渓流下りで活躍するヘビーデューティー性能
オリンパスから、防水&耐衝撃対応のコンパクトデジタルカメラ「OLYMPUS Tough TG-5」(以下、TG-5)が登場した。開放値の明るい光学4倍ズームレンズを前作「TG-4」から継承しつつ、センサーとエンジンの改良による高画質化や撮影機能の大幅強化を図ったモデルである。その性能を検証すべく、アウトドアの厳しい条件下で使ってみた。さらにTG-5に内蔵された各種センサーによってトラッキング情報を記録する「フィールドセンサーシステム」も試してみようと思う。
「OLYMPUS Tough TG-5」。ボディカラーは写真のレッドの他、ブラックの全2色が用意されている |
下の渓谷の写真は、川を下る和船を構図のアクセントとして配置しつつ、澄んだ川とその両岸に広がる断崖絶壁を捉えたもの。ズームは中間域を使用した。TG-5は奥行き31.9mm、質量250gの薄型軽量ボディながら、35mm版換算で25~100mm相当の光学4倍ズームを搭載。広角域から中望遠域までを幅広くカバーしており、狙いどおりの構図で撮影しやすい。
細部表現力の高さにも注目したい。TG-5は、撮像素子に新開発した1/2.33型の有効1,200万画素センサーを搭載。既存モデルTG-4の1/2.3型有効1,600万画素センサーに比べると画素数は少し減っているが、解像感はむしろ向上したように感じる。これは画像処理エンジンに、同社のフラッグシップカメラ「OM-D E-M1 Mark II」と同じ「TruePic VIII」を採用したことが大きいと考えられる。切り立った岩畳や生い茂る緑のディテールまでをくっきりと再現できている。
続いて、川沿いまで下りて水面すれすれのカメラポジションから和船とその背景に広がる赤壁を捉えた。防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露に対応したタフカメラTG-5にとって、こうした大胆なアングルは楽勝である。カメラを完全に水に沈め、魚の視点から水中のさまざまな被写体を撮るのも面白い。
さらに実際に和船に乗って、川下りの臨場感あふれるカットを狙ってみた。このように動きの激しいシーンでは、タフ性能に加え、高速連写モードが役立った。TG-5の連写は、前モデルの最高5コマ/秒から大きく進化し、最高20コマ/秒に対応している (ともにフル画素撮影時)。
また、シャッターボタンを全押しする約0.5秒前から10コマ/秒で連写を行う新機能「プロキャプチャーモード」を利用すれば、鳥やトンボの飛び立つ瞬間といった決定的な瞬間を押さえることも夢ではない。そのほか、3,840×2,160の4K動画記録やフルHD画質による120コマ/秒のハイスピードムービー撮影機能も新搭載している。