全国の高校生が3人組でチームをつくり、スイーツの腕を競い合う「貝印スイーツ甲子園」という大会をご存知でしょうか?
製菓学校だけでなく、普通科の高校からも毎年たくさんの学生が応募して、頂点を目指す大会です。
高校生の大会でも、作られるスイーツはどれも本格的!
第11回大会となる今年のテーマは『わたしたちの”極上”スイーツ』。今年の「貝印スイーツ甲子園」について、主催する貝印の戸田圭亮さんと古井涼子さんに話を聞きました。
スイーツの大会!? 評価のポイントは?
―「スイーツで競う」ということですが、どのように審査されるのでしょうか?
貝印スイーツ甲子園は、「課題作品」とテーマを元に自由に作る「テーマ作品」の2つで競います。テーマ作品では、見た目、味、独創性だけでなく、チームワークの良さ、器具の使い方、スイーツに対する熱意なども審査基準に加わります
課題作品では、決められた規格のホールケーキをつくります。みんな同じものをつくりますが、作品を並べてみると違いがよくわかります。生クリームの絞られた形、スポンジの厚さ、それぞれにクセや特徴が出るんですね。明確な合格基準にしたがって審査します
―チームワークの良さやスイーツに対する熱意も審査対象なんですね
今年貝印グループは110周年を迎え、「繋げる・深める絆」をテーマに様々な活動を行っています。今年の貝印スイーツ甲子園も「キズナ」をひとつの裏テーマとしていて、熱意やチームワークも重要視しています
大会では毎回、大小のハプニングが起こります。慣れないキッチンだったり、先生方に審査されているという緊張もあるんでしょう。例えば、飴細工がしっかり伸びない。割れてしまったり、焦がしてしまったりそうした予期せぬ出来事を前に、いかにチームワークで乗り切るか。ハプニングは頑張りどころでもあるんです
"お菓子づくり"は面白くてかっこいい!
貝印スイーツ甲子園は、総合刃物メーカーの貝印株式会社が2008年から毎年開催しているイベント。高校生が創作した世界にひとつのオリジナルスイーツを、日本を代表するパティシエたちが審査します。
―なぜ貝印さんが貝印スイーツ甲子園を開催しているのでしょうか?
実は今、お菓子をつくる子どもが減っているんです。お菓子づくりは面白い、パティシエって格好良い―――。若い世代に、そんな風に思ってもらえるように、お菓子の大会をつくりたいという思いからスタートしました
また貝印では製菓のための道具も多くつくっています。この大会を通じてお菓子づくりの裾野を広げていけたら、そんな思いもあります
―応募されるのは、やはりパティシエ志望の方ですか?
製菓学校の学生だけでなく、普通科の高校に通っているお菓子づくりが好きな高校生もたくさん参加しているんですよ
第11回大会となる今年も、約300チームにエントリーしていただきました
―300チームも!
最近では独自に校内予選を行い、勝ち残ったチームが応募するケースが増えているんです。大会に挑む先輩たちの姿に憧れて参加したいと思ったり、貝印スイーツ甲子園に挑むのが伝統になったりしている高校もあるそうです
エントリーされる作品の質も年々上がっています。大会の歴史も10年を越えて、歴代の優勝者には若手パティシエとして将来を期待されている方もいます。今後が楽しみですね!
先日、書類審査の結果を発表しました(クリックで公式サイトの結果発表へ)。8月に予選、9月には東京都内で決勝大会を行います。熱戦をぜひたくさんの方に見てもらいたいですね
過去の優勝作品をチェック!
課題作品とテーマ作品の両方で評価される本大会。歴代の優勝チームが創作したテーマ作品は、どんな点が優れていたのでしょうか。
―過去大会の作品は、どのような点を評価されたのですか?
第7回で優勝したレコールバンタン高等部「すまいる」チームは印象的でしたね!
