スマートフォンの悩みごとでよく耳にするのが「空き容量不足」です。データを保存しておく内蔵ストレージは32GB、64GBと有限のため、データを増やすに従い、当然空き容量は減っていきます。特に容量がかさみがちな写真や動画の扱いは悩みのタネで、まめにPCで取り込むかクラウドサービスに転送するしかありません。そんな空き容量不足で悩むスマートフォンユーザにとっての解決策のひとつが「NAS(ナス)」です。
NASとは、Network Attached Storageの略で、噛み砕いていえば「小型コンピュータで動くネットワーク対応大容量ストレージ」であり、PCやスマートフォンからはネットワーク(LAN/Wi-Fi)で接続されたファイルサーバとして認識されます。このNASを自宅に設置しておけば、いつでもスマートフォンに蓄えた写真やビデオなどのデータを移動/コピーできるので、その分内蔵ストレージの空き容量を確保できる、というわけです。
特に、Synologyの「DiskStation DS218play」は、いろいろな点でスマートフォンと相性の良い最新のNASです。NASといえばPCの周辺機器、スマートフォンがメインの自分には関係ない、と決めつけてしまっている人は、損をしているかもしれませんよ。
▼最大24TBの"選べる"大容量ストレージ
NASのおもな役割といえば"ファイルの保存場所"のため、ストレージの容量は大きいに越したことはありません。しかし、あらかじめストレージが搭載されているNASの場合、容量に空きがなくなったら買い替えるか買い増しすることになります。
DS218playにはストレージを格納する空間(ベイ)が2基用意されており、3.5インチまたは2.5インチのSATAハードディスク/SSDを2基合計で最大24TB(12TB×2)という大容量を実現できます。予算が少なければ1TBの安価なハードディスクで使いはじめ、容量が足りなくなってきたら空いているベイに4TBや8TBという大容量ストレージを増設する、など予算とニーズに応じて容量を選べることがポイントです。24TBもあれば、スマートフォンでたくさん撮影した写真/ビデオも余裕で保管できることでしょう。
なお、DS218playに搭載されているCPUは64bit/1.4GHzクアッドコア(Realtek RTD1296)とパワフルで、メモリもDDR4 1GBとこのクラスのNASとしては大容量です。USB 3.0ポートを2基備えており、USBメモリなど外部記憶装置からのファイルコピーも楽に処理できます。
▼自宅の外からNASにアクセス
DS218playは、Synologyが用意する中継サーバ「QuickConnect」を利用することで、屋内からはもちろんのこと、インターネット回線が使える状態であればどこからでもストレスなく接続できます(リモートアクセス)。利用するには、セットアップのときに「QuickConnect ID」を取得しておくだけ。難しい知識なしに、屋外からも自宅のDS281Playに保存してあるファイルを取り出せます。Wi-Fiはもちろん、モバイル回線(携帯電話会社の通信回線)も利用できます。
ちなみに、リモートアクセスするためには、DS218playがつねに稼働していなければなりませんが、NASは常時電源オンが前提のデバイスですし、PCをサーバとして常時稼働させるより省エネになります。リモートアクセスしてもSynology製NASのOSである「DSM」がWindows風GUIを採用しているため、自宅にいるときと変わらない感覚で作業できます。スマートフォンに最適化されたページデザインも用意されているので、4インチ程度の小さな画面でも作業しやすくなっています。
▼スマホの写真・ビデオをバックアップ&自動分類
DS218playを含むSynology製NASには、独自開発のOS「DiskStation Manager(DSM)」が採用されています。DSMではWebサーバが常時稼働しており、外部のWebブラウザからアクセスするとパソコンのデスクトップのような画面で操作できます。
・iOS/Android用の専用アプリを用意
DSMには、iOS/Android向けスマートフォンアプリも用意されています。動画の転送/閲覧には「DS video」、オーディオ再生には「DS audio」、ファイル転送には「Drive」などと機能別に独立しており、目的に応じて使いわけることができます。Webブラウザだけでなく、スマートフォンアプリを利用した遠隔操作にも対応しているのです。
なお、スマートフォンアプリで遠隔操作するためには、DSM側に対応するアプリ(スマートフォンアプリと同名)をインストールし稼働させておく必要があります。DSM側は接続の受け入れ機能を提供するサーバとして、スマートフォンアプリ側はデータを送受信するクライアントとして利用するしくみです。
・写真転送/閲覧には「Moments」がおすすめ!
写真の転送/閲覧には「Moments」と「DS Photo」という2種類のアプリを利用できますが、特に「Moments」には写真の内容を分析し、被写体のジャンルごとに分けて管理するAIベースの画像認識機能が用意されています。
日常の出来事をカジュアルに撮影することが多いスマートフォンの場合、人間の顔(顔認識)や景色・被写体の種類(テーマ認識)で自動分類してくれる機能は、NASにはありそうでなかったものといえるでしょう。なお、Synlogy製品で同価格帯のNASに「DS218j」がありますが、こちらはハードウェアの制限によりテーマ認識には非対応です。
・「Moments」の操作方法
画像認識/分類はNAS側の同名アプリ(Moments)で実行されるため、スマートフォンから写真をアップロード/バックアップする前に初期設定を完了させておきましょう。WebブラウザでDS218playにログインし、Momentsアプリの設定画面にある「アルバム」タブを開き、「人々」や「主題」といった項目をチェックすれば準備完了です。なお、画像認識には多少の時間がかかるため、アップロード/バックアップ完了後しばらくすると写った人物や風景・場所による分類を確認できるようになります。
テーマ認識の精度はかなりのレベルで、動植物や建物、山や海などの風景、食物や飲料といった大まかな分類はおおよそ正確に処理されます。動物でいえば犬や猫など、小分類の正答率は100%とはいかないものの、食物や風景といったまったく異なるカテゴリに分類されることはありません。
たとえば、ジャンガリアンハムスターの写真は「動物」カテゴリだけでなく、「ハムスター」という小カテゴリにも分類されていました。東京・神田明神の写真は「寺院」に、ベルリン・フランス大聖堂の写真は「教会」に分類されるなど、建物の形状も認識しているようです。
・自動バックアップでいざというときにも安心
Momentsは、写真/ビデオの自動バックアップにも対応しています。準備はかんたん。スマートフォンの「Moments」アプリで「その他」タブを開き、「写真のバックアップが有効化されていません」に続けて「画像バックアップを有効にする」をタップすればOKです。バックアップの基準も選べるので、購入後初めて利用するときは「すべての画像をバックアップ」を選択し一括転送するといいでしょう(中断可)。スマートフォンの通信費が気になる場合は、「Wi-Fiのみでアップロード」を有効にしておけば安心です。
ところで、DS218playにはハードウェアベースのビデオトランスコーダ(映像フォーマット変換機能)が搭載されています。再生アプリに「Moments」や「DS Video」を利用すれば、4K映像(4,096×2,160ピクセル)をHEVC/H.265形式のフルHD映像(1,920×1,080ピクセル)に変換しながら出力できるので、4K解像度に対応していないテレビやスマートフォンでも4Kムービーを再生できます。
このように、DS218playはアプリと組み合わせるとスマートフォンでも気軽に利用できます。必要に応じて最大24TBまでストレージ容量を増やせますから、購入後まもなく写真/ビデオや音楽でいっぱいになってしまった、ということがありません。本体価格が2万円台前半とリーズナブルなこともあり、"はじめてのNAS"にもってこいの製品といえるでしょう。
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