――joy studyを使用した学習の感想は?
三坂氏「通勤時間に電車の中で使っています。空いた時間を有効に活用して学習できるのがいいですね。収録コンテンツも豊富です。私のお気に入りは『とにかくひとこと英会話』シリーズ(英語応対能力検定の公認学習教材)の『販売編』。名前通り、質問に英語ひと言で返す、というところから始められるので取っ付きやすいですね」
髙須氏「『とにかくひとこと英会話』シリーズは手軽で飽きなくて、私も好きです。私は、joy studyをいつもバッグに入れて持ち歩いています。売り場に立つときは、販売員はゆっくり休憩する時間があまりないので、さっと取り出してすぐにしまえるのが嬉しい。短い時間でも勉強する気になれますから」
――音声の聞き取りやすさや音声認識の精度はいかがですか?
三坂氏「気になったことはありません。音声はクリアで違和感はないですね」
髙須氏「私は発音チェックも使っています。マイクの感度を調整して、静かな部屋で。自分の発音を点数で評価してくれるのはいいですね。練習して点数が上がると、やる気が出ます」
コミュニケーションのための英会話なのに、相手がいない。ここが独学英会話の最大の難点。このため、発音のチェックができない教材では、実際の接客で自分の英語が相手に正しく伝わっているか判らず、不安になってしまうのです。一方、joy studyは髙須氏が言うように、この「正しく伝わるかどうか」を点数や発音指導で可視化してくれます。まるで、英会話教室がポケットに入っているようなもの。そして、とにかく手軽。1日5~15分×40日で基本的な接客英会話を学べる英語応対能力検定の公認教材を収録しています。
話せる英語が「単語」から「会話文」に
――joy studyでの学習が役立ったエピソードがあれば教えてください。
髙須氏:「外国からのお客様は、フロアマップを見るより販売員に聞いた方が早いので、売り場の位置をよく聞かれるんです。joy studyで学習をする前は『それは地下1階にございます』と言いたいのに、実際には『B1 floor』という単語しか出てきませんでした。これではお客様に無愛想な印象を抱かれてしまうとは思いましたが、当時はどうにもならなくて。でも、joy studyには”お客様に売り場をご案内する言い回し”が収録されていたので、これを覚えて、最近はただの単語でなく会話文で案内できるようになりました」
――例文を覚えられるのはいいですね。言い回しをその場で考えるのも大変ですし、例文をしっかり覚えて、それが体に染みついていれば、戸惑っているお客様を見ただけで「Can I help you?」と自然に話しかけられるでしょうね。
龍野氏:「英語も結局はコミュニケーションのツールです。恐れずに自ら触れて、どんどん使ってみてほしいですね。使えば使うほど、世界の人々と解り合える。大切なのはボキャブラリーより気持ちなのですが、日本人はつい文法や発音を意識して、つい腰が引けてしまうんですよね。そこを頭でなく身体で理解するきっかけに、joy studyがなってくれたらいいなと思います」
松屋銀座の接客品質の向上という大きな役割を担う、英語応対能力検定とjoy study。これらの導入には、実はさらなる効果も期待していると、服部氏は言います。
服部氏:「英語に限らず、学びたい、向上したいという社員は多い。しかし、仕事に追われてその向上心が満たされないままになってしまうと、社員のモチベーションも下がってしまうケースもあります。そんなふうにならないためにも、社員のやる気を会社がしっかりと受け止めることが大切です。
その点、英語応対能力検定という仕組みは当社の業務と非常に親和性が高い。その公認学習機であるjoy studyも貸与していますし、幸い、松屋銀座店は英語応対の実力を発揮する機会にあふれています。総合的に、社員のモチベーションアップの環境を提供できているのではないでしょうか」
現在、松屋銀座では、館内で仕事をしている(取引先なども含めて)クルーは2,000~2,500人。このうち、2020年までに400人が検定「A」判定(訪日外国人への応対が十分にできる)、あるいは「B」判定(訪日外国人に対して、概ね的確な応対が多くの場合できる)に合格することを目標としています。ただし、すでに合格した人も数えれば、その達成もすでに射程圏内だといいます。
海外からのお客様には便利さと良い思い出を、販売従事者に成長と喜びを、そして企業にはインバウンド効果をもたらしてくれる英語での接客能力。東京オリンピック・パラリンピックを前に各企業や業界の早急な取り組みが求められる中、英語応対能力検定とjoy studyによる学習は、今後ますます注目を集めそうです。
[PR]提供:カシオ計算機