『私たちのおもてなし』というテーマで、味、デコレーション、素材の構成などが高評価でした。また、調理時間の段取りも良かった。高校生らしい可愛らしい作品で、初出場ながら初優勝となりました
第5回の優勝チーム、熊本私立慶誠高等学校「ぱりとわ」もユニークですね
第5回のテーマは『高校生活』。食材の組み合わせや、熊本県の特産のでこぽんを加えるなどの独創性が高く評価されました。味のバランスも良かったです
―『高校生活』のテーマですが、パリのエッフェル塔がモチーフになっているんですね。
貝印スイーツ甲子園に優勝するぞ! という思いですね! 優勝チームには、有名パティシエに会えるパリ研修旅行を用意しているんです。
優勝者はスイーツの都・パリへ!
―パリへの研修旅行が、学生のモチベーションになっているんですね。
過去にはパリで活躍する青木定治さんやシリル・リニャックさんなど超有名シェフの方にも話を聞くことができました。スイーツの有名店で優れている点を勉強することも。また、日本では口にできない食材を試すこともできます。パリ市内の観光も楽しみのひとつですね。
また優勝チームと大手コンビニとのコラボの取り組みも行っています。昨年も、ローソンさんとコラボしたスイーツが店頭に並びました。自分が考えたケーキがコンビニで販売されるというのは、高いモチベーションにつながります
このロールケーキ、真ん中に桜の花びらの形をしたゼリーが入っているんです。高校生ならではの柔軟なアイデアや、若い人が好む食材の組み合わせ方など、新しい発想が面白いですね
予選まで進んだ全チームは、審査員である日本を代表するパティシエやシェフに助言をもらうことができます。予選でアドバイスもらい、決勝のケーキづくりの参考にできる。自分のケーキを高められる貴重なチャンスです。なお、第11回大会の決勝審査員として、「Toshi Yoroizuka」オーナーシェフの鎧塚俊彦氏、「パティスリー・ノリエット」オーナーシェフの永井紀之氏をお呼びしています
今年のテーマは『わたしたちの”極上”スイーツ』
―今年の大会テーマは『わたしたちの”極上”スイーツ』ですね
これが日本の高校生が考えた極上スイーツですと、自信をもって海外に紹介していきたいという思いでテーマを決めました。
貝印グループの全体売上は、国内と海外で50%ずつ。つまり海外の比率も高いんですね。日本の良い刃物を海外に展開していくわけですが、その考え方は貝印スイーツ甲子園にも共通します。高校生にも自分たちが自信を持って作ったスイーツを、国内外問わずどんどん発信していってほしい。その想いを『わたしたちの”極上”スイーツ』というテーマに込めています。
―最後に今大会の見どころと、貝印スイーツ甲子園を目指す高校生にメッセージをお願いします
スイーツづくり=特殊であまり馴染みのない世界、そんな気がするかも知れません。でも貝印スイーツ甲子園の現場を覗くと、ごく身近にいる等身大の高校生3人組が頑張っています。彼女ら彼らは高校野球の甲子園と同じように、高校生活の1年間、2年間といった長い時間をかけて、スイーツづくりに取り組んできた。その集大成が「スイーツ甲子園」です。高校生たちの熱い想いは、毎回、多くの人たちに感動を与えています
お菓子づくりに興味はあるけど、分からない、難しそう、そんな高校生の参加もお待ちしています。調理の技術を上げるきっかけにも、また今後のケーキづくり、お菓子づくりの参考にもなるでしょう。まずは決勝大会をチェックしてみる、そんなところからはじめてみてはいかがでしょうか
今年の応募はすでに締め切っていますが、興味をもった高校生の方は、来年度の第12回大会に向けてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
貝印スイーツ甲子園
大会の様子や開催スケジュール、過去の優勝作品などを掲載。ぜひチェックしてみてください。
貝印スイーツ甲子園
くわしくはこちらのWebサイトをチェック!
【参考】第11回大会(2018年)
8月上旬~:予選大会開催
9月16日:決勝大会 都内にて開催(予選を勝ち抜いた4チーム)
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