生後半年頃から生え始める赤ちゃんの歯。ピカピカの白い歯を虫歯から守りたいと思うのが親心だ。とはいえ、ケアはいつから始めたらよい? 今やっている方法は正しい? など疑問も多いもの。そんな悩めるパパ・ママに向けて、ベビー用品メーカーのピジョンが乳歯ケアの勉強会を実施した。勉強会のレポートと合わせて、赤ちゃんの歯磨きに関するコツを紹介する。
いつから始めてる?赤ちゃんの歯磨き
ピジョンが妊娠中・乳幼児を持つ方920人を対象に行った調査では、99.3%が「乳歯ケアに関心がある」と回答。また、ケアを開始した時期では「前歯が生え始めてから」が68%と、半数以上のママは歯が生えてから歯磨きをスタートしている。
乳歯ケアの具体的な悩み事として、最も多かった回答は「子どもの歯がきちんとみがけているか自信がない」で72.9%。次に「子どもが歯磨きを嫌がる」(47.9%)だった。毎日行う歯磨きでも、わからないことや悩みは意外と多いようだ。
今回のアンケートから赤ちゃんの歯磨きに対する実態が明らかになったが、正しい方法も気になるところ。そんな中、ピジョンが開催したセミナー「早期からはじめる親子いっしょの乳歯ケア」で、歯科医の先生がその疑問に答えてくれた。
講師は、東京都大田区にあるクラジ歯科医院の院長・倉治ななえ先生。マイナビニュースもこの勉強会に参加、歯磨きのポイントを教えてもらった。
早期からはじめる親子いっしょの乳歯ケア
講師:クラジ歯科医院 院長 倉治ななえ先生
1979年 日本歯科大学卒業。
1983年 クラジ歯科医院開設 現医院長
1990年 「子育て歯科」を始める
2003年 Dr.NANA 予防歯科研究所設立(現代表)
・日本歯科大学附属病院 臨床教授
・日本フィンランド虫歯予防研究会 副会長
・東京都大田区学校保健会 副会長
・日本歯科医師会 元常務理事
・日本学校歯科医会 前副会長
そうだったの!? 知っておきたい乳歯ケア知識
「美しい乳⻭に保ってあげることは、美しい永久⻭を持つことに繋がります。親から子への、将来の⼤きなプレゼントなんです」と話す倉治先生。乳歯は歯を守るエナメル質や象牙質が大人の歯よりも薄くて弱いため、虫歯になりやすいそう。赤ちゃんの歯を守るために知っておきたい知識とは…?
●乳歯ケアは「乳歯が生える前から」&家族のケアも必須!
乳歯ケアを始めるのに最適な時期はなんと「乳歯が生える前」とのこと。というのも口の中に虫歯の原因菌であるミュータンス菌を感染させない・増やさないためだ。
「生まれた時、赤ちゃんの口の中にミュータンス菌はいないんです。実はミュータンス菌はだ液を介して感染します。例えばスプーンやおしゃぶり、ペットボトルの回し飲みでも感染してしまうのです。食べ物を噛み砕いてあげたり、口移しであげないようにしてください」(倉治先生)
また、大人から子へ感染するケースが多いため、「大人を含めて家族揃ってケアが必要」と強調して伝えていた。
●乳歯の虫歯は永久歯にも影響する!
とはいえ、乳歯はいずれ生え変わるもの。永久歯でなければケアをしなくても大丈夫と油断をしてしまいがちだが、倉治先生は「乳児の虫歯は永久歯にも影響を及ぼします」と語る。
「乳歯に虫歯ができると、痛みによって噛みづらくなり、よく噛んで食べなくなります。よく噛まないことにより顎の骨が育たず、顎や顔面の成長、脳の成長にまで影響を及ぼします。また、虫歯によって早期に乳歯が抜けてしまうと永久歯が生えてくる際の支え棒がなくなってしまうため、歯並びが悪くなる可能性もあります」(倉治先生)
子供が嫌がらない磨き方って?おうちでできる歯磨きのポイント
●磨き方は「自分磨き」+「仕上げ磨き」のダブルケア
家庭における子どもの歯磨きは、"自分磨き"と"仕上げ磨き"の2通りの方法で行う必要があるとのこと。
「2通りの方法は、それぞれ目的が違います。"自分磨き"は将来自立するための教育です。歯磨きの時間に渡してくわえさせ、歯ブラシの感覚に慣れてもらいましょう。しかし、もちろん自分自身ではしっかりと磨けないため、9歳までは親の手で"仕上げ磨き"をしましょう。そこで歯垢を徹底的に除去してください」(倉治先生)
また、自分磨きと仕上げ磨き、それぞれに適した歯ブラシを使い分けることも必要だという。
●痛がらない歯磨きのコツは「"上唇小帯"をガード」
アンケート調査でも約半数の人が乳歯ケアの悩み事として「子どもが歯磨きを嫌がる」と答えたが、勉強会ではその原因と対応方法をレクチャーした。
「子どもが歯磨きを嫌がるのは、まずは痛いから。その原因は歯ブラシの動かし方が大きすぎることや固定ができていないことが挙げられます。子どもが"気持ちいい""心地いい"と感じるような仕上げ磨きを心掛けてください」(倉治先生)
