さまざまな業界で活躍するビジネスパーソンが集い、MBA 取得を目指す早稲田大学ビジネススクール。ここでは、日中は仕事で忙しい人も通えるよう、全日制のプログラム以外にも夜間主(平日夜間と土曜日)プログラムも用意されており、キャリアアップや新たな挑戦へのきっかけにつなげる場として、数多くの卒業生を送り出しています。
今回紹介する森田恵美さんもその一人。KDDI株式会社でサービス企画を担当しており、海外勤務を経て、より広範なスキルを身に付けたいと考えたことが入学のきっかけだったと語ります。早稲田大学ビジネススクールでの学びや出会いは、現在の仕事にどのように生かされているのか。お話を伺いました。
シリコンバレーで出会った「MBAホルダーの技術者」たち
――はじめに、森田さんのこれまでのキャリアについて伺えればと思います。ずっと研究畑で歩んで来られたのですよね?
はい。大学では工学部で物理情報工学を学び、2006年にKDDIへ入社して、研究所へ出向となりました。そこで無線アクセスに関する研究や、テキスト解析に関する技術開発を担当していました。
――KDDI研究所のシリコンバレーオフィス(米国・サンフランシスコ)立ち上げにも従事されたと伺いました。
「オープンイノベーションの推進」を主目的に、ベンチャー企業との共同開発や、シリコンバレー発のトレンドを日本に報告する仕事を担当していました。現地には最先端の技術やサービスを生み出す企業が幾多とあり、とても刺激を受けました。
2年間の海外勤務を経て帰国し、スマホアクセサリーなどのガジェット系の企画開発や、最近ではIoT(Internet of Things)やIoE(Internet of Everything)をキーワードにした新しいサービス戦略の立案にも関わっています。
――ビジネススクールに通うことは、いつ頃からお考えだったのですか?
シリコンバレーで働いていた頃です。研究者としてキャリアを積んできたので、自分の専門性や技術力にはそれなりに自信がありました。しかし現地でさまざまなビジネスパーソンと交流するうちに、「技術だけでは足りない」と感じるようになり始めました。
現地にはMBAを取得している技術者が数多くいました。起業を目指している人もいましたし、大学時代からずっと学んできたことをサービス開発につなげ、世の中に広めていきたいという人も。彼らから刺激を受け、私自身もビジネス全般に通じるスキルを身に付けなければいけないと思いました。
――もしシリコンバレーに行っていなければ、MBA取得を目指していなかったと思いますか?
それはあります。もともとは「MBAなんて取っても役に立たないのでは……」と思っていました。海外に出て、いろいろ人に出会っていくにつれて考え方が変わっていったのだと思います。
もともとは興味がなかった「組織戦略」の論文を書く
――帰国後の学びの場として、早稲田大学ビジネススクールを選んだのはどうしてですか?
「家から近い」ということが一番の理由でした。早稲田大学ビジネススクールは会社からも自宅からも近く、どこよりも通いやすい場所でした。仕事の後に夜間のプログラムへ通い続けることを考えると、これは重要なポイントでした。
――通学している間は、どんなタイムスケジュールで動いていたのでしょうか?
平日は週に2、3回、18時半に会社を出て通っていました。授業がない日に仕事を集中させたり、昼休みに宿題をしたりと、勉強するための時間を作る工夫をしていました。通学中はとにかく刺激的で、ずっとハイテンションでした(笑)、忙しいスケジュールも楽しく乗り越えられたような気がします。
――そんな刺激的な日々の中で、特に面白かった授業や、印象に残っている学びはありましたか?
ゼミでの活動が一番印象に残っています。英語の論文を週に2回読む結構しんどい課題もありましたが、経営学の基礎から自分が興味を持った分野まで幅広く学べました。課題の論文をもとに先生やゼミ生と議論することで、新たな発見がたくさんあって楽しかったです。
また、自分では普通だと思っていた価値観が、他の会社では全然違う捉え方をされることもあって驚きました。KDDIには稲盛和夫さんが提唱したアメーバ経営などの概念が浸透していますが、そうした経営管理の仕組みは他の会社から見れば特殊のようです。評価の仕組みも、会社によってまったく違います。
そう言ったことに気がつけたのも、論文を読み込んで得た学びを、自分たちのビジネスに落とし込みながら頻繁に議論をしていたからだと思います。早稲田大学ビジネススクールで出会った他社のメンバーからはたくさんのことを学びました。
――そうした組織論を、生の議論を通じて理解していける場だったのですね。
はい。私の興味はもともと「イノベーションをどのように生み出すか」ということに限られていたのですが、組織論や認知心理学といった新たな分野への興味もかき立てられました。最後に提出する論文も、組織戦略をテーマにしました。
それがきっかけで人材マネジメントを深く考えることになったわけですが、ちょうどタイミングを同じくして管理職に昇格したこともあって、とても実りある学びとなりました。
ともにMBA取得を目指す仲間と出会えたことも、大きな収穫です。同じ通信業界大手で働く人とも知り合えましたし、異業種で活躍する人たちともコミュニティを作ることができました。SNSでたくさんのグループができ、今でも積極的にコミュニケーションを取っています。
――そうしたネットワークは、今の仕事にも生きていますか?
はい。仕事が絡んでいると、どうしても利害関係が発生してしまい、純粋に交流できない部分もあると思います。早稲田大学ビジネススクールの仲間はそれを気にせず、何でも相談できる相手になりました。日頃の仕事のちょっとした悩みも、よく聞いてもらっています。
自分を知っているから、他者を理解できる
――森田さんは海外勤務を経てMBAを取得されていますが、グローバルに活躍するビジネスパーソンには、どんな力が必要だとお考えですか?
語学スキルはもちろんですが、その前提となる「スタンス」が何より重要だと思っています。「自分が何者なのか」を知った上で、多様な考え方を認め、異なる価値観を受け止める姿勢が大切なのではないでしょうか。個人としてのアイデンティティを持つことも大切ですし、より大きなレイヤーで「日本人である自分は何者なのか」という社会的なアイデンティティを持つことも必要だと思います。
私自身は、最近日本の歴史に対する興味がどんどん膨らんできて、また新たに勉強し始めました。
――自分の立ち位置がはっきりしているから、違う立ち位置の人を受け入れられるようになるということですね。
はい。その上で、目標に向かって他者と協力する姿勢が大切だと思います。天才的な能力を持っている人でも、一人でできることは限られています。主体性を持ちつつも、一人では実現できないことに対して周囲の力を借りる「協調性」が求められると思います。
――ありがとうございます。最後に、森田さんの今後の目標や展望を教えてください。
シリコンバレー駐在の経験や早稲田大学ビジネススクールでの学びを生かして、常に新しい情報を入手し、新規事業を創出していきたいと思っています。
KDDIは新しい挑戦を積極的に応援してくれる会社なので、社内のアセットを活用して、これまでにないサービスを実現できたら……と考えています。MBA取得を通じて得た経営への興味や起業マインドを、今の環境の中で最大限発揮していきたいです。
早稲田大学ビジネススクール 早稲田・ナンヤン ダブルMBAプログラム卒業生インタビュー
向井秀明さん(楽天株式会社)
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