この春、都内の某企業に入社した愛田君もそんな悩みを持つ一人。新社会人ということで気持ちばかりが先行してしまい、うまく先輩や同期とコミュニケーションをとることができません。
すると、そんな様子を見かねた先輩の中村さんが、あるゲームに誘ってくれたのです。そのゲームとは「スコットランドヤード東京」。このゲームを通じて、愛田君の悩みは解消されるのでしょうか――。
***
そんなワケで、僕――愛田は、仕事帰りに先輩である中村さんの家に寄ることになりました。何でも僕が最近あまり元気がないように見えるらしく、気晴らしに「スコットランドヤード東京」というゲームで遊んでみない? というのです。初めて聞く名前のゲームなのでちょっと戸惑いましたが、せっかくなのでこれを機に少しでも距離が縮まることを期待して参加することにしました。
このゲーム、2人~6人まで遊べるということで、同じ部署からは同期の佐藤、先輩の武田さんと桜木さんも参加することになりました。一人暮らしの中村さんの部屋に5人は、さすがにいっぱいいっぱい。こういうふうに集まるの、学生時代以来だなぁ。
ところで、「スコットランドヤード東京」って何なんだろう? スマホか、それとも家庭用ゲーム機? そんな僕の考えを見ぬいたかのように、中村さんがニヤニヤしながらテーブルに大きな箱をドサッと置いて一言。
「これがスコットランドヤード東京だよ」
えっ? ゲームって……デジタルじゃないんですか!?
「スコットランドヤード東京は、トランプとかスゴロクと同じアナログゲームなの」
そ、そうだったのか! でも、アナログゲームって面白いのかなぁ。トランプもスゴロクも単純だし、わざわざ集まってやるほどのゲームって。……そんな気持ちがつい表情に出てしまう僕。でも中村さんは自信満々です。
「いいから、ちょっとやってみようよ!」
そんな流れで始まったスコットランドヤード東京。実は中村さんは先輩の武田さん、桜木さんと一緒に普段からこのゲームで遊んでいるんだとか。同期の佐藤も興味津々で、すっかり先輩たちと打ち解けています。コミュ力のある佐藤がうらやましい……。
「それじゃあ、まずは怪盗Xを決めないとね」
怪盗X?
「そう。スコットランドヤード東京のルールを一言でいうと、東京の町を逃げまわる怪盗Xを刑事たちが追いかけて捕まえるゲームなの」
つまり、こういうことみたいです。
ゲームの舞台となるのは東京の町を描いたボード。参加者のうち一人が怪盗Xに、残りが刑事になり、自分のコマをボードに配置します。なぜ「スコットランドヤード」なのかというと、もともとはロンドンを舞台にしたゲームが本家だから。「スコットランドヤード東京」はその日本版というわけです。
ボードにはスゴロクのようなマス目が描かれており、怪盗Xと刑事は自分の順番になるたびにこのマス目を一歩ずつ移動していきます。刑事が移動するためには「タクシー」「電車」「バス」のいずれかの交通カードを使う必要があり、使いきってしまったらその交通手段は使えなくなってしまうのに対し、怪盗Xは最後まですべての交通手段を使うことが可能です。各自が24回ずつ移動する間に刑事が怪盗Xを捕まえられたら刑事の勝ち。24ターン逃げ切ったら怪盗Xの勝ちとなります。
怪盗Xは一人なのに刑事は複数人いるので、すぐに捕まえられると思いきや、そこがこのゲームのミソ。実は怪盗Xは姿を消しているので、コマをボードに置かなくていいのです。刑事に与えられる情報は、「怪盗Xがどの交通手段を使ったのか」と「24ターン中、5回だけ怪盗Xが姿を現す」ということだけ。これらの情報をもとに怪盗Xの位置を推理して、手分けして追い詰めていく必要があるのです。
「それじゃあ、武田君が怪盗Xね」と中村さん。
「よーし、逃げ切ってやるからな!」
やる気満々の武田さんはゲームのセットに付属してきたバイザーをかぶります。あ、「MisterX」って書いてある!
