文房具カフェと東急ハンズ……両者の共通点と言えば、もちろん文房具である。さまざまな文房具を一堂に会し、好みの文房具を選べる前者と、独自のセレクトで楽しく文房具に接することができる後者……。

この度、マイナビニュース編集部では、文房具……特に手帳のいまを探るべく、文房具カフェ代表の奥泉徹氏と、東急ハンズMD企画部商品企画課の奥山朋子氏にお話を伺った。当初、ライバル関係では?と心配した編集部であったが、なんと予想だにしない急展開と相なった。お二人のお話から、手帳、そして文房具の未来を感じることができるはずである。

マイナビニュース読者の手帳事情

それでは対談の前に、マイナビニュース読者403名を対象に実施したアンケートの結果を紹介していこう。

まずは第1問。「普段、手帳は使いますか?」という質問。「はい」51.9%「いいえ」が、48.1%。やっぱりスケジュール管理は紙の手帳でしょう、という人もいれば、今やみんなデジタル管理なのでは? と思った人も多いだろう。紙の手帳を使うのか、はたまたデジタルなのか……もちろん両方で、という人も多いと思われ、この迷いが半々という結果に表れているのかもしれない。

そんな手帳派のみなさんは、およそ80%の人が毎年買い換える傾向にある。手帳はリピーターが多いことを改めて確認できる結果となった。

また手帳を決めるときのポイントで多く見られたのは、

「コンパクトだが、いろいろ書き込める」(33歳・男性/事務・企画・経営関連)
「書き込みやすい」(32歳・女性/クリエイティブ関連)
「価格が手頃」(43歳・男性/技能工・運輸・設備関連)

といった意見。また「使い慣れている」(43歳・女性/その他・専業主婦等)といったリピーターならではの意見も多かったので付け加えておこう。

さらに「友人や同僚の使い方を参考にした人で、具体的に参考になった使い方を教えてください」という問いには、なるほど手帳ならではの回答が多かった。

「アレルギー体質なので、食事内容を記録していつ食べたものが原因か把握出来るようになった」(50歳・女性/その他・専業主婦等)
「独自の暗号や記号、色分け」(40歳・男性/その他・専業主婦等)

もっとも多かったのは「優先度別に色を分けていた」(17歳・男性/その他・専業主婦等)だった。

さてここからはお二人の対談の模様をお届けしよう。

手帳の最新トレンドとは?

文房具のプロ―東急ハンズのMD企画部 商品企画課 奥山氏(写真左)と文房具カフェの代表取締役 奥泉氏―が熱く語る!

まずは最近の手帳のトレンドについて、文房具カフェの奥泉徹氏(以下、奥泉氏)はこう語る。

「まず、マンスリー仕様が多いですね。デジタル併用の方がとても多いので、細かい予定を管理するより、全体を俯瞰するもの……逆に仕事のことは書かずにプライベートな、日記に近いような使い方が多いように思います」

そんな要望に応えるべく、東急ハンズではオリジナルの手帳「hands+(ハンズプラス) ダイアリー」を10年前からリリースしている(hands+のネーミングは5年ほど前から)。中でも最新の「hands+ ダイアリー」では、これまでの手帳作りのノウハウを生かし、奥泉氏を唸らせるほどの完成度を実現しているようだ。

「hands+ ダイアリー」は単にスケジュールを管理するノートなのではなく、奥泉氏言うところの“クリエイティブになれる”手帳になっている。

「最新の『hands+ ダイアリー』は、ブロックタイプのもので、我々は“タイムスケールダイアリーブロック”と呼んでいて、いろいろな時間軸で書ける手帳になっているのが特徴です……予定管理というよりは、日記やその日あった出来事などを書いていただきたい。予定はスマホで管理して、スマホに入力しきれないものを手帳に記入する、という位置付けです」(東急ハンズ/MD企画部 商品企画課 奥山朋子氏)

「hands+ 9月始まりバーチカル」こちらは時間をきちんと管理したい人にオススメのバーチカルタイプ。 分単位でスケジユールの書き込みが可能で、予定の所要時間をキレイに書き込めるガイドラインが便利な一品 B6ハードタイプ1,700円(税別)、B6ソフトタイプ1,900円(税別)【提供:東急ハンズ】

