ユニットコムはこのほど、同社のPCブランド「LEVEL∞(レベルインフィニティ)」と、3Dプリント技術を使ったものづくりマーケットプレイス「Rinkak」の共催による3Dプリントデザインコンテスト「LEVEL∞ AIR VENT HACK DESIGN CONTEST」の入賞作品を発表した。
これは同社が15日より販売を開始したゲーミングPC 「LEVEL∞ C-Class」のリニューアルにあたり、前面のエアベント(空気口)に3Dプリンタで出力したパーツを取り付けカスタマイズできる特徴を活かし、「カスタマイズPCの可能性を広げるデザイン」を国内外から募集したもの。約2カ月の募集期間中に144作品が寄せられ、審査会場には事前審査を通った約20点の作品が実際に3Dプリントされて並べられた。
デザインや3D技術の専門家5人が審査
コンテストでは、スタイリングやファッション性などの視点による「アート部門」、利便性・実用性などの視点による「プロダクト部門」、2Dグラフィックを活かした「2Dグラフィック部門」の3部門で作品を募集。全体の中から最優秀賞1名、各部門賞それぞれ1名、次点となる特別企業賞に各部門1名、LEVEL∞賞1名、佳作が計8名選ばれた。
審査委員は、建築BIMや3次元設計などを専門としザハ・ハディドのプロジェクトにも参加したアルゴリズムデザインラボ代表取締役社長 重村珠穂氏、工業デザイナーを経てオートデスク Fusion 360 エヴァンジェリストとして活躍する藤村祐爾氏(米国出張中のためSkypeで参加)、Level∞ C-Classのプロダクトデザイナーであり3Dプリンタを使用したマーケットプレイス「rinkaku」を主宰する(株)カブク インダストリアルデザイナーの横井康秀氏、テクニカルライターとして多方面で活躍する高橋敏也氏、PC製造・流通事業などを行うMCJグループの代表取締役社長 髙島勇二氏の5名。
審査会では、はじめに各審査委員が展示された作品を見て回り、それぞれに優秀な作品をピックアップ。その中から審査委員のディスカッションにより各受賞作が決定されていった。
「PCのイメージが変わる」デザインカスタマイズの可能性
審査にあたっては、高橋氏が「最初は機能性を重視していたが、面白い作品に触れるうちにこれが(PCに)付いているところを見てみたいと思うようになり、最後まで何を基準にするかとても悩んだ」というように、非常に多彩なコンセプトの作品が寄せられた。
また、会場に用意されたPC本体に実際に取り付けてみるとデザインのコンセプトがより明確になるなど、印象が変わる作品も多かった。この点も審査のポイントとして注目されたところだ。
以上のような審査を経て、賞に選ばれた作品は下記の通り。
最優秀賞(1名 賞金50万円)
「PCのイメージが大きく変わる。カラーもしてみたい」(髙島氏)、「飾るのではなく、PC全体を別のものとして作り上げた」(重村)など、デザインをプロダクト全体で捉えた造形力が評価された。
アート部門賞(1名 賞金10万円)
「夢のあるデザイン。何か入っていってもいいし、出てきてもいい」(高橋氏)など、PCにストーリー性を与えるデザインが評価された。
プロダクト部門賞(1名 賞金10万円)
「3Dプリンタならではの構造。一発出力で可動するギミックを作る技術力の高さ」(横井氏)など、テクニカル面が評価された。
2Dグラフィック部門賞(1名 賞金10万円)
「押し出すだけでなく細かな調整がなされたディテール。2Dグラフィックの可能性が感じられる」(横井氏)など、グラフィカルな作り込みが評価された。
特別企業賞(各部門1名 賞金各6万円)
<アート部門>
<プロダクト部門>
<2Dグラフィック部門>
LEVEL∞賞(1名 賞金2万円)
佳作1(3名 日本AMD CPU AD740KYBJABOX)
佳作2(5名 MSI Computer Japan ヘッドセット DS502 GAMING HEADSET)
LEVEL∞ C–Class リニューアル
今回、カスタマイズのベースとなったLEVEL∞ C–Classリニューアルモデルは、スタイリッシュで洗練された造形が大きな特徴となっている。コンパクトなC–Classでありながら、機能性・拡張性を損なうことなく、美しいフォルムを追求したという。
デザイン面では、前面にあるエアベントのカバー部分がジョイントパーツを使って付け替え可能な構造とし、フォーマットを合わせたパーツにカスタマイズできることが大きなポイントとなっており、これが今回のコンテストにつながった。
同製品は11月15日より「パソコン工房」オンラインショップにて販売中。また、12月上旬からはパソコン工房、グッドウィルの全国店舗にて展示販売を開始する予定。エアベントのカスタマイズについては、3Dプリント製品のマーケットプレイス「rinkaku」にて基本フォーマットを無料で提供中。デザインしたデータの出力も可能だ。また、今回のコンテスト入賞作品の販売も準備中とのこと。
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