「大人のための変身ベルト」をコンセプトに開発されたバンダイボーイズ事業部の「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の第20弾は、2002年から2003年にかけて放送された特撮テレビシリーズ『仮面ライダー龍騎』の変身ベルト「Vバックル」に決まった。「CSM Vバックル&ドラグバイザー」(51,840円/税込)として、2018年6月25日11時よりプレミアムバンダイで予約受付がスタートする。
「CSM Vバックル&ドラグバイザー」には、『龍騎』に登場した主要な「仮面ライダー」たちが変身に用いる「カードデッキ」が付属する上に、各ライダーたちが劇中で話した印象的なセリフやBGM、効果音などが収録され、『龍騎』ファン必携といっても過言ではない充実のアイテムに仕上がっている。ここでは、久々に再会を果たした仮面ライダー龍騎/城戸真司を演じた須賀貴匡、仮面ライダーナイト/秋山蓮を演じた松田悟志の2人に、『仮面ライダー龍騎』放送当時の人気の高さや、現在でも根強く支持してくれるファン、そして『龍騎』の玩具商品にまつわる思い出を熱く語ってもらった。
――本作の仮面ライダーは、鏡、または反射する物体にカードデッキをかざし、Vバックルにデッキを装填する際に変身ポーズを取りますが、あのポーズはどのようにして決まったのでしょう。
須賀:確か、ライダー1号のポーズが龍騎で、ナイトが2号をモチーフにしているそうです。
松田:そんなことを最初に言われたような気もする。変身ポーズはアクション監督の宮崎(剛)さんに教えてもらいました。
須賀:真司も蓮も、変身ポーズ自体はシンプルなんだよね。
松田:『龍騎』のライダーが変身するときは、特に仮面ライダーだから変身シーンを象徴的に見せて……という気構えはまったくなくて、ドラマの流れで変身している感じがありました。
須賀:終盤だと、これ以上ライダー同士の戦いをするのがキツい……という思いで真司がイヤイヤ変身するなんて場面もあったなあ。
松田:そういう意味では、すごく変身のテンションの幅が広かった。浅倉なんかは戦いが日常化してしまっていて、もののついでに変身してミラーワールドに入っちゃう、みたいなのもあったしね。
――平成ライダーとしては3作目にあたる『龍騎』は、前作『アギト』の好評を受ける形で、テレビシリーズと並行して夏に劇場版、そして同じ時期にゴールデンタイムの1時間スペシャルなども作られました。主演として出ずっぱりのお2人にとって、撮影スケジュールはかなり大変だったのではないですか。
須賀:テレビと劇場版とスペシャルが重なったときもあって、途中でごっちゃになることがありました。もう、自分が今どこにいるのかもわからなくなってしまって。
松田:劇場版の撮影をやっている時期、須賀っちに朝起こしてもらったことがあるんだよね。
須賀:あったあった! ドア叩いて「やるよ~!」って呼んだんだ(笑)。
松田:あのとき、劇場版とテレビを同時に撮影していたので、毎日終わっても家に帰れなくなっていたんです。朝テレビをやって、午後に劇場版。夕方またテレビをやって、夜中まで劇場版。そうしたら翌朝7時から再開……みたいなスケジュールで。
須賀:帰っても寝る時間がないってことで、撮影所の近くにホテルをとってもらったんです。
松田:ホテルに泊まるにしても、撮影所の行き帰りの時間ももったいない。ロケバスの中で寝ますと言ったんですけれど、それでもまあ体裁として……と、ホテルで寝ていたのですが、それでまんまと自分だけ寝坊しまして(笑)。
須賀:それで、僕が呼びに行ったという。
松田:あのときはすごくハードでしたね。2人とも現場でもウトウトしていて「テスト!」って言われたとき、ビクッ!って起きるって感じでしたから。
須賀:わかる! 芝居中でも睡魔がやってくるんだ。テレビと劇場版が重なって、「今どっちのセリフをしゃべってるんだろう?」なんて考えることもたびたびありました。
松田:劇場版のころは真夏だったから、衣裳が辛かったのも覚えてるなあ。蓮はあの季節にタートルネックと革コートですから。
須賀:暑そうだったなあ(笑)。
松田:劇場版でよく覚えているのは、公開初日の舞台あいさつを行ったときのことです。テレビの撮影で宮崎までフェリーで行ったのですが、帰りのフェリーの中でも撮影をしていて。
須賀:あったあった。長石(多可男)監督の回だった。2日間の船旅を利用して、船内のシーンを撮っていたんです。
松田:ロケから帰ってきたら、その足ですぐ劇場に向かってと言われ、そのまま舞台挨拶に立ちました。だから、舞台挨拶している間、足元のステージがずっと揺れていた。まだ船の中みたいな感じでした(笑)。
――劇場版は、テレビシリーズがまだ中盤を過ぎた段階でありながら、「最終回先行公開」という触れ込みで、いち早くエンディング(テレビとは別の)を見せるという趣向で、当時のファンの間で大いに話題を集めました。
松田:さっきサンプルとして当時の音声を聞いたとき、劇場版のセリフについてはひときわ心にグッとこみあげるものがありました。
須賀:わかるわかる。ほんとにちょっと当時の熱い気持ちを思い出しました。
松田:劇場版は、本当に気持ちを込めて芝居をしていました。ラストシーンのとき、龍騎サバイブとナイトサバイブが、無数のハイドラグーンの群にダーッと突っ込んでいくんですけれど、あのとき、アフレコでは2人で「断末魔」の叫びをあげていたんです。
須賀:「ウワーーーーーッ!!」って、最後に2人で叫んだのを覚えていますね。
松田:あれはもう、龍騎とナイトは絶対に助からないところに突っ込んでいくわけでしょう。死を覚悟してモンスターを殲滅させようと立ち向かっていく。
須賀:なのに、それほど悲観している感じでもないというニュアンスでもありました。
松田:最後に思いっきり叫びながら、龍騎とナイトの姿が見えなくなっていく、というイメージで収録したんですけれど、さすがにこれではちょっと「重い」ということになり、画面では僕らの絶叫はなくなって、サイレントで突っ込んでいく風に変更されました。