ドイツが世界に誇るカメラ、ライカ。1914年にプロトタイプが発明されてから100年以上の歴史を持つ名門中の名門ブランドだ。これまで世界中の著名写真家に愛用され、数々の名作が生まれた。あの報道写真家であるロバート・キャパも、ライカを使用していたことで知られる。

  • 「ライカCL」

その高級カメラの代名詞でもあるライカを手に、世界中を旅して撮影しているのが、人気の若手女性写真家のコムロミホさんだ。ここではコムロさんにAPS-Cシステムカメラ「ライカCL」を使ってもらい、その使い心地やライカの魅力について伺った。また、コムロさんが「ライカCL」で撮影した香港での作品も、合わせて紹介しよう。

  • コムロミホさん(インタビュー/インタビューカット撮影:藤井 智弘)

一押しのシャッターが、人生を変えた

――まずは、コムロさんがライカを好きになったきっかけを教えてください。

私はもともと写真を撮られる側、モデルをしていました。あるとき、世界の100人の写真家が撮影する企画にモデルとして参加しました。そのなかで、日本人の写真家がライカを使っていたんです。そのライカを触らせてもらって、シャッターを切ったら……あまりの感触の良さに、衝撃を受けました。私がこれまで知っていたカメラとは全然違う。「このカメラで写真を撮りたい!」と思ったのが、ライカとの出会いですね。

  • ライカにシャッターひと押しで魅了されました

それで、モデルから写真家に転身して、ライカを使い始めました。なので、ライカと出会わなければ、今の私はないんです。ちなみにその時の日本人の写真家は、今は私の主人です(笑)。これもライカのおかげですね。

――まさにライカが人生を変えたのですね。 とはいえ、ライカはハイブランドの高級カメラ。今回お使いになった「ライカCL」は、レンズ(ライカ エルマリートTL f2.8/18mm ASPH.)とのセットで約50万円です。読者の中には、「自分には手が届かない」と思っている方もいるのでは。

ライカは長く愛用できるのが魅力のひとつです。10年以上前に発売されたライカのデジタルカメラを、今も愛用している方はたくさんいます。多くのデジタル機器は新型が出ると、それまでの機種は急に古さを感じますが、ライカはそれがありません。

私の初めてのライカは「ライカM9」というカメラです。ただ、高価なカメラなので、購入を迷っていました。でも、「例えば、3年間お金を貯めて購入すると、その3年間は撮影ができない。それならローンを組んででも、今購入した方が自分のためだ」と思ったんです。その次の日にはライカを購入しました。

――なぜライカは長く使えるのでしょう。

ひとつは造りの良さですね。この「ライカCL」も、本体カバーはアルミの削り出しです。手にした感触がとてもいいんですよ。そして操作がシンプルなこと。ライカはどの機種でもボタンやダイヤルの数が最小限なので、説明書を見なくても使い方がわかるほどです。シンプルで洗練されているからこそ、長く使っていても古さを感じないのだと思います。

「ライカCL」の使い心地

――実際に「ライカCL」をお使いになって、いかがでしたか。

まずデザインが素敵ですよね。ライカの伝統を感じるアイコニックな形なので、ライカを手にする喜びがあります。またダイヤルやボタンに加えて背面モニターがタッチパネルなのも使いやすいです。カメラをあまり触ったことがない方でも、スマートフォンに似た感覚で扱えると想いますよ。

  • シンプルな設計のため、初心者でも分かりやすいデザイン

  • 背面のモニターはタッチパネル

そして小さくて軽いのもポイントですね。私は旅に出ると1日2万~3万歩は歩くので、カメラのサイズと重さは重要なんです。今回「ライカCL」を持って香港まで撮影に行きましたが、持ち歩いていても全く苦になりませんでしたね。

  • 18mmの広角を活かして撮影した、香港の街並み(撮影:コムロミホ)

