ExpressRoute for Office 365の利用メリット
クラウドサービスとして提供されるOffice 365は、グローバル展開する企業にとっていまや重要な情報共有基盤だ。メールや予定表、連絡先の利用はもちろん、Office文書のオンライン編集や共有、SharePointによる情報共有やコラボレーションなどを、いつどこにいても行える。さらに、最近ではSkype for Business Onlineを使った電話会議やテレビ会議を用い、国を隔てたリアルタイムなコミュニケーションを行う企業も増えてきた。
そうしたITの活用が進むなかにおいて、ネットワーク品質への要求は以前にも増して高くなっているといえよう。動画や大容量データの通信増加は、ネットワーク帯域の圧迫をもたらし、重要なデータの送受信が途切れるといった事態を発生させるリスクとなる。地理的な条件やデータセンター設備など、安定したネットワークを提供するためには、現状では実にさまざまな課題がある。
ExpressRouteはそうした課題を解決する有効な手段となっており、大きく2つのメリットがある。
- 一貫して安定したパフォーマンスが得られる
- 管理された閉域網でOffice 365 主要サービスを利用することが可能になる
1:高速かつ一貫して安定したパフォーマンスが得られる
インターネットは基本的に回線を共有する仕組みであるため、自社と無関係なところで帯域が圧迫されることがある。また、進出した地域によっては、そもそも回線が細かったり、接続が不安定だったりする。
ExpressRoute利用の場合は、ユーザーがOffice365にアクセスするためのExpressRouteまでの接続には、ネットワークプロバイダーが管理する閉域網を使うため、こうしたトラブルの影響を受けることはなくなる。閉域網を利用することで海外拠点間でのSkype for Business Onlineを使った会議のやりとりもスムーズに行うことができ、Office365利用中に回線が不安定になるといった心配もしなくてすむようになるのだ。実際、ExpressRouteを利用してOffice365に接続しているユーザーからは安定したネットワークパフォーマンスを高く評価する声もあるようだ。
2:管理された閉域網との接続で信頼性の高い通信が可能になる
インターネットは、IPSecによる暗号化技術によって安全性を確保することができる。データ通信中に他者からのぞき見される心配はないが、回線自体は誰もが利用することができる一般の公衆網である。そのため、企業によっては「重要データの通信にインターネットは利用しない」といった厳格なセキュリティポリシーに抵触する場合がある。
一方、ExpressRouteでは、主要Office 365 サービスでやり取りされるお客様データの通信はインターネットではなく、ネットワークプロバイダーの閉域網を使用する。金融系や政府系のお客様等セキュリティやネットワークの信頼性に対して特殊な必須要件があるなど、特別なネットワーク要件があり、これまでインターネット経由のクラウドサービスの導入を断念していたお客様からは、「Office 365向けのExpressRouteが提供されたことで、あらためてOffice 365の導入を検討しはじめた」という声や、「従来は別の手段でファイルをやりとりしていたが、Office 365に統合して管理できるようになった」といった声があがっているという。