「hands+ 9月始まりタイムスケールマンスリー」長期の予定や複数のスケジュール管理、目標設定や記録など、スマホでは難しい時間軸でのスケジュールとToDoリストの管理に特化しているのが特徴 A5ベーシック1,400円(税別)、A5デザイン1,600円(税別)【提供:東急ハンズ】

「hands+ 12月始まりタイムスケールダイアリーブロック」スマホでは管理しにくい時間軸でのスケジュールとToDo管理、加えて日記代わりに使えるウィークリーブロック式が特徴。長期の予定や複数のスケジュール管理のほか、目標設定、日々頻繁に使うけど覚えられない重要なデータの記録などなど、スマホではかなえられないスケジューリングとToDoの管理が可能だ。B6ベーシック2,300円(税別)、B6 岡山デニム3,300円(税別)【提供:東急ハンズ】

毎年マイナーチェンジを繰り返し、進化している「hands+ ダイアリー」。1冊購入につき5円が「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」を通じて、世界の子ども達の支援活動に役立つのもうれしい

およそ10年目を迎えたというオリジナルの手帳作りも試行錯誤の連続だったという奥山氏。中でも近年は手帳そのものの重さ対策よりも、オリジナル手帳用紙の裏抜け対策や使い心地を重視しているそうだ。

開発当初のオリジナルダイアリーは「重い」という意見があり、オリジナルペーパーの開発は軽量化を重視した。この紙を使うことで、前年から約15%の軽量化ができたという。書き味にもこだわったものの、今度は裏抜けしてしまうという意見があり、2013年版のリニューアルでは、不透明度を高くする事で“透けにくい”を実現しているという。

「軽い手帳を求める方は、おそらく薄い手帳やマンスリーで事足りるのかなと……裏抜けを気にされる方は、ホントに書くのが好きな方。軽さよりも“書き味”の方が重要になってくる」(奥山氏)

「hands+ ダイアリー」について語る奥山氏

手帳を持つ意味合いが変わってきた

奥山氏は、普段の予定を「hands+A5マンスリー」で管理しているそうだ。その一方、奥泉氏は現在では手帳はあまり使っていないそう。奥泉氏は、社内で共有しているGoogleカレンダーとデジタル派とのこと。そんな彼が「今は手帳の意味合いが変わってきた」という。どういうことだろうか?

「Googleカレンダーの出現で、手帳でのスケジュール管理は意味合いが違ってきた気がするんです。スケジュール管理というより、スケジュールをクリエイトするというイメージ。全体を俯瞰して来月どうしようかな、と考えるためのツールみたいな……手帳ってもう少しクリエイティブなものにできたらいいのになって昔から考えています」(文房具カフェ/奥泉氏)

これからの課題となる“高級文房具”

特に“高級文房具”の分野は、日本メーカーにとって「ポカッと空いている市場」だと語る奥泉氏。例えば手帳でいうと、ブランドバリューの高い「ほぼ日手帳」を除くと、本革のカバー付きのもので1万円を超えるくらいがギリギリで売れる額だそうだ。

「以前、文房具カフェのお客さまにアンケートを取ると『自分用のペンでいくらくらいのものを買ったことがあるか』という質問では、若い子たちだと500円以下が一番多い。それが文房具に対して支出する額のみんなの常識です。……例えば若い子でも3万円のブーツは買います。それと同じ感覚で、ペンや手帳をファッションの一部として購入してもらえるようにしたいと考えています」(奥泉氏)

高級文房具に関して、「日本の文房具メーカーの1つの弱みでもあり、ある種のチャンスであるとも思う」という奥泉氏。同時に「文房具はブランドとしての認知度がほぼない」という問題点も指摘する。

「みんないろんな文房具を使っていますが、それがどこのブランドなのか無意識です。今後、ブランドを育てていくことができれば日本の文房具業界も大きく変わると、僕は思っています」(奥泉氏)

