3Dエンジニアリングのための
ストレージ要件

ネットアップ
システム技術本部 コンサルティングSE部 コンサルティングシステムズエンジニア 大野 靖夫氏

ストレージ側の進化はどうか。シスコとともにFlexPodを展開するネットアップのシステ ム技術本部 コンサルティングSE部 コンサルティングシステムズエンジニアの大野靖夫氏は、VDI環境下での3D CADエンジニアリングで有力な選択肢になってきた技術として、オールフラッシュストレージを挙げる。 オールフラッシュストレージ市場は、この1~2年で目覚ましい成長を遂げた。汎用性の高いSATA接続のフラッシュから高速なPCIe接続へ、そしてより高速で拡張性もあるNVMe 接続へと進化した。 それらは3D CAD VDIでも広く採用され、ユーザーに大きなメリットをもたらしてきた。

大野氏は3Dエンジニアリングにおけるストレージの考え方について「CPUやメモリが十分にある環境では物理・仮想環境ともパフォーマンスに大きな変化はありません。ただ、CPUやメモリに上限が設けられた状況では顕著にその差が表れてきます」と指摘する。

現実の作業では、CPUやメモリが無制限に十分にある環境を得ることはかなり厳しい条件だろう。ビジネスニーズが多様化し、スピード感を持った設計が求められるなか、いつも限りあるリソースを奪いあっているのが実情だ。特にVDIのような環境では、さまざまなアプリケーションのワークロードが並存するケースが増えており、GPU仮想化やNVMeなどの技術によって性能が高まる一方、パフォーマンスのボトルネックはストレージそのものに移ってきた。だからこそ、オールフラッシュストレージが重要になってきたのだ。とはいえ、オールフラッシュストレージに移行すればすべての課題が解決するわけではない。パフォーマンスと並んで課題になっているのが、管理性や拡張性だ。

シスコはVDI やIoT など製造業の「現場」を支える「手段」として、サーバやネットワーク機器などのハードウェアだけでなく、ソフトウェア・クラウドサービスまでを横断的に提供する。

さまざまなアプリケーションのワークロードが並存するなか、それらをどう適切に管理していけばいいのか。また、計算リソースが足りなくなったときに迅速にそれを補うような環境はどう実現すればいいのか。そうした課題に対してネットアップが提供しているのが、ストレージOS「NetApp ONTAP9」とそのプラットフォーム「NetApp AFF」だ。「ONTAP9は、異なるコントローラ/ディスクセットをクラスタ化して1つのストレージとして扱うことができるようにします。単一OSでFCまたはiSCSIのSAN、CIFS/NFSのNASについてマルチプロトコルで対応します。これにより、ストレージ管理にかかるコストを最適化し、運用管理を効率化することができます」(大野氏)

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特筆すべきは、データ複製機能やクローン作成機能だ。特に、VDI環境では「FlexClone」と呼ばれる機能を使って、VMイメージのクローン作成や展開をより高速に行うことができる。インライン処理の重複排除機能を使って、容量効率の高いVMの管理が可能だ。さらに、柔軟なリソース確保については、AWSやAzureなどのクラウドサービスと連携した「NetApp Private Storage for Cloud」と呼ばれるソリューションを展開する。膨大なCAE計算リソースをクラウドから容易に調達するといったことが可能になるのだ。

「FlexPodのストレージ基盤として、超低レイテンシーが求められるアプリケーションにはEFシリーズ、パフォーマンスに加えデータ管理性が求められるIT基盤にはオールフラッシュのAFFシリーズといったようなニーズに応じた製品提供が可能です。さらに今後は、スケールアウト指向のあるアプリケーション向けにSolidFireシリーズも提供されます」(大野氏)

こうしたNetAppのストレージとシスコのサーバーやネットワーク機器を組みわせたFlexPodは、仮想環境に真に最適な基盤を構築できることはもちろん、検証済みのリファレンスアーキテクチャを活用できる点から、導入まで工数を削減し、迅速に導入できることも魅力だ。大野氏は「FlexPodにより、ITコストを削減し、効率が高まるだけでなく、ビジネスの柔軟性や即応性を向上させることが期待できます。3D CAD VDIの価値もさらに高めることにつながります」と強調する。

