春からの新生活に備えて、そろそろPCの買い替えや新規購入を考えている人も多いことだろう。最近はスマートフォンの性能が向上したこともあり、PCがなくても別に困らない……という高校・大学生の意見をよく耳にする。
しかし、本当にそうだろうか。スマートフォンは決して"小さいPC"ではない。両者は似て非なるものであり、代用が利くわけではないのだ。これを知らずに進学・就職すると、思わぬ苦労をしてしまう可能性もある。
エイサーのモバイルノートPC「Aspire R11」(左)と「Aspire ES11」(右)。本当に1台持つべきなのだろうか |
PCを持ったほうがいい理由
なぜスマートフォンだけでなく、PCを購入したほうがいいのか。たしかに高校までは"PCでないとできない作業"というものがあまりなく、何かあっても学校に置いてある共有のPCで十分だったかもしれない。しかし大学からは高校のときにはなかった長文でのレポート提出を求められる機会が増えてくる。これをスマートフォンのフリック入力や音声入力で書いていくのは困難だ。長文を書く場合は、やはりまだまだPCのタイピングが必須である。
とはいえ、タイピング――特に高速に打ち込むタッチタイプ――は一朝一夕で身につくものではない。なるべく早く練習を始めて、本当に必要なときまでに身につけられるよう、新生活が始まるこのタイミングでPCを入手しておくべきなのだ。一度慣れてしまえば、タイピングで文章を書く方がはるかに速いので、レポートなどを書き上げる効率もグッと向上する。
さらに新社会人にとっては、PCが使えることは重要なスキルのひとつ。
現在、どんな業種・職種であってもPCを使わないということはほとんどない。なおかつ「ある程度のPC操作はできて当たり前」とみなされるため、入社してからイチから勉強というわけにもいかないのだ。PCは就職前に使えるようになっておく必要がある。
特に習得しておきたいのは、WordやExcelといったMicrosoft Officeに代表される基本ソフトの操作。これらはスマートフォンでもアプリで提供されているが、操作には慣れが必要。スマートフォンはあくまでも閲覧用として考えておくほうがよいかもしれない。
もうひとつ、スマートフォンの弱点は画面は小さいこと。昔より大きなディスプレイになってきたとはいえ、5.5インチレベルでは視認性が十分ではない。文書に図やグラフを貼り付けるといった作業についても、やはりPCは必要だろう。
このほかにも、基本的にスマートフォンは"1画面1アプリ"なので(なかにはマルチウインドウに対応した機種もあるが)、複数のソフトやウインドウをまたいだマルチタスクを苦手としていたり、ストレージ容量が多くても256GB程度で、すぐにいっぱいになってしまうといった弱点がある。
もちろん、電話やモビリティなどスマートフォンにしかできない、あるいは得意とすることも多い。PCとスマートフォンは両方持っておいて、お互いの得意分野を生かして補い合うのが理想的なのだ。