2018年3月6日から9日にかけ、東京ビッグサイトで開催された「リテールテックJAPAN2018」。ブラザー販売は、同イベントにて複合機やラベルプリンター、スキャナー内蔵カッティングマシンなどを利用したさまざまなソリューションを小売業界向けにアピールした。本稿では、そのブラザー販売ブースの当日の模様をお伝えしたい。
ブラザーのプリンターは、店舗において高い人気を誇っている。その理由として、良好なイニシャル/ランニングコスト、狭い店舗でも設置しやすいコンパクトさ、そしてフロントオペレーションをはじめとした、スタッフが簡単に扱える操作性の良さが挙げられる。また、まだまだ利用機会の多いFAXを標準搭載しながらも、インターネットファクスやファクスクラウド転送などを導入し、通信コストを下げていることもポイントのひとつだろう。
本部から各店舗のプリンターを一元管理する「BRAdmin」
そんなブラザー販売が今回、最も力を入れて紹介していたのは、多店舗運営をする企業に向けたネットワークソリューション。なかでも目玉となっていたのが、「BRAdmin (ビーアールアドミン)」だ。
「BRAdmin」は、インターネットや社内LANを介して本部から各店舗のプリンターを一元管理できるソリューション。ブラザーのネットワークプリンターならラベルプリンターを含めほぼすべての機種が対応しており、型番を選ばずに利用できる。特徴は大きく分けて3つある。
1つめは、各店舗のプリンターに対し、本部からリモートで本体設定が行えること。プリンターの設定情報はインポート/エクスポートが可能なため、遠隔地から複数の機器に対して共通した設定や電話帳をカンタンに登録できる。さらに、リモートアップデートにも対応。つまり、リモートでのアクセスにより新規導入やリプレース、更新時の初期設定の手間を大幅に減らせるのだ。
2つめは、本部から各店舗のプリンターの稼働状況(ステータス)をリアルタイムに把握できること。支店のプリンターで発生しているインク切れや紙詰まり、消耗品の利用状況などを本部で確認でき、それらのステータスをEメールで通知を受け取れる。各店舗で起こっているトラブルにいち早く気付くことでダウンタイムを減らし、業務改善につなげられる。
3つめは、プリンターの使用状況を本部で把握できること。デバイスログ取得機能を備えており、印刷枚数や稼働時間などを定期的に調べられるため、本部にいながら各店舗の運用状況を確認できる。ログを調べることで、プリンターの運用コストやスタッフの働き方を見直すことも可能だろう。
この「BRAdmin」は、なんと無料で提供されており、ブラザーのプリンターを利用している企業なら追加コストゼロで導入が可能。すでに(株)ハードオフコーポレーションや(株)ブロンコビリーといった多店舗運営を行う企業でも実際に導入されており、一元管理の実績を上げているという。
iOSやAndroidにも対応したWeb会議システム「OmniJoin」
多店舗運営に向けたネットワークソリューションのもうひとつの柱として展示されていたのは、Web会議システム「OmniJoin (オムニジョイン)」。クラウドを利用し、本部と各店舗間でリアルタイムにWeb会議が行えるサービスだ。音声や映像、文字チャットだけでなく、アプリケーションやファイル、デスクトップやホワイトボードを共有しながらコミュニケーションを取れる。また、録画機能も備えているため、議事録として参加できなかったメンバーが確認することも可能だ。
「OmniJoin」の魅力は、フルHD(1920×1080ドット)の高画質映像、クラウドを利用した通信の安定性、PCだけでなくiOSやAndroidという幅広い端末に対応していることが挙げられる。本部と店舗間のWeb会議がもっとも活躍する場ではあるが、そのほかにもスマートフォンで現場と通信したり、セミナーや社員研修に使ったりと、その活用の幅は広い。
黒/赤2色同時印刷が可能な感熱ラベルプリンター
小売店やバックヤードで需要の高い製品といえば、感熱ラベルプリンターだ。ブラザーでは、専用のDKテープ/ラベル、DTロールを利用する「QLシリーズ」と、汎用のRDロール紙を利用するTDシリーズをラインナップしている。
「QLシリーズ」には、新たにラベル幅2.5インチの「QL-820NWB」と、ラベル幅4インチの「QL-1115NWB」の2機種が登場した。両機種とも有線LAN/無線LAN/Bluetooth/USBという豊富なインターフェースに対応する。
特に人気があるのは「QL-820NWB」だ。その秘密は「黒/赤2色同時印刷」にある。これは感熱紙にかける温度を変えることで実現されたもので、注目してほしい部分や警告などを赤色で表したり、ちょっとしたイラストやロゴを印刷したりとその用途は幅広い。また専用アプリを利用して、スマートフォンやタブレットから印刷も可能。
「TDシリーズ」は、「TD-2130NSA」を利用したデモンストレーションが人気を博していた。1つめは「TD-2130NSA」と電子はかりをBluetoothで連動させ、重量をラベルに記載するというシステム。物理的にケーブルでつなぐ必要がないため、設置場所の自由度が広がるはずだ。2つめは、サービスクーポンの発行システム。通常このようなサービス券/クーポン券はネットワークと連動して発行されるが、「TD-2130NSA」は本体のみで対応が可能。イニシャルコストを抑えられるため、小規模店舗でも導入しやすいだろう。
なお、これらのラベルプリンターも、もちろん最初に紹介したBRAdminに対応している。ラベルプリンターをBRAdminで管理すれば、全店舗にラベルテンプレートデータを配信し、同じラベルを発行することもできる。
店舗だけでなく幼稚園などにも需要のあるスキャナー内蔵カッティングマシン
多店舗運営のためのネットワークソリューションではないが、店舗向けのソリューションとしてスキャナー内蔵カッティングマシン「CM650W」も大きく展示されていた。ハサミやカッターを使わずとも、紙や布を好みの形に自動でカットしてくれる製品だ。PCレスで使用できるのも魅力。
1,102種の模様&15種の書体がカットデータとして標準で用意されており、プリンターで印刷した図形などを読み取らせてカットすることも可能だ。店内装飾に使われるPOPなどをだれでもカンタンに、かつ素早く作れるというわけだ。とくに、店舗ごとに独自のPOPを作りたいといった小ロット制作時に便利だろう。
「CM650W」の使われ方といえばショップや書店などが真っ先に思い浮かぶが、実は幼稚園や学校、デイサービスなどの現場で導入される例もかなり多いという。またクラフトワークショップで、生徒用の素材を作っておくのにも利用されているそうだ。手間のかかる切り抜きを、自動かつ高速に行える「CM650W」は、従業員の労務改善にも役立つだろう。
プリンターを軸に働き方改革を進めるブラザー販売
ブラザー販売は現在「医療」「店舗」「製造・物流」の3つに注力したソリューションを進めている。なかでも本イベントで紹介される「店舗」は、もともとブラザー製品のシェアが根強く、そのぶん非常に力が入っている。今回キーワードとなったのはネットワークソリューションだが、その背景には店舗の労務環境を改善し、働き方改革を進めたいという想いが感じられた。多店舗経営を行っている企業はもちろんのこと、店舗を経営している方はぜひブラザー販売のソリューションに注目してほしい。きっと労務改善の一助となるはずだ。
なお、ブラザー販売では現在、各種キャッシュバックキャンペーンも実施している。購入を検討している方は、この機会をうまく利用してほしい。
[PR]提供:ブラザー販売