子どもが歯磨きを不快に感じないための磨き方の秘訣の1つ目は、上唇小帯をガードすること。ここに歯ブラシが当たると痛がるため、この部分を人差し指で押さえてブラッシングをするとよいそうだ。
もう1つ目のコツは、歯ブラシを短く持ち、頬に小指を当てて固定した状態で、1ミリ程度の振り幅で小刻みに動かすことだ。
●「フッ素入り歯磨き剤」で強い歯に
また、子どもの虫歯予防には歯磨き剤の働きも重要とのこと。中でも"フッ素"は歯を強くする働きがあるため、「乳幼児の歯磨きにもフッ素入りの歯磨き剤を併用してほしい」と倉治先生。なお、生後6ヶ月から2歳ころまでは、「切った爪くらいの少量」を歯ブラシにつければ十分だそうだ。
●歯磨き後のごほうびにも「キシリトール」を活用
歯ブラシや歯磨き剤以外にもチェックしたいアイテムが"キシリトール"だ。キシリトールは天然素材の甘味料の1つで、口腔内で酸を作らない特徴がある。
「自然素材から生成されていて子どもにも安心なキシリトールが含まれる歯磨き剤やタブレットは、家庭における口腔ケアに積極的に取り入れてほしいですね」(倉治先生)
先生に質問!乳歯ケアFAQ
今回行った読者アンケートでは乳歯ケアに関する素朴な疑問も多く寄せられた。そこでその中からいくつかの質問を倉治先生に訊ねてみた。
Q:歯磨きをする時、どのくらいの力加減で磨いてあげれば良いですか?
A:歯ブラシで自分の爪のキワを磨いてみて、心地よく感じる力加減で
「自分の爪のキワを磨いてみて心地よく感じる力加減であれば、子どもにとっても歯磨きの際に心地よいと感じるはずです。キッチンスケールに歯ブラシを押し付けた時、乳歯だと100グラム、永久歯だと150グラム程度の圧力がちょうどいいと言われています」(倉治先生)
Q:母乳をあげたあと、歯をみがく必要はありますか?
A:母乳後に歯磨きをする必要はありません
「歯の表面に歯垢(プラーク)がついていない状態であれば、母乳・人工ミルクに含まれる“乳糖”は虫歯の原因になりません。」(倉治先生)
ただし、昼間ジュースなどの甘い飲み物を飲むなどして歯に歯垢(プラーク)がついていると、“乳糖”も虫歯の原因になるという。
「虫歯の原因となる糖分が含まれる甘い飲み物を摂取した後は歯を磨いたほうがいいですね。水かお茶で中和するだけででも違います。余裕があればキシリトールも摂取したいですね。タブレットなどの補助食品を上手に活用しましょう」(倉治先生)
Q:「おしゃぶりは虫歯になりやすい」と聞きますが、本当ですか?
A:おしゃぶり自体で虫歯にはなりません
「おしゃぶりで虫歯にはなりませんが、4歳を過ぎると歯並びに影響するのでそれまでには止めさせたほうがいいですね。また指しゃぶりよりもおしゃぶりのほうが止めさせやすいということはありますが、歯科的にどちらがよい悪いというのはありません」(倉治先生)
多くのパパ・ママが気にしている乳幼児の歯のケア。「気づいたときが始めどき。生涯のことなので、小さい頃に身に着けさせてください」と語る倉治先生。今回のアドバイスを参考に、子どもの大事な歯を守るために今日から早速実践してみてほしい。
乳歯ケア オススメ商品 byピジョン
●ピジョン 乳歯ブラシセット「ママとしっかり 仕上げみがきセット」
"自分磨き"、"仕上げ磨き"用の歯ブラシがセットになっていて、月齢別に4段階でステップアップして使えるようになっている。
前歯が生え始める6ヵ月頃から使える「ママとしっかり 仕上げ磨きセット 歯が生え始める頃から」(写真左) 、奥歯が生え始める12ヵ月頃から「ママとしっかり 仕上げ磨きセット 奥歯が生える頃から」(写真右)。歯の成長にあったケアグッズを選んであげたい。
●ピジョン キシリトール配合タブレット「タブレットU」
お口の中で酸をつくらないキシリトール配合のタブレット。食後のおやつやちょっとしたごほうび、おでかけの時に。キシリトール90%使用(配合甘味料中)、シュガーレスで、誤って飲み込んだ場合でも、気管をふさがないよう配慮した形になっている。
ピジョンが発売している「タブレットU」。「とれたていちご味」「ぷるるんぶどう味」、3つの味が楽しめる「おためしアソート」の他、2種類ある。1歳6ヵ月頃から与えることができる。60粒入(アソートは18粒入)。
上手な乳歯ケアのコツを知るなら、Webサイトもチェック!
ピジョンでは、歯磨きの基本的な知識やケアグッズについてわかるサイト「乳歯ケア お手入れの基礎知識」を公開している。赤ちゃんの歯磨きをする時や歯ブラシを選ぶ際、ぜひ参考にしたい。
ピジョン「乳歯ケア お手入れの基礎知識」
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