三菱電機の老舗エアコンブランド「霧ヶ峰」の新商品が発表され、このほど、東京・ベルサール六本木にて「三菱電機・霧ヶ峰ブランド体験会」を開催。室内機の構造を約半世紀ぶりに一新したという「FZシリーズ」と、インテリアと調和するような洗練されたデザインの「FLシリーズ」の体験会が行われた。

約半世紀ぶりに内部構造を一新した「FZシリーズ」

同体験会では、まず、三菱電機 静岡製作所の吉川浩司氏から、今回の新商品の開発経緯が語られた。年々、進歩を遂げてきたルームエアコン業界だが、近年では2つの壁を越えられずにいたという。「1つ目の壁は、誰もが諦めていた“暑がりさんと寒がりさんの共存”です」(吉川氏)。

例えば、夏場に奥さんが部屋でくつろいでいるところに、暑い屋外からご主人が帰宅した時、ご主人に合わせて設定温度を下げてしまうと、奥さんは寒く感じてしまう。温度設定が原因でちょっとした口論になってしまうというような話はよくあることではないだろうか。

三菱電機 静岡製作所ルームエアコン技術第一課 課長の吉川浩司氏

もう1つの壁は、省エネに対する“既存技術の限界”だという。「既存技術を改良するだけでは、飛躍的な省エネを達成できない」と吉川氏は話す。消費電力量の削減幅は年々小さくなっており、従来の構造ではこれ以上の大幅な省エネが見込めないのが現状だ。「これらの問題をブレイクスルーするために開発されたのが、今回の「FZシリーズ」だという。

ルームエアコンの電力消費量の下がり幅は年々小さくなり、省エネが見込めなくなっていた

この2つの課題をクリアするため、半世紀ぶりに構造を見直して新搭載されたのが、2基のプロペラファン「パーソナルツインフロー」だ。それぞれのファンの風量を別々に制御する左右独立稼動となっており、効率よく室内の温度を調整することができる。また、プロペラを回すためのモーターも独自に開発し、小型かつ高出力、高効率を実現。送風時の消費電力を従来比で31%も削減することができている。さらに、ファンをプロペラ型にすることに伴って熱交換器の形状をW字型に一新し、搭載量を22%も増やすことに成功。こちらも省エネ性の向上につながっているという。(いずれも同社2015年Zシリーズ5.6kwクラスとFZシリーズ5.6kwクラスの比較)

半世紀ぶりに構造を一新したFZシリーズ

これに加え、同社モデルではおなじみの人の温度を感知して最適な温度で送風する「ムーブアイ 極」機能も従来比で4倍も向上させ、指先など細部の温度変化もしっかりと感知。この2つを組み合わせることで、室内にいるそれぞれの人に、別々に最適な温度で送風できるようになっている。(同社2015年ZシリーズとFZシリーズの比較)

吉川氏は「現在エアコンのスタンダードとなっている『ラインフローファン』を初めてエアコン室内機に搭載したのが霧ヶ峰でした。それを打破するのも、やはり霧ヶ峰ではないか」と話し、今回の画期的な構造改革に自信をのぞかせた。

従来の「ラインフローファン(写真上)」から、「パーソナルツインフロー」のファン(写真下)に変更された

コンセプトモデルの魅力をそのまま製品にした「FLシリーズ」

「インテリアデザインにこだわる人ほど、エアコンを隠している。デザインにこだわって建てた家のオーナーの中には、自分の家に合うエアコンが無いからと、エアコンをつけていない家もあった」と話したのは、三菱電機 静岡製作所の中洲次郎氏。そこで中洲氏は、同社のデザイン研究所とコンセプトモデルを作成し、工場の所長に見せたところ「いいじゃないか、このまま製品にしよう」と所長もそのデザインに一目ぼれ。そうして開発が進められて誕生したのが、これまでにないスタイリッシュなデザインが印象的な「FLシリーズ」だ。

インテリアとも調和するスタイリッシュなデザインの「FLシリーズ」

だが、この製品化スタートはデザイナーにとっては寝耳に水の話。コンセプトモデルはあくまで理想であり、量産には適さないのが通常だ。吹き出し口ひとつをとっても、デザイン優先で正面に吹き出し口を見せたくないデザイナーと、正面に吹き出し口がなければ送風できないと言うエンジニアとでバトルがあったなど、理想を形にするには多くの苦労があったという。

「エンジニアも本当はこういうデザインのものを作りたいという想いがあった。エンジニアもほれ込んだからこそできたもの」という強い志があったからこそ、コンセプトデザインからブレることなく製品化することができたと中洲氏は話した。

もちろん、見た目だけでなく「ムーブアイ 極」や、4枚のフラップで気流をコントロールしピンポイント送風や立体的な送風を自在におこなう「匠フラップ」など、霧ヶ峰ならではの快適さも実現。霧ヶ峰上位クラスに相当する省エネ性や、ハイブリッドなコーティングによる清潔性など、ルームエアコンとしての性能にもこだわりをみせているという。

見た目だけでなく「匠フラップ」など、エアコン性能も充実

エアコン解体ショー & 製品展示体験会

革命的な構造の一新が施された「FZシリーズ」の機構をより実感してもらうため、マグロならぬエアコンの解体ショーが発表会のあとに行われた。3Dプリンタで試作を重ねて決定したというファンや、自社製作で小型化に成功したモーターなど、静音性の確保のための苦労など、開発の苦労も交えながら実際に目の前でエアコンが解体された。このほか、「ムーブアイ 極」の体験コーナーや「FLシリーズ」の製品モデルとコンセプトデザインの比較ができる展示なども行われた。

「FZシリーズ」の解体ショーや、製品モデルと一見では見分けのつかない「FLシリーズ」コンセプトモデルの展示などが行われた

今回、発表された「新内部構造」と「スタイリッシュデザイン」という2つの機軸で、「霧ヶ峰」がルームエアコン業界に新たな風を送り込んでくれそうだ。

(マイナビニュース広告企画:提供 三菱電機株式会社)

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