カシオ計算機の電子ピアノ「CELVIANO Grand Hybrid」(セルヴィアーノ グランドハイブリッド、以下、CELVIANO GH)を使用したイベントが2月末に開催された。会場となったのは、世界的ピアニストであるマルタ・アルゲリッチ氏の名を冠する「しいきアルゲリッチハウス」(大分県別府市)。若きピアニストの奏でる楽曲に、満席の観客が酔いしれた。
しいきアルゲリッチハウスは、故・椎木正和氏よりマルタ・アルゲリッチ氏への、敬愛の証として開設された。2015年に竣工した同ハウスは、(公財)アルゲリッチ芸術振興財団の運営のもと、夢と希望を音楽に託す催しを数多く開催している。こうした活動に共鳴したカシオは2016年にCELVIANO GHを寄贈。今回のイベントは、そんなしいきアルゲリッチハウスとカシオとの出会いを記念して、カシオの主催で行われたものだ。CELVIANO GHの奏者は、弱冠17歳の若きピアニスト、牛田智大(うしだともはる)氏。音楽の未来を担う才能あふれる牛田氏の演奏に、会場から万雷の拍手が送られた。
演奏曲目は、J.S.バッハ作曲・ブゾーニ編曲「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004からシャコンヌ」、ムソルグスキー作曲「組曲 展覧会の絵」から抜粋、ショパン作曲「幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66」、そして、アンコールとしてラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲から第18変奏」が披露された。
入念なリハーサルを経て本番に臨んだという牛田氏。会場の印象について「初めてここで弾かせていただきましたが、細かなニュアンスがダイレクトに客席まで届くので、サロンで弾くような弾き方が映えると感じました」と語った。マルタ・アルゲリッチ氏は尊敬するピアニストのひとりだそうで、「しいきアルゲリッチハウスで弾くことができて本当に嬉しいです。またいつかここで弾ければ」とにこやかに話していた。