「今日は雨が降るそうですよ。傘を忘れないでくださいね」
朝の身支度が終わり自宅を出ようとしていたとき、そっと声をかけてくれたのは、親でも恋人でもなく、1台のスマートフォンでした。
ひと昔前ならSFの世界でしかありえなかったことが、今や現実に起きています。スマートフォンのみならず、さまざまな家電が「知性」を持ち始めている中、そこに「ココロ」をプラスして人々の暮らしを変えようとしているのが大手電機メーカー「シャープ」です。
昨年、シャープは家電メーカーから「人に寄り添う」IoT企業への遷移を宣言。IoTにAI(人工知能)をミックスさせた独自の“AIoT”でどのような暮らしをつくろうとしているのか、シャープマーケティングジャパン COCOROメンバーズ推進部 部長の松本融さんにお聞きしました。
家電を「モノ」から「パートナー」へ。「COCORO+(ココロプラス)」で目指すビジョン
シャープの“AIoT”とは「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」の組み合わせで、「人に寄り添うIoT」という意味。ビジョンには「IoT機器を通じて人を知り、AIが最適な提案をする、人が主役となるスマートライフを実現」が掲げられています。
例えば、冒頭のスマートフォンの事例。スマートフォンAQUOSに搭載されているAI「エモパー」が話しかけているのですが、人はいくら適切な情報でも、タイミングが悪いと不快に感じてしまうものです。 |
洗濯機やエアコンなど、これまでの家電は「肉体的負担」を軽減することが主な役割でした。しかし、情報社会を生きる現代の人々は膨大な量の情報に振り回され、精神的に疲れ果てています。
“AIoT”によって「ココロ」を吹き込まれた家電が、その人にとっての適切なアドバイスを適切なタイミングで発してくれたとしたら、人は「自分のことをよく理解してくれるパートナー」として信頼するようになるでしょう。これがシャープの目指す「人に寄り添う」ということなのです。
“AIoT”で暮らしを彩る。シャープ製品を進化させる「COCORO+(ココロプラス)
この“AIoT”は、シャープ製品を大きく進化させています。
調理家電「ヘルシオ」「ヘルシオ ホットクック」では、人の好みを学習して献立を提案します。また、料理キットを宅配する「ヘルシオデリ」というサービスも昨年秋に開始しました。自宅に届いた料理キットを「ヘルシオ」や「ヘルシオ ホットクック」に入れるだけで、レシピデータをクラウド上から取得し、プロの味を再現してくれます。 |
ちなみに、この「ヘルシオデリ」は他社との連携によって生まれたサービス。現在シャープでは、松本さんを中心に他社とのアライアンス契約を進め、家電を通して人々の暮らしを彩る多彩なコンテンツを提供するため注力しています。
液晶テレビのAQUOSには「COCORO VISION」という機能があります。視聴傾向を学習したうえで放送中の番組をレコメンドしてくれる機能なのですが、その人に合った番組が無い場合は、音楽やゲーム、ビデオといった会員制コンテンツをおすすめする仕組みになっています。 |
こういった新機能が生まれることはまさにアライアンス契約の成果。特にビデオマーケットとアライアンス契約を結んだ「COCORO VIDEO」は、激戦区の動画サービス市場においても好評だと松本さんは言います。
「新作の配信が早い」「国内最大級の配信本数(200,000本)」という利点に加え、独自の画質変換によりAQUOSの画面に合わせた高品質な映像データを楽しんでいただけることがユーザーの満足度につながりました。 |
アライアンス先には夢やビジョンを語り、共感を呼ぶことに努めるという松本さん。しかし、ビジネスは「ココロ」だけでは前に進みません。綿密に立てた事業計画を提示し、それを着実に遂行していくことが求められます。確かなロジックで相手に寄り添い、信頼を得て共に高め合っていく。“AIoT”に宿る理念を、松本さん自身が体現しているのです。
いずれは家がまるごと人工知能化。「COCORO+(ココロプラス)」でシャープが実現する未来
2016年に始まった“AIoT”化のプロジェクトですが、2年が経った今、9つのカテゴリーで約100種類の商品がラインナップしています。たった2年という短い間にここまで拡大できた背景には、シャープに深く根差す企業文化がありました。
昔から、事業部間の壁が低いのが当社の特徴です。社を挙げて「やろう!」と決めたことには、部門を横断して人が集まります。「他社に真似される商品をつくれ」という創業者の口癖が今も息吹いていて、その価値観のもとで世の中をリードしていこうとする仲間がいることは心強いですね。 |
今年2018年、シャープの“AIoT”は次のフェーズを迎えました。家電同士がクラウド経由で連携し、人々に新しい暮らしを提案していきます。
あくまで一例ですが、テレビと調理家電が連携することで視聴している番組内に登場した料理を晩御飯の献立として提案したり、調理家電とエアコンや照明機器が連携することで食事のメニューに合わせて空調の温度や照明の明るさを調整したり、といったようなことが家電主導で行われていきます。 |
そしていずれは家がまるごと人工知能化し、Eコマースや行政サービス、セキュリティサービスなど、あらゆるサービスとつながっていくことになるだろうと松本さんは展望を語ってくれました。
液晶、通信、白物家電という現代の生活に欠かせない3つの分野で高い技術力を有しているシャープだからこそ、実現できる未来です。
時代によって、人によって、暮らしの「困りごと」は異なります。それをAIが事前に察知し、IoTによって得た情報から解決策を提案できたら、人々はより快適に毎日を暮らせるようになるでしょう。そんな世界を作っていきたいですね。 |
「暮らしの変化をダイレクトに感じられるのが楽しい」と話す松本さん。その眼差しには「未来の暮らしをより良く変える」気概が込められていました。
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