CAD VDIのユーザー事例が増加傾向
パートナーが語る導入ポイント

兼松エレクトロニクス
ビジネス開発本部 ビジネス支援室 シニアスペシャリスト 立花 直紀氏

では、実際に3D CAD VDIを導入したユーザーはどのようなメリットを得られるのだろうか。VDIソリューションを提供し、さまざまな企業のシステム構築実績を持つ兼松エレクトロニクスのビジネス開発本部 ビジネス支援室 シニアスペシャリスト 立花直紀氏は、こう話す。

「VDIのメリットは、ワークスタイル変革、セキュリティ対策、管理性向上、パフォーマンス改善などです。多くの企業がこうしたメリットを得るために3D CADのVDI化を進め、実際に成果を挙げています」(立花氏)

たとえば、先に挙げたJVCケンウッドの事例はその典型だ。同社は物理端末を用いたCADの老朽化をきっかけに、vGPUを活用したCAD環境のVDI化に取り組んだ。高度な最新の開発環境を提供することを経営戦略に掲げ、パフォーマンスの向上、セキュリティ対策の強化、管理負荷の軽減にあわせて取り組んだ。その結果として、スタッフのワークスタイル変革につながったのだ。JVCケンウッドのほかにも、設計業務を外部委託しておりデータ転送の際のセキュリティを確保する目的でVDI化を推進した企業や、設計拠点が全国複数に分散しておりメンテナンス負荷を下げるためにVDI化した企業、CAE/CADデータのダウンロード時間の短縮のためにVDI化した企業などがあるという。

「VDIというと、サーバーからネットワーク、ストレージなどのIT基盤を刷新する大掛かりな取り組みとなります。そのため、導入から運用までに時間やコストがかかり、投資効果を出すことが難しいという印象が強いと思います。しかし、FlexPodのような統合型製品を採用すれば導入や展開は容易です。それは3D CAD VAIの展開でも、大きな力になります」(立花氏)

FlexPodは、パフォーマンス、柔軟性、拡張性の高さといった特徴を持つ統合型ソリューションだ。サーバー、ネットワーク、ストレージは事前検証済みの最適な組み合わせを提供することができ、保守サポートでも、共同パートナーによる支援を受けることができる。ただし、導入にあたっては、留意すべきポイントもある。立花氏が強調するのは検証だ。「対象用途、検証目的、システムや帯域の最適値など、設計現場スタッフによる検証が重要になります。検証をおろそかにすると、期待した成果を出せないことも少なくありません」と立花氏。そこで兼松エレクトロニクスでは、CAD VDIを検証する環境をパッケージ化し、サービスメニューとして提供している。環境一式を貸し出したり、同社に来社して体感したりすることが可能だ。

立花氏によると検証のチューニングのポイントは「GPU、CPU、メモリのパワーバランス」だという。GPUの分割率、コア優先/クロック優先、メモリの消費などを見ながら、チューニングしていく。また、「パフォーマンスと画像品質のトレードオフバランス」も重要だ。通信方式、フレームレート、帯域制御、画像フォーマットを調整しながら最適な落とし所を探っていくことになる。

立花氏は「やりたかったが、費用対効果が厳しく諦めざるを得なかったCAD VDIの時代は終わりました。今は絶好の検討時期。設計者も管理者も満足できる3D CAD VDIを構築していってほしいと思います」と訴える。

これまで見てきたように、3D CAD VDI 構築に向けて、GPU、サーバー、ネットワーク、ストレージすべての要素が揃ってきた。さらに、FlexPodのように迅速導入と高い拡張性のソリューションを信頼できるパートナーから導入することで、成功の確率はさらに高まるはずだ。

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(マイナビニュース広告企画:提供 ネットアップ)

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