そんな話の流れの中で出てきたのが、「HANDS GREEN BRANCH PROJECT : JETSTREAM」。こちらは三菱鉛筆の人気商品「ジェットストリーム多機能ペン4&1」をベースに、握り手の部分は東急不動産ホールディングスグループが保全している森から伐採した間伐材を圧縮して作ったパーツになっているコラボ商品。1本買うと10平米の国内の森を守る活動費として寄付されるというペンで、発売以来18,000本以上売れており、生産が追いつかず常に品薄状態だという。

森を意識したかのような淡いグリーンと持ち手がベストマッチ 1,800円(税別)【提供:東急ハンズ】

「すごくいいプロジェクトだと思います。社会貢献活動と連動したもので、こういうものって文房具業界では知らない。業界の垣根を取っ払って何かやろうという活動は、うちも結構トライしてきたつもりなんですが、どうも軌道にノラないですね」(奥泉氏)

東急ハンズと文房具カフェのコラボが実現?

文房具カフェでは、スケジュール帳を基本扱わない。手帳をそろえるには手間や売り場面積が広くないと厳しいというのがその理由である。その代わりに文房具カフェでは、流通していて面白いものやお客さんに教えてもらったもの、スタッフが見つけたものなどを自由に取り扱うという。そんな経営方針に奥山氏も共感しているようだ。

「東急ハンズでは扱えないものを扱ってらっしゃる。一つひとつ丁寧に売られているから文房具カフェにお邪魔すると発見があります。東急ハンズで、例えば私がカワイイと思ったものを置いても埋もれてしまいますから(笑)」(奥山氏)

東急ハンズと文房具カフェは「競合ではない」と口をそろえる……お二人のお話を伺っていると、文房具という存在を介してお互いを尊重しているかのようにも思える。対談の最後に奥泉氏の口から意外な言葉が……。

「実は東急ハンズさんとは、何度かコラボしましょうという話があったんです。結局立ち消えになりましたけど。小売店とも卸しともメーカーともどことも競合しないというのが文房具カフェのスタンス。だから面白いところがあればどことでも手を組みたいと思っています」(奥泉氏)

これに対し「次こそはぜひやりましょう!」という奥山氏。近い将来、東急ハンズと文房具カフェのコラボが期待できそうである。

文房具全般に造詣が深い奥泉氏


今後の手帳には“ストーリー性”が必要

10年間にも渡り、オリジナルの手帳を制作している東急ハンズ。これからの手帳作りに対し「リピーターのために定番を変えないこと。それと同時に新しい試み。その相反する部分が大事」だという。

それに呼応し、奥泉氏に手帳の未来についても伺ってみた。

「手帳を使う一定層は残ると思います。ただ紙の手帳を改めて、違う価値をつけたり、イノベーションを通して売っていくとなると、全然違う角度から考えないといけない。例えば紙質や仕様などに特別に凝っているわけではないのに、ストーリー性が素晴らしいブランドが存在します。そういうストーリー性を持った手帳を送り出すのはアリかなと思いますね。デザインや機能性の追求はかなり出切っているところがある。そのほかの部分が出てきたら面白い」


手帳を支える “できる” 脇役たち

“デコ”ブームでカラフルな色合いが主流の文房具たち

ここからは東急ハンズがオススメする手帳を支える“デキる”脇役たちを、お二人のコメントとともに紹介していこう。

・「ココフセン Lサイズ」

こちらの付箋は普通の紙フセンの四分の1の薄さが魅力 410円(税込)【提供:東急ハンズ】

「ココフセン」は、ノートに“書き添える”ためのフィルム付箋だ。たくさん貼ってもノートがかさばらないのが特徴で、薄さは紙付箋の四分の一だという。また半透明なので、まさに書き添えるのにピッタリだ。手帳にくっつけることができる携帯性も人気の秘密である。

「今はいろいろな機能を持った付箋が出ていて、オリジナルのものはもう作れないくらいの勢い。手帳の曜日枠の幅ぴったりサイズの付箋が出ていたり、手帳メーカーが出す付箋は手帳のレイアウトの幅にピッタリというのがトレンドです」(奥山氏)

