PCおよびPCパーツのメーカーとして長い実績を持ち、近年はスマートフォンのメーカーとしても存在感を際立たせているASUS。そのスマートフォン新機種「ZenFone 5」が、格安SIMの老舗IIJmioから発売された。2014年に登場した初代「ZenFone 5」や、2015年に登場したその後継機「ZenFone 2 Laser」は上質なデザインとスペックの高さ、コストパフォーマンスの良さで好評を博したが、新モデルはどのように進化しているのだろうか? 買い替え需要が高まる旧モデルと比較しながら、その魅力を探ってみた。
基本スペックも格段に進化
まずは、CPUや内蔵メモリなどの基本的なスペックからチェックしてみよう。比較対象は、旧モデルのZenFone 2 Laser(ZE500KL)だ。
表を見てわかる通り、ZenFone 5には最新のAndroid 8.0が搭載されている。同OSは、画面の隅に小窓を出して動画やナビなどを表示できる「PIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)」のような便利な機能が追加されているほか、テキスト選択の簡便化やログイン情報の自動入力など操作性も大きく改善されているのが特徴。多機能で使いやすくなったOSを利用できるのは大きなメリットだ。
CPUは、コア数が倍になり動作周波数が大きくアップした。しかもZenFone 5が搭載するSnapdragon 636は、CPUコアが従来のCortex A53から、より高性能なKryo 260に変更されており、動作周波数の数値以上にパフォーマンスが向上している。そのため、画像編集アプリや動画アプリ、ゲームなどもより快適に使用することが可能だ。
このほか、メモリは3倍、ストレージ容量も4倍に増えており、外部ストレージまで加えるとその差はさらに広がる。アプリをいろいろ使ってみたいという人や、写真や動画をガンガン撮るような人には嬉しいポイントだ。指紋認証や顔認証機能が搭載されたのも、セキュリティや使い勝手の面で大きな進化だと言えるだろう。
ハード面の進化も見逃せない!
次に、本体サイズや画面サイズ、解像度などがどう進化したかを見ていこう。
ZenFone 5をパッと見て印象に残るのが、その表示領域の広さ。フロントカメラなどがある上部をのぞいて、ほぼ前面いっぱいにディスプレイが広がっており、画面占有率は実に90%に達する。ZenFone 2 Laserも画面は大きい方だったが、ZenFone 5に比べるとフレーム部分の面積が多いため画面占有率は70%にとどまっている。
ディスプレイ解像度は、ZenFone 2 Laserの1,280×720ドットに対して、ZenFone 5は2,246×1,080ドットと約2倍に増加した。そのため、フルHDの動画などもより精細に表示でき、これまでは見落としていたような被写体のちょっとした表情の変化や服の柄、背景のディテールなどがより見やすくなっている。映画やドラマ、ミュージックビデオなどを、より緻密かつ迫力ある画面で楽しめるのは、スマホで動画を鑑賞する機会が多いユーザーにとって大きなメリットだ。
これだけ画面サイズや解像度がアップしているのに、画面周囲のフレームがほとんどない狭額縁デザインを採用しているおかげで、本体サイズが思ったほど増加していないのも嬉しいポイント。サイズは一回り程度、重量は20gほどしか増えていない。しかも手に持った時の安定感がいいので、サイズアップはしていてもメリットの方が大きい。