私は旅のスナップをよく撮るのですが、被写体の自然な姿をとらえることを意識しています。例えば人物ならカメラ目線ではなく、その場の雰囲気を感じさせる姿ですね。そうした写真を撮る際に、街でさり気なく撮れるライカが威力を発揮します。

  • ISO6400の高感度撮影(撮影:コムロミホ)

そして画質の良さも、さすが”ライカ”ですね。すごくシャープで、細かい部分まで解像します。試しに自宅で飼っている犬を撮ったら、毛並みの質感が伝わるほどリアルに写りましたよ。

  • 最短撮影距離付近のボケ感とピント面の解像感(撮影:コムロミホ)

――「ライカCL」の設定や、撮影のコツなどはありますか?

私は鮮やかな色調が好きなのでフィルムモードを「ヴィヴィッド」に。モノクロにしたいときは「モノクロハイコントラスト」に設定しました。モノクロハイコントラストは黒が締まって、重厚感のあるモノクロを楽しむことができます。

  • モノクロハイコントラストを生かして(撮影:コムロミホ)

「ライカCL」は、ファインダーを覗いて撮れるのもポイントです。明るい屋外でも快適に撮影できますよ。電子ビューファインダーなので、フィルムモードをモノクロにすればファインダー内もモノクロになります。なので、仕上がりがイメージしやすいと思います。

今回、香港では撮影モードを「A」に設定しました。基本、絞り値は開放F値に。ライカのレンズはどれも描写力の高いので、絞り開放でもピント面はシャープに描写し、美しいボケを作り出してくれます。それが被写体に立体感を与えてくれるんです。

レンズの個性を一番楽しめるのは、絞り開放だと思っています。少し絞るだけで、圧倒的な解像感を見せてくれます。この素晴らしい描写が、ライカの魅力です。

  • F4まで絞って、全体の解像感を見せる(撮影:コムロミホ)

ファンクション(FN)ボタンによく使う機能を割り当てるのもコツですね。私はホワイトバランスにしていました。Wi-Fi機能を持つので、撮った写真をすぐスマホに転送できることも見逃せません。SNSをお使いの方なら、FNボタンにWi-Fiを割り当ててもいいですね。

  • FNボタンには、自身に合わせたメニューが設定可能

レンズは、まずはセットのライカ エルマリートTL f2.8/18mm ASPH.がおすすめです。ズームレンズではないですが、自分で被写体に寄る、離れるなど考えながら撮れるので上達が早いです。被写体に近づけばボケ感のある写真も撮れますよ。

  • 手前に映る猫と、背景のボケ感が特徴(撮影:コムロミホ)

人を繋ぐライカ

――コムロさんが考える「ライカの世界観」とは、どのようなものでしょうか。

ライカは人と人を繋ぐ力がある、と思っています。ライカをさげていると、いろいろな人から声をかけられて、どんどん仲間の輪が広がっていくのです。

――コムロさんは「ライカ会」なるイベントも主催されていますね。

そうしたライカファンが集まる場所として作ったのが「ライカ会」です。多いときは20~30人も集まりますよ。みんな口コミでライカ会を知った方ばかり。それだけライカは人を惹きつけるのです。

ライカはコミュニケーションツールとしても他にはない存在だと感じますね。ちなみにライカ会は、ライカが好きな方ならどなたでも参加できます。ビギナーの方もいますよ。みんなで愛機を囲んでライカ談義に花を咲かせています。


技術が発展した現代でも、100年以上の伝統を受け継ぎながら進化を続けてきたライカ。妥協しない製品づくりこそ、ライカに魅了される人々が絶えない理由だろう。

今回紹介した「ライカCL」は、「こだわり」「一貫性」「クラフツマンシップ」というライカの軸はそのまま、ライカの生みの親、オスカー・バルナックの伝統を受け継いだカメラと言われている。シンプルな設計や操作性から、ライカ初心者にもぜひおすすめしたい一台である。

[PR]提供:ライカカメラジャパン