古代中国からの風習で、幸運を呼び、自然と調和するような建物や物の位置を決めることに活用されてきた「風水」。中国文化の影響を受けたアジア各地に伝わる風習だが、その中でも香港は風水を重んじる文化が息づいている場所だ。

そもそも香港と風水の関係は?

香港に住む多くの人々は、風水のことを「優れた財産をひきつけて、悪運を跳ね除ける」ための風習と考えている。そもそも「風と水」に由来していることからも分かるように、風水とは人間と自然が調和するために生まれたもの。単なる古代からの伝統として愛されているではなく、現代でも新居の購入や設計、都会の大型ビルの建築など、様々な意思決定のための根拠として活用されている。

また、香港自体も「風水的に優れた地理的位置」を備えていると言われる。例えばビクトリア・ハーバーの水は空と調和することで、安定や幸運をもたらしてくれるという。日本でも「パワースポット巡り」が人気だが、風水的な運気を取り込むという意味では、香港はうってつけの場所というわけだ。

今回は風水師のケヴィン・ロウ氏がオススメする香港のスポットをご紹介しよう。「干支」別での風水的に見た香港のオススメスポットなので、香港に興味はあるが、どの観光地に行けばいいか分からない、なんて人はぜひ参考にしてほしい。

酉(とり)年にオススメ「ビクトリア・ピーク」

まずは、今年の干支である「酉」からご紹介。香港に行くなら、必ず行きたいスポットのひとつ「ビクトリア・ピーク」。香港島でもっとも高い場所に位置し、高級住宅街として発展してきたエリアだが、実は香港の様々な風水的メリットを一手に取り込むための最善の場所としても知られている。ロウ氏によれば「支配や独占欲から解き放たれるためには、香港島のビクトリア・ピークに登るのが良い」とのこと。見晴らしの良い場所から遠くを見渡すことで開放的な気分になれることは間違いないだろう。ピーク・タワーにはショップやレストランのほか、「スカイ・テラス428」と呼ばれる展望台があり、日中は超高層ビル群からビクトリア・ハーバー、ニューテリトリーの豊かな緑の丘まで一望できる。歴史ある登山電車「ピーク・トラム」に乗車すれば、また違った角度で香港島のビル群を眺めることも可能だ。

ビクトリア・ピーク

戌(いぬ)年にオススメ「ランユクタウ・ヘリテージ・トレイル」

「真面目さ・誠実さ」が特長であり、最も日本人らしい干支と言われる戌。香港の始祖とも言えるタン一族をたどる、様々な風景を見ることができるランユクタウ・ヘリテージ・トレイルは、実は戌年にぴったりなスポットだ。かつてこの山で飛び跳ねる龍が見られたという言い伝えから、ランユクタウ(龍躍頭)と名づけられたこの地は、13世紀のころ、モンゴル軍に敗れて避難した南宋朝の王女がタン一族の男と結ばれ、その子孫がこの地に移り住んだ場所。彼らの遺物は多くが保存されており、夏と秋の共同礼拝や毎年の天后誕を初めとする村の伝統的な習慣を現在もタン一族が執り行なっている。「戌年は不運な星の影響により、風水的に見ると2017年は心配事や不安に悩まされる年。この負のエネルギーを払拭するためには北東方面への旅が有効ですが、香港の北東に位置するのがこのランユクタウ・ヘリテージ・トレイルなのです」(ロウ氏)。

ランユクタウ・ヘリテージ・トレイル

亥(いのしし)年にオススメ「大仏/ポーリン寺」

山々に隠れた僧院だったポーリン寺。1993年に天壇大仏が完成して広く知られるようになり、アジア全土から参拝者が集まる場所に。ベジタリアン・レストランも人気のスポットだ。2017年はペガスス座が亥年に強い影響を与るため、亥年は引っ越しや移動を経験することが増えそうだ。今のうちに有り難いハート・スートラ(心経の道)をたどることでエネルギーを充電しておいたほうが良いだろう。

大仏/ポーリン寺

子(ねずみ)年にオススメ「フラワーマーケット」

一年を通じて新鮮な花がそろう花市。旧正月の縁起花を用意する時期には一番活気付き、縁起のよい植物がズラリとそろう場所となる。2017年は特に恋愛運に恵まれた子年。花市に訪れることでさらなる運気アップを狙ってみては?

