博報堂といえば、日本を代表する大手広告会社。就職人気企業ランキングでも上位にランクインするなど、魅力的な人材が集まった一流企業です。
そんな博報堂がここ数年実施している「第二新卒採用」の枠を、なんと今年は2倍に拡大するとのこと。リーマン・ショック後の就職氷河期に博報堂を志望して、縁がなかった私からすれば、2倍の枠というのは大きなチャンス!
新卒時は博報堂のOB訪問ができなかったからこそ、中途採用の面接では何が見られているのか是が非でも聞きたい! ということで、今回はマイナビニュース編集部のお力を使って博報堂の人事局長と人事部長というキーマン2人に、恐れ多くもインタビューして参りました。
広告業界や博報堂への転職を考えている全ての人にとって、転職成功のヒントになれば幸いです。
なぜ今、「第二新卒」を多く採用するのか?
―― まずはじめに確認させていただきたいのですが、お二人は中途採用の面接には登場されるのですか?
秋澤部長:もちろんです。私は一次面接からで、局長は最終面接に登場します。
江﨑局長:「最終面接」といっても中途採用の場合は2回しか面接しないので、その2回目ということですね。
―― (おぉ! ということは、このお二人の好みを押さえておけば一気に採用に近づけるということじゃないか……! よし、とことんまでヒントを聞き出してやるぜ!)
―― さっそくですが、なぜこのタイミングで中途採用枠を通常の2倍にしたのでしょうか?
秋澤さん:毎年この時期には「第二新卒」という形で、社会人2~3年目の若者を対象にした中途採用を行っています。今回大きく人数を増やすことにしたのは、シンプルにいうとクライアントの課題や要望が複雑化してきている中で、それに応えるための戦力をさらに整えていきたいからです。
―― 「第二新卒」の採用数を増やすのは、何か理由があるのですか?
秋澤さん:最近はデジタル化やグローバル化によって、広告ビジネス自体の変化のスピードが早くなってきているので、「広告業界の経験年数が長い」ということが、実は重要視すべきファクターではなくなってきていたりするんです。社会人2~3年目くらいの方たちは、当社に新卒で入った人たちとは違う環境で仕事をして、異質なスキルや経験を持たれている方たちなのですごく興味があります。
―― 実際、他業界もしくは同業他社から中途入社された方たちは、御社で活躍されやすいのでしょうか?
秋澤さん:それはもう実績としても出ていますね。ここ数年「第二新卒」の募集を続けていますが、かなり良い化学反応が出ていると感じています。だからこそ、今年はさらに採用枠を増やして、たくさんの方に仲間になってほしいと思っています。
博報堂で活躍しやすいのはどんな業界・業種の人?
―― ちなみにどの業界出身の方が活躍しやすいとか、どんな経験を持っている方が目立っているといった印象はありますか?
江﨑さん:んー、そういうのはあまりないかもしれませんね。採用するにあたっては、「こういうスキルを持っている人」「こういう仕事ができる人」のように、カチッと決めることはしないようにしています。
というのも、「こういう人材が欲しい!」と決め込んでしまうと、結果的にそうじゃない人を「落とす」面接になってしまうんですね。そうすると色々なものを見落としやすくなって、ものすごくエネルギーを持っている人なのに見逃してしまうことも出てきてしまうんです。
――(なんと……「こういう人材がほしい」という具体的な人物像はないということか。じゃあ何を磨けば採用されるのかわからないじゃないか……)
―― なるほど……。ということは今回の大量採用も、特に「この分野に特化するため」とか「新設部署のため」といった理由ではないのですね。
江﨑さん:もちろんデジタル系やデータ解析など、新しい分野の人材を増やしたいという狙いもありますが、あまり細かく決め込まないで、来てくれた人をしっかり見て、面接しながら良い所を引き出していくようにしています。そうすると「採る面接」になって、色んな魅力を持った人を採用することができるので、結果として会社としての対応力が広がっていくと考えています。
―― 博報堂と言えば「粒ぞろいより粒違い」という言葉がよく使われますが、型にはめない採用をしているからこそ、そうした多彩な人材が集まってくるんですね。
江﨑さん:そうですね。いろんな得意分野を持っている人が集まっているからこそ、得意先から課題が降ってきたときに、「あ、それならこういう人材がいます」「その課題ならこの担当に任せて下さい」のように対応できるし、そういう人材がそろっている方が楽しくて強い会社になっていくと思います。なので、中途入社で入ってきた人には「今までのやり方、経験、ネットワークをもとに新風を吹き込んで欲しい」と伝えています。
博報堂は中途入社でも働きやすいらしい
江﨑さん:中には「博報堂に早く馴染めるようになりたい」と考える人もいるんですけど、もしかしたら僕たちのやり方が間違っている部分もあるかもしれないし、時代についていけていない部分もあるかもしれない。だから、変に会社に合わせるようなことはしないで、違うと感じることをどんどん指摘して会社を変えてみせるぞくらいの意気込みでいて欲しいんですね。入社時にそう伝えると、みんな肩の力が抜けたと言ってくれます。
―― 一般的に、中途入社だと会社に馴染むのにも時間がかかってしまいそうですが、御社の場合はそういうことはないんですね。
江﨑さん:そうですね。「この人はプロパーだから」「この人は中途入社だから」という色分け自体しない社風があります。みんなでチームを組んで一つのプロジェクトが終わった後に、「ところで新卒のとき配属どこだったの?」と聞くと、「いや、僕は中途入社だよ」と言われて後から知ることもあるくらいなので。
博報堂が魅力を感じる人材とは?
