ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は、若年層のパソコンの利用実態を調査したレポートをこのほど公表した。その結果、高偏差値の中高生の3人にひとりが個人のパソコンを所有しているなど学力アップとの相関性が明らかになった。
調査は6月29~30日、第一子が中学から大学に通う子どもを持つ、全国の30~59歳の保護者を対象に実施。1,548人の回答をまとめた。
調査の結果、子どもがパソコンを所有している保護者のうち、パソコンを与えた理由で最も多かったのは「自宅での学習に役立ててもらうため」で6割を占めた。さらに、実際に子どもにパソコンを与える前と後では「ITやデジタルへの理解が増したように思う」「情報収集力が向上したように思う」「資料作成能力が向上したように思う」「勉強意欲が全般的に高まったように思う」「様々な物事への興味関心が増したように思う」など、ポジティブな意見が多くを占め、87%の人が子ども自身のパソコンを買い与えたことについて「満足している」と肯定的な見方を示した。
また、具体的にパソコンをどのように学習に生かしているのかを聞いてみると「勉強に必要な調べもの」が80%以上で最多。その他、「塾や予備校の自宅学習」、「受験勉強」が20%を超え、偏差値65以上の中学生では「英会話」や「プログラミング」のポイントが全体よりも高い傾向にあった。
学校の偏差値別にパソコンの所有状況を見た場合には、偏差値65以上の中学・高校では31%、偏差値65未満の学校では22%が「持っている」と回答。また、偏差値65以上の大学に通う学生では36%が高校生までにパソコンを所有していたと答えた。
一方、有害サイトの閲覧や有料サイトへの課金、使用時間の管理など子どものパソコン利用を制限する"ペアレンタルコントロール"について、子どもがパソコンを所有している保護者の68%が「知っている」と回答。パソコンを所有していない保護者の47%に比べて高い認知度を示した。
今回の調査結果を受け、脳科学者の中野信子さんは「子どもの知能の発達を促すには、10歳から18歳程度の限られた時期に”知的刺激”を与えることが必要。友達と遊んだり、本やテレビで刺激を受けることも重要ですが、パソコンやインターネットを利用すると比べ物にならないほどの刺激を受けることができるんです。しかし、子どもに早くからパソコンを使わせることに不安を感じる親が多いことも理解しています。そのため、親のリテラシーが大変重要。例えば自由に使えるところと抑制するところなど子どものパソコン利用に対する規範を明確にしておくことや、さまざまな情報について客観的な正しい判断を親から与えられることが大切です。また、ペアレンタルコントロールのような子どもを有害コンテンツから保護する仕組みを理解し、上手に活用することも必要」とコメントしている。
なお、WDLCは、2007年11月に日本マイクロソフト株式会社を中心に設立された業界団体。情報機器や情報サービスに関する業界を超えた連携により、新たなライフスタイルの提案を目指すことを目的としている。
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