・「ペントネ」

ナイスアイディアなロール型の付箋。ペンケースで持ち運びやすい 799円(税込)【提供:東急ハンズ】

「ペントネ」は、ペンと一緒に持ち歩くことができるロールタイプのフィルム付箋。ペンサイズなので、ペンケースに入れても嵩張らないのが魅力である。

「『ペントネ』がすごかったのは、メーカーがYouTubeで動画を配信したこと。そういうことをキチンとやったメーカーがなくて、付箋を切るときの音とか、カチカチカチと付箋が出るときの音の気持ちよさとかが伝わってくる動画でしたね」(奥泉氏)

・「クリップファミリー」

ほっこり系の文房具も人気。こちらは“遊べる”クリップ 518円(税込)【提供:東急ハンズ】

「クリップファミリー」は水につけることで形を変えて遊べる紙クリップ。書類を留たり、本や手帳のブックマークとして使うことはもちろん、形を変えて飾ったり、ほのぼの遊べる新感覚の文房具である。

「このメーカーさんは、ツイッターをはじめSNSをすごくうまく利用してますね。お客さんがこの商品を成形したものを写メに撮って、ハッシュタグをつけて、SNSで発信して、みたいなことをしています」(奥泉氏)

・「KITTA」

世のお父さんたちにはわからない、画期的なマスキングテープ 345円(税込)【提供:東急ハンズ】

「KITTA」は小さく持ち運べるマスキングテープ。4種類のマスキングテープがコンパクトなカードサイズになっているのが大きな特徴だ。女子高生と共同開発をしたという経緯も話題に。

「『ペントネ』同様、画期的な文房具。普通のマスキングテープは手帳のポケットに入りません。今までの女子は、自分でわざわざ切って手帳のポケットに忍ばせていたんです……これは手帳をデコレーションするためのアイテム。手軽に貼ったりはがしたりできるし、カワイイのがポイントです」(奥山氏)

・「きらりプチデコラッシュ」

こちらも女子向けのデコレーションテープ。豊富なカラバリで人気 216円(税込)【提供:東急ハンズ】

「きらりプチデコラッシュ」は、テープを引くだけでかわいくデコレーションできるテープ「デコラッシュ」のプチサイズ版。光沢のあるキラキラ柄で手帳が華やかになるのがうれしい。

「女の子が大好きな商品です。手帳を写真で撮ってSNSにアップするという文化が国籍問わず幅広く人気があります。そういうときに活躍します。すごい数のバリエーションがあって、たくさん欲しくなりますね(笑)」(奥山氏)

・「暮らしのキロク」

変わり種付箋の真打。いろいろ貼ってカラフルな手帳にしてみたい 486円(税込)【提供:東急ハンズ】

「暮らしのキロク」は、日々の暮らしのできごとを簡単に残すことができる好評の、ノリ付きメモ。「トラベル」や「ダイエット」、「ムービー」、「スイーツ」など、手帳に貼って楽しめる。

「モレスキンの「ジャーナル」と同じ考えの商品ですが、あれをもっと気軽にできるような商品。今日は旅のキロク、明日はショッピングのキロクというように、記録できるのがいいし、貼るだけで手帳が可愛くなりますね」(奥山氏)

・「ペンサム」

こちらは2~3本収納可能なスリムタイプ。1,296円(税込)【提供:東急ハンズ】

「ペンサム」は、手帳の表紙にマグネットを使って固定する、新しいタイプのペンホルダー。手帳やノートはもちろん、背広の内ポケットに入れることもできる。

「いいアイディアだと思いますので、こういうモノこそ日常に取り入れる高級品として皆さんにもトライして欲しい気もします」(奥泉氏)

いかがだろうか? これらの“できる”脇役たちとともに、手帳を今まで以上にうまく使いこなし、快適な新生活を迎えていただきたい。なお、東急ハンズの店舗情報はコチラから!

調査日: 2016年8月5日
調査対象: マイナビニュース会員 男女
調査数: 403人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

(マイナビニュース広告企画:提供 東急ハンズ)


[PR]提供:東急ハンズ