―― 欲しい人物像を具体的に決めないとはいえ、こんな人材に魅力を感じるというポイントはあるんじゃないですか?
江﨑さん:んーそうですね……強いていうなら、自分のやりたいことが明確にある方や、人の意見にしっかり耳を傾けて、自分の考えやアイデアに活かしていく、そういうしなやかさを持っている方でしょうか。議論好きの人の中には、否定から入ってなかなかアイデアが積み上がらない人もいますが、人の考えを聞いてアイデアを変えていける柔軟性のある人のほうが良い仕事ができると思います。
―― そういった魅力は、面接時にどのように見抜いていくのでしょうか?
江﨑さん:話しているときの雰囲気だったり、オーラだったり……五感で感じる部分が多いですね。前の会社や出身大学を事前に見ると、どうしてもバイアスがかかってしまいますが、なるべくまっさらにした状態で、五感でどう感じるかを大切にしています。なので、前日はお酒を控えるようにしてます。あ、ここはカットしてください(笑)。
―― 重要なポイントなので、ばっちり書かせていただきます!
昔と今とで、広告志望の人材に変化はあるのか?
―― お二人は長く人事のお仕事に携わられていますが、昔と今とで、広告志望者の特徴やイメージが変わってきた印象はありますか?
秋澤さん:いやーどうなんでしょう。世代全体を代表するようなキャラクターというのは、僕はあまり感じないですね。ちょっとあるとすれば、仕事のモチベーションというか、キードライバーになるものが昔と今とでは変わってきているかもしれません。
―― といいますと?
秋澤さん:私や江﨑のようなバブルの残り香が漂う世代は、「とにかく世の中にインパクトを残す大きい仕事がしたい」いう意識の人が多かったように思いますが、最近はキャリア志向というか、「この仕事を通してどんなキャリアを積んでいきたいのか」ということを個々が強く意識しているように感じます。これは中途採用の面接だけでなく、社内の若手の意識調査を見ていてもそう感じますね。
―― なるほど。そうした変化によってどんな影響があるのでしょうか?
秋澤さん:難しいと思うのは育成の仕方が変わってきたことですね。昔だったら、まず足腰を鍛えるような基礎的な仕事をして、それから責任のある小さな仕事をやって、のように段階を踏んでいましたが、最近はそれがすべてではないので。
あとは、新しいメディアが生まれたりデジタルテクノロジーが進化したりと世の中の変化のスピードが速いので、そもそも「先輩からこれまでの仕事の進め方を引き継ぐ」というやり方だけでは対処しきれない状況にもなってきています。デジタルに強い人達がいきなりそのビジネスの中心になるということもありますね。
―― 先輩が後輩を導く上でのポイントや育成の方法も変わってきているということですね。
秋澤さん:もちろん今までやってきたやり方が必要な部分もありますが、確実にプレイヤーは変わってきています。
江﨑さん:冒頭でも得意先の課題が複雑化してきているという話がありましたが、変化が早いからこそ新しいニーズも生まれるので、逆にチャンスとも捉えられます。現場でも「もっとこういうニーズに答えたい」、「この部分の課題にもコミットしたい」という意向が出てきているのですが、それに応えるだけの人員が足りなくなってきているので、今回採用枠を大きく拡大したということなんです。
―― なるほど見事に話がつながりました……! ちなみに私は新卒時に御社を受けてエントリーシートで落ちてしまったのですが、そういう人でも今回の中途採用を受けることは可能なのですか?
江﨑さん:もちろんです。よく「新卒でダメだったんだから中途もダメだろう」と決めつけてしまう人がいますが、人は変わるので、私たちはそういう色眼鏡で見ることはしていません。一度別の会社に入って、どんな想いを持ちながら仕事をして成長したのか、ぜひエントリーして教えていただきたいですね。
―― それを聞いて安心しました! 本日はどうもありがとうございました。
新卒時代に第一志望にしていた博報堂。憧れの会社に入るチャンスが2倍になって目の前に現れたのだから、これはもう受けるしかない! そう思ったところで気がついたんです。私今年30歳で、「第二新卒」に全くもってかぶっていなかったことに……。
「もう5年早く2倍にしてくれていればよかったのに!」と愚痴を吐いても始まりません。私のように悔いを残すことがないように、気になった方はぜひ今すぐエントリーを!
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