タニタが体組成計の新モデルとして発売した「RD-800」。高機能が売りでも1万円前後が主流の体重計・体組成計カテゴリにおいて、RD-800の53,784円(税込み/オープン価格のため、想定価格)という価格は、かなり強気だ。これまでの体組成計とは何が違うのか。その特徴を、タニタの企画・開発担当者に聞いた。

タニタの体組成計では最高峰モデル RD-800

RD-800の企画・開発を担当したタニタ・メジャープロダクト事業部の小野博和さん(右)と、企画開発部の内山朋香さん(左)

【ワケ1 】四肢の筋質がチェックできる家庭用機は世界でRD-800だけ(※タニタ調べ、2016年9月現在)

RD-800は家庭用の体組成計では世界初となる、体の部位ごとの「筋質点数」と呼ばれる筋肉の質を評価する機能が搭載されているという。あまり聞き慣れない言葉だが、そもそも「筋質」とは何なのだろう。

「筋肉は加齢にともない量が減り、その状態も変化します。これまでは、主に運動機能の低下を筋肉の量で判断していましたが、研究分野においては筋肉の状態が運動機能とも関係していることが知られていました。そのような筋肉の状態をタニタでは、『筋質』と呼んでいます。

筋質のイメージ図

筋質は見た目とは関係ありません。例えば筋肉量は違っても筋質は同レベルということがあります。RD-800は、その見た目では分からない筋質の測定機能を搭載しました。腕や脚の筋質を評価ができるのは、家庭用ではじめてです。

【ワケ2 】医療分野でも主流となっている、デュアル周波数でのカラダ測定

「またRD-800は、組織全体を測定する高周波と細胞外を測定する低周波、2種類の周波数の電流を使い分けることで、細胞レベルの精密な測定が可能になりました。これは医療分野や研究施設、フィットネスクラブなどで使われているプロフェッショナル仕様体組成計の技術と同等のもので、高精度の測定を行うことができるんです」

デュアル周波数測定

なるほど。「筋質」だけでなく、医療分野や研究施設で使われている体組成測定の技術を家庭用に応用した商品というわけですか。ちなみにRD-800には、タニタの体組成計では初めて「脈拍測定機能」が搭載されているとか。

「人にはそれぞれ適切な運動強度があります。安全に効果の高い運動をするための目安となるのが脈拍数です。平常時の心拍数を測定しておければ、運動時の目標とする脈拍数を導きだしてくれます。RD-800は、家庭用の体組成計には取り入れられていない、脈拍測定のゴールデンスタンダードとなっている測定方式を用い、専用の回路・アルゴリズムを採用しているので、非常に高い測定精度でチェックが可能になりました」

脈拍測定にも高精度な脈拍測定専用の回路・アルゴリズムが使われているんですね。おみそれしました。

(※本機の脈拍測定機能は、医薬品医療機器等法に基づく医療機器ではありません。診断・治療を目的とした使用はご遠慮ください)

【ワケ3 】タニタ史上最多の26項目を測定!

RD-800には、『全身+左右両腕両脚の筋質点数表示』という新機能が搭載されている。カラダを全身+左右両腕両脚という部位別に測定するメリットは何だろうか。

「スポーツであれば、競技ごとに必要な部分の筋肉は違いますよね。自分のカラダの状態を知ることができれば、鍛えるべき部位が明確になり、より効率的にトレーニングをすることができます。

ちなみに、筋質はもちろん筋肉量や体脂肪率も全身・体幹部・左腕・右腕・左脚・右脚といった部位ごとに測定できます。体重や筋肉量は、50g単位で表示します。他にも、対水分率や推定骨量、体内年齢、内臓脂肪レベルなど26項目の測定項目がはかれるんですよ。これはタニタの家庭用体組成計史上最多の項目数になっています」