「怪盗Xは自分の居場所を悟られちゃダメだから、これで目線を隠すんだよ」
なるほど。目線はともかく、こういうのをつけると何となく気分も盛り上がります。よし、刑事になって怪盗Xを見つけてみせるぞ。
いよいよゲームがスタート。怪盗Xになった武田さんは、さっそく「タクシー!」「バス!」と宣言しながら東京の町を逃げまわります。ちなみに本家版の舞台はロンドンですが、この日本版は地図も東京そのままですし、「六本木ヒルズ」「ハチ公」「東京スカイツリー」などよく知った場所もイラストと一緒に描かれているので、自分がいる場所のイメージもわきやすいです。これなら捜査もやりやすそう。
といっても怪盗Xの居場所はわからないので、交通手段から推測するしかありません。ええと、最初にあそこにいてタクシーを使ったってことは、タクシーで移動できる3つのマスのどれかに逃げた可能性があって……そこからバスを使ったってことは……。
ううーん……始める前はアナログゲームなんて単純でしょと軽く見ていたのですが、やってみると、シンプルなルールながらものすごく奥が深い! 単純に交通手段から予想するだけでは選択肢が多すぎて絞り込めないのです。
結局、動きを予測して皇居周辺に移動してみたものの、3ターン目に怪盗Xが姿を現した場所は、なんと渋谷付近! ぜんぜん違う場所を探していたことに愕然とする僕。最初からこんなんじゃ、とても捕まえるのは無理だよ……。
「わかった? 一人で怪盗Xを捕まえるのは難しいの。4人で一緒に推理して手分けしないと」 そう言ってニッコリと笑う中村さん。そ、そうか、つい個人プレーに走っていたけど、刑事は4人。皆で協力すればいいんだ!
「今、6ターン目。渋谷付近にいた怪盗Xが逃げるとしたら、私たち刑事が誰もいないお台場付近か、スカイツリーを目指すんじゃないかと思うんだけど、どうかな?」
「んー……私はそれをわかった上で池袋方面に戻るんじゃないかって思うんだけど。刑事が各所に散らばったら、逆に今私たちのいた場所が手薄になるから」
中村さんと意見を戦わせる桜木さん。そっか、そういう考え方もあるんだ……。
「愛田君はどう思う?」
え、えっと……。そうですね、もう一つの可能性としては、あえて渋谷付近をぐるぐるして留まっている可能性もあると思います。だって武田さん、さっきから僕たちの推理を聞いてもぜんぜん動じる気配がないですし。
「おっと」
僕の言葉にバイザーを深くかぶり直す武田さん。
「……愛田君、どうやらイイ線いってるみたいよ」
「念のため、桜木さんは次の出現ターンまで池袋周辺を張っててもらっていいかな。佐藤君と愛田君は渋谷から離れすぎないようにしながら東へ抜けられないよう移動しやすい駅をおさえていて」
「はーい」
「わかりました!」
テキパキを指示を出す中村さんを見ながら、(このゲームって、本当にその人の性格が出るんだなぁ)と感心する僕。飲みに行くよりも、スコットランドヤード東京を1回プレイする方がその人のことを深く理解できるかも。
――それからさらにターンが進み、いよいよ終盤。追い詰めたり逃げられたりしながらゲームを進めているうちに、いつの間にか先輩たちや同期の佐藤君とすっかり打ち解けている自分に気がついたのでした。
「さあ、予想では怪盗Xは秋葉原の近くにいるはず。愛田君、あとは任せるね!」
はい!
中盤、怪盗Xが姿を現した直後の交通手段から場所をかなり絞り込み、刑事たちは秋葉原周辺に集結。中村さん、桜木さん、佐藤君が手分けして周辺をがっちり固めたところで、僕は秋葉原にコマを進めます。4人の推理が正しければ、怪盗Xはここにいるはず――。
「あー! やられた! そこだよ!」
僕がコマを動かすと同時に、大声で悔しそうに叫ぶ武田さん。やったー! 僕らの推理通りでしたよ、中村さん! 桜木さん、佐藤君!
「やったね、愛田君。それと……」
思わずハイタッチする僕らに中村さんは微笑みながら、
「やっと本当の愛田君が見られた気がするね」
そう、中村さんが言う通り、ほんの1時間前まで無意識に築いていた心の壁は、スコットランドヤード東京をプレイしたことですっかりなくなっていました。こんなに濃密な時間を過ごせるゲームだったなんて!
同期の佐藤とも仲良くなり、明日からはコミュニケーションで悩むこともなく仕事ができそうです。
スコットランドヤード東京は、家族や友だちなど仲の良い人と遊ぶと楽しいのはもちろん、まだそれほどよく知らない人や、何だったら初対面の人とだって盛り上がれるスゴいゲームでした。ルールも簡単ですし、2人~6人と人数も幅広く対応しているので、ぜひ試してみてくださいね!
なお、スコットランドヤード東京はさらに低年齢でも楽しめるジュニア版の発売が予定されています。お子様から大人まで幅広く遊べるので、こちらも要チェックですよ。
こどもにも楽しみやすいルールになって新登場!
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