Tintri VMstoreだから実現できたディスク性能予約機能
同社はNTT西日本グループ向けのデスクトップ仮想化サービスの提供で培った技術やノウハウをベースに、2013年からグループ外のお客様にもサービスの提供を行っており、2015年の時点で同グループも含めユーザーの規模は約50,000台に及んでいた。
今後のビジネス拡大を視野に「AQStage 仮想デスクトップサービス」のスタンダード新プランを支えるサービス基盤を新たに構築することになった。また小規模でも導入しやすい価格を実現するために、基盤部分を共有化したうえでVMware Horizonのフル機能を提供していくという方針も決まった。
マルチテナント基盤では、リソースを共用するため一部のユーザーの操作により他のユーザーの動作が遅くなるといった、一時的なパフォーマンス低下が懸念される。パフォーマンスへの影響を抑えるために、基盤の中で最も重要なストレージをどのように選定していくか。これまでの運用経験に基づき、最適であろう選択を行ったという。
「グループ内向けのデスクトップ仮想化サービスを運用していく中で気づいた、ストレージに求める3つ要件は、サービスプロバイダーとしてグループ外のお客様に品質の高いサービスを提供していくうえでも欠かせません。3つの要件すべてに対し、高い次元で応えることができたのはTintri VMstoreだけでした」
同社がストレージに求める3つの要件に対し、Tintri VMstoreがどのように応えたのか、前野氏は次のように話す。
1. ストレージはVMを認識し処理できること
Tintri VMstoreは仮想化環境専用ストレージだけあって、Lunやボリューム単位ではなく仮想マシン単位で管理することができる。サービスプロバイダーとしては、お客様からの特定デスクトップの性能に関する問い合わせに、迅速に対応できることは大きなメリット。またスナップショットやレプリケーションもVM単位で行えるため、「このデスクトップだけレプリケーションしてほしい」といった要望にも柔軟な対応が可能だ。
2. VMの性能に影響を与えている要因をストレージ以外についても把握できること
End-to-Endでモニタリングするツールを導入しなくても、Tintri VMstoreの管理画面で各コンポーネントにおいてどこでどの程度遅延が発生しているのかが一目瞭然。万が一、お客様がデスクトップに遅延を感じることがあれば、コストをかけずに迅速な状況把握とレポートが行える。またデスクトップ毎の利用状況(負荷状況)のレポーティングも可能だ。
3. 想定外の事態をコントロールできること
Tintri VMstoreは仮想マシン単位で管理できることから、ストレージ自身が仮想マシン毎の稼働状況に合わせた性能チューニングを自動的に実施。ある仮想マシンのストレージI/Oが急激に増えても、他の仮想マシンに影響を与えることなくストレージの再配分が行われるため、チューニングいらずで常に安定したパフォーマンスを実現できる。
想定外の事態に対し、サービスの観点では品質の保証も必要となる。「Tintri VMstoreは仮想マシン単位でIOPSの上限値と下限値を設定することができます。サービス品質維持の観点では、IOPSの下限値を設定できることが非常に重要です。この機能を活用することで、特定デスクトップの突発的な負荷増大にも常に最低20IOPSを確保できるディスク性能予約機能を標準で提供することが可能になりました。20IOPSは当社のオフィスワーカーの平均値が10IOPSから15IOPSであることに基づき設定しており、想定外の事態が起きても通常通りに業務が行えると考えています」(前野氏)
仮想デスクトップ毎にディスク性能を予約できるサービスはTintri VMstoreなくしては実現できなかったと前野氏は話す。高負荷のアプリケーションを利用するユーザーや経営者などVIPユーザーには30IOPS、40IOPSの追加(有償)も可能だ。
Tintri VMstoreの採用を決断するうえで、ティントリジャパンのサポート体制もポイントになったという。「提案時から導入に至るまで、ティントリジャパンの技術スタッフが何度も足を運んでくださいました。私たちの疑問に対して丁寧に答えていただき、とても心強かったです」(前野氏)
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