――次に、ADASの方の話を伺います。基調講演でのスピーチはなかなか刺激的でした

Ali:高齢化は日本もそうだが、先進各国での問題となりつつある。基調講演で、米国でも2020年には70歳以上が4000万人を超し、そのうち自力で運転できる人が4%しかないという話を語ったが、やはり関心が高い話題となっている。また、自動車の安全機能が高まったため、軽度の事故での死亡率は以前よりグッと下がっている。この結果、死亡者が出るような事故に関して、その事故の発生要因の95%が運転者であるという報告もあり、そうした状況の中で、今後、より事故による死亡率を下げようとするのであれば、やはり自動運転車が必要という事になる。

ただ、これに関して我々はすべてを自分たちだけで実現できるとは考えていない。確かに我々はR-Carシリーズという優れたプラットフォームをすでに提供している。そして衝突への対策では日本が、ADASでは欧州がそれぞれ中心となって研究を進めてきた。しかし自動運転ではセンサとアルゴリズムが非常に重要になる。この点ではシリコンバレーの、たとえばGoogleやTesla Motorsといった会社が一歩進んでいる。

実際のところ、ハードウェアの開発は我々の欧州の部隊が主体になって行っている。ただしその上でセンサやアルゴリズムを自由に選んで構築できるプラットフォームがやはり重要になる。今回我々がHarbrickと協業し、さらにPolysyncをベースに自動運転のデモを構築したのは、さまざまなアルゴリズムやセンサを、顧客が自由に選んで簡単に実装できるためのプラットフォームとして示したかったからだ。PolysyncはAPIを提供し、我々はそのAPIを実行できるための優れたハードウェアを提供するという形で、すばらしいプラットフォームを顧客に提供できるようになった。

Polysyncの初期のバージョンは、荷台一杯にIntelのサーバと補助バッテリを積まないといけない代物だったが我々はこれをR-Car H2で置き換えることができた。荷台一杯のサーバと同等の性能を2つのR-Car H2で実現できたわけだ。

――最後に、これを読んでくれた日本の読者に何かメッセージをいただけますでしょうか?

Ali:私からのメッセージは「我々は世界でもっとも優れたハードウェアを提供することを約束する。だからこそ顧客の皆様には、その上でハードウェアの能力を活かす素晴らしいソフトウェアをデザインしていただきたい」という事だ。ソフトウェアの重要性を考えて欲しい。我々は世界で最高のハードウェア技術を持っているが、ソフトウェアがその上で動かなければ、それに意味がもたらされないのだから。

日本におけるRenesas Synergy Platformの詳細についてはDevCon on the Road として12月から2月にかけて開催する「Renesas DevCon 2015 TOKYO NAGOYA OSAKA」でご紹介させていただく予定だ。この時までには、資料やリソースが完全に日本語訳されて提供されるようになっている。我々はこのために日本語の翻訳にも細心の注意を払い、綿密に準備を進めてきた。またADASソリューションについては、2016年1月に開催される「第8回 国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)」にて紹介させていただく予定なので、これらの技術に興味がある方は是非、足を運んで、その目で我々の技術を見て、感じていただきたいと思う。

■イベントの概要は下記を参照ください。
「Renesas DevCon 2015 TOKYO NAGOYA OSAKA」
「第8回 国際カーエレクトロニクス技術展」出展のお知らせ

(マイナビニュース広告企画:提供 ルネサス エレクトロニクス)

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