フラワーマーケット

丑(うし)年にオススメ「スカイ100香港展望台」

2017年、最も運気が高い干支のひとつである丑年。ロウ氏によれば「幸運を運ぶ星が3つ輝いている年。さらに運気をアップさせるために、インターナショナル・コマース・センター(ICC)の100階にあるスカイ100香港展望台に登り、幸運を運ぶ星に近づくのが良いでしょう」とのこと。美しいビクトリア・ハーバーを360度見渡せるこの屋内展望台。高速エレベーターを使えば、展望台まではたった60秒で到着するにもかかわらず、素晴らしい景色はもちろん、AR技術を使った写真ブースで3D効果を使ったスナップ写真など特別なフォトを撮影することもできる。また、さまざまなマルチメディア機器を使ったインタラクティブ展示も用意されており、香港の歴史や文化について理解を深めることも。特に幸運の星を眺めたいのであれば夜景を楽しめる時間帯に訪れることがおすすめだ。

スカイ100香港展望台

寅(とら)年にオススメ「レパルスベイ・ビーチ」

高級住宅街のレパルスベイはリゾートのような雰囲気の場所。広々としたビーチは三日月のような形をしていて、香港の中でも美しいビーチのひとつだ。地元のショッピングスポットも充実している。レパルスベイから吹く風に悪い運気を吹き飛ばしてもらうことで、寅年は2016年からの懸念でもある健康運を高めるのが良いだろう。

レパルスベイ・ビーチ

卯(うさぎ)年にオススメ「チー・リン・ナナリー&ナン・リアン・ガーデン」

チー・リン・ナナリーは優美な木造建築の大規模寺院群。貴重な仏教遺物や心癒される蓮池などが特徴的。ナン・リアン・ガーデンはダイヤモンドヒルの高層マンション群を横断する美しい公共公園で、唐朝様式でつくられており全てが特別な規則、様式に従って配置されている。卯年にとって2017年は大きな変化を伴う年。雰囲気抜群な環境で瞑想するなどして一度心を沈めるのが良いだろう。

チー・リン・ナナリー&ナン・リアン・ガーデン

辰(たつ)年にオススメ「ドラゴンズバック」

街から行きやすいことで人気のトレッキングコース。わずかな時間で都会の喧騒を離れ、美しい海岸線など南シナ海の素晴らしい景色を楽しむことができる。辰年と不死鳥が組み合わさる2017年は辰年にとって最高に金運が高まる年。ドラゴンズバックをハイキングすることで、さらなる金運アップを狙おう。

ドラゴンズバック

巳(み・へび)年にオススメ「ラマ島」

香港島の南に浮かぶラマ島。フェリーに乗れば30分ほどで到着できるこの離島。自然が豊かで、ゆっくりとビーチでくつろぐことができる。香港の南西に位置するラマ島は、2017年、巳年が向かうべき場所として挙げられる。ここでリラックスすることで、仕事運と健康運をアップさせてみては?

ラマ島

午(うま)年にオススメ「競馬」

実は2017年、最も金運が強いのが午年のあなた。香港のレースシーズンは9月から始まり、翌年の7月まで続く。単に競馬を楽しんで運試しするだけでなく、音楽や美味しいご飯と共に「夜のカーニバル」を堪能しよう。

競馬

未(ひつじ)年にオススメ「ハーバー・クルーズ」

2017年の未年のラッキースポットは、香港の中心部であるビクトリア・ハーバー。海上から香港の中心部を眺めると、その活力の源をきっと感じ取れるはず。海に反射するビルの光を受けることで、さらなる運気アップを狙おう。

ハーバー・クルーズ

申(さる)年にオススメ「ランカイフォン」

香港ナイトライフの中心地のひとつ、ランカイフォン。90以上のレストランやバーが立ち並び、多彩なグルメが楽しめ、さまざまな催しも行われている。2017年は申年の恋愛運がMAXに。この街の華やかさに背中を押してもらうのもいいかもしれない。

ランカイフォン

香港は、日本からのアクセスもよく、直行便も多いのでショートトリップなどの短い休暇でも存分に楽しむことができる。話題のプレミアムフライデーを利用して、金曜の夜に飛び、土曜の朝から日曜の夕方までたっぷりと遊ぶ週末トリップにもオススメの場所と言えそうだ。ぜひ、あなたの干支スポットを採用して、香港トリップの計画を立ててみてはどうだろう?

[PR]提供:香港政府観光局