発表、審査、そして授賞式
最終日の午後、各チームから「マイナンバー導入による近未来の楽しい姿」のアイディア発表と、それを実現するシステムのデモが行われた。審査するのは協力企業と石川県、金沢市、野々市市といった自治体の代表メンバー、そして中沢教授だ。参加者達は10分という短いプレゼン時間の中に、それぞれの思いや成果を詰め込んだ。
「救急車で運ばれた人のマイナンバーカードから病院が連絡先を読み取り、家族に通知するシステム」や、「マイナンバーでログインすることにより、個人が特定された、現実世界に近い仮想空間を創り出すシステム」、「マイナンバーと、購入製品のシリアル番号を結びつける所有権証明システム」、「マイナンバーに紐付いた個人情報から、ベストマッチングを可能にする出会い系サービス」など、硬軟様々な企画が発表される中、最優秀賞に輝いたのは、「貸し自転車革命『PEDARU』」と名付けられた企画だ。
これは、観光客が貸し自転車に取り付けられたデバイスにマイナンバーカードをかざすことで、手軽にレンタルできるようにするだけでなく、その観光客のプロフィール、どんなルートでどこへ行ったか、加速度などのデータを採取、観光資源の発掘や箱物づくりのマーケティングに役立てようというもの。プレゼンでは実際の自転車とスマートフォンを利用して施錠・解錠・位置情報取得のデモが行われた。プレゼン終了後には、金沢市代表の審査員から「一台どのくらいのコストでできるのか」と、具体的な質問が出るほどの完成度だった。
継続して取り組むことが重要
授賞式後、賑やかに懇親会が開催される中、GMOグローバルサイン 浅野氏に、改めて初参加の感想を伺った。
「このハッカソンを通じて、学生さん達は一皮むけたのではないかと思います。我々もこれからの事業を行っていく上でのいい刺激になりましたし、アイディアの元となりました。機会があれば、また参加したいと思います」
また中沢教授は、KITハッカソンとその参加者に対する期待を語ってくれた。
「重要なのはハッカソン終了後も、ここで取り組んだことを継続していくことです。今は種蒔きをしている状況ですが、いつか芽を出し、ブレイクスルーする人が出てきてくれるのを、我々は待っています」
学生、企業、自治体、学校、それぞれに刺激を与えるKITハッカソン。ここでの相乗効果が実を結び、まったく新しいビジネスやサービスが生まれる日も、そう遠くはないかもしれない。次回、vol.4は2016年3月に開催される予定となっている。こちらにも注目したい。
(マイナビニュース広告企画:提供 金沢工業大学)
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