テレビ番組では、よく3Dプリンタの話題を取りあげている。最近では、業務用として導入するIT企業やデザイン事務所も増えているようだ。しかし一般の消費者が3Dプリンタをプライベートで見かける機会は、まだまだ少ないと言える。かくいう筆者もこれまで触ったことがなかったが、今回、富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」で販売している「3Dプリンタ 3D Magic Egg」(ムトーエンジニアリング製)を試用する機会を得た。あれこれ試してみたので本稿で紹介していこう。
3Dプリンタが玄関を占領
3D Magic Eggが我が家にやってきたのは、ある暑い日の朝だった。宅急便の配達員が、重そうに運んできて玄関先に置いていったのだ。段ボールで塞がれるうちの玄関。興奮する気持ちを抑えつつ仕事部屋に運び、丁寧に梱包を解いてみた。ムトーエンジニアリングの「3Dプリンタ 3D Magic Egg MF-1150」(以下、MF-1150)は、サイズ500(L)×550(W)×530(H)mm、重量17kgの製品。市販のインクジェットプリンターをひと周り大きくしたようなサイズ感と言えるだろうか。同製品が”大きすぎる”という方は、MF-1150と同じく富士通 WEB MARTで提供している「MF-500 3Dプリンタ VaLue3D MagiX」(以下、MF-500)をチェックしてみるとよいだろう。
ちなみに富士通WEB MARTでは、3Dプリンタ本体を割引で販売する「3Dプリンタキャンペーン 第2弾」を8月19日より開始している。同キャンペーンは、MF-500、MF-1100、「MF-1150 3Dプリンタ 3D Magic Egg(3D図形作成ソフト付)」(MF-1150)の3製品を特別価格で販売するというもの。期間は9月14日午前9時まで。
MF-500は通常価格から7,000円割引の税込82,800円、MF-1100は19,700円割引の税込216,800円、MF-1150は19,300円割引の税込228,000円で提供。さらに3Dプリンタ本体の購入により、フィラメント材料PLA白1本をプレゼントするキャンペーンも実施する。こちらで提供されるフィラメント材料はMF-500用が税抜2,700円相当、MF-1100/MF-1150用が税抜5,000円相当のものとなる。
なお、「価格.com」の8月19日現在の上記3製品の他サイトにおける最安値は、MF-500が80,594円、MF-1100が234,940円、MF-1150が238,000円。本キャンペーンを利用すれば、MF-1100/MF-1150は本体のみで最安、MF-500はプレゼントのフィラメントを含めると最安となるようだ。
実際に使ってみた。使用感はいかに?
ESPRIMO FH77/UD |
それでは、実際にMF-1150を使ってみたい。まずはセットアップとチュートリアルに従い、間違いのないように下準備を進める。取扱説明書によれば、MF-1150はPLA樹脂の純正フィラメント(製品には白色が同梱される)を溶かしながら3Dプリントしていく製品らしい。制御ソフトウェア「Pronterface」、スライサーソフト「Slic3r」はWebから取得。統合型3DCGソフト「Shade 3D Basic」、かんたん3Dモデル作成ソフト「Sunny 3D」はインストールCDが付属されていたので、順番にPCにインストールしていった。なお今回、MF-1150の制御には富士通の23型フルHD液晶を搭載した一体型デスクトップPC「ESPRIMO FH77/UD」を使用している。ハイレゾ音源が再生できるPioneer製ボックススピーカーを搭載した製品。23型のフルHD液晶を搭載しながら、コンパクトなデザインとなっており、2本足の薄型きょう体が特徴的な製品だ。こちらも「富士通 WEB MART」で購入できる。
最初に造ったものは?
3Dプリントを行うには、3Dデータを用意しなければいけない。そこで、まずは付属されていたShade 3D Basicを起動させ、直方体を作成することにした。同ソフトは、国内で最も多くのクリエイターに使われているという3DCG作成ソフトウェア。なるほどUIが分かりやすいので、初心者の筆者でも触るうちにコツが掴めてきた。次にslic3rを起動、データをgcodeという形式に変換した。
さて準備は整った。次はいよいよ3Dプリントだ。Pronterfaceを起動させて3Dデータを送り、MF-1150のヘッドが温まるのを待つ。フィラメントが溶ける185度に達したのを確認してから「プリント」ボタンをクリックすると、果たして3Dプリントが始まった。待つこと約3分。造形テーブルの上には、立派な箸置きが出来ていた。
MF-1150を起動させると、きっと大きな音と振動が起こるのだろうと覚悟していたが、実際はそれほどでもなく、一般的なインクジェットプリンターを使っているときと比べても大差はないように感じられた。仕様によれば消費電力は200Wとのこと。MF-1150の起動時、エアコンで冷房を自動運転させながら、扇風機もつけ、途中で電子レンジも1回使ったが、40アンペアで契約している部屋のブレーカーが落ちることはなかった。
コースターとコップを作成
箸置きの出来の良さに味をしめた筆者は、続いてコースターのプリントに取り組む。Shade 3D Basicでは、任意の文字や文字列を3Dプリントできるらしい。そこで、ひらがなの「あ」という文字を作ってみることにした。20分ほどで完成。手にとってみるとかなりの強度がある。もう少し大きく作れば、鍋敷きとしても使えるかも知れない(※実際は60度までの耐熱とのことなので、鍋敷きには使えないそうだ。残念)。ちなみに、MF-1150の最大造形サイズは200×200×170mmとなっている。
コースターを造ったからには、コップも欲しくなる。そこで、かんたん3Dモデル作成ソフト「Sunny 3D」を使ってデザインしてみた。同ソフトはWindowsアクセサリとしてPCにプリインされているお絵かきソフト「ペイント」に似たUIのツールで、自由に3D造形物をデザインできるスグレモノ。回転体なども簡単に作成できるので、お椀やコップを造るときに重宝する。
3Dデータを作成した後は、先ほどと同じ手順をふむ。すなわちPronterfaceに3Dデータを送ると、プリントの完了まで24分かかると表示された。じっと待つこと24分、小ぶりなコップが完成。出来上がりサイズをよく確認していなかったため、予定よりも小さくなってしまったが、水を入れてもこぼれないコップができることは確認できた。
3Dプリンタ雑感
MF-1150の使用中、たまに失敗することがあった。失敗の原因は、主に2つある。ひとつは、前述のように出来上がりのサイズをよく確認しなかったことによるもの。予想より小さく出来てしまったケースが何度もあり、逆に大きすぎて3Dプリンタがエラーを起こしたこともあった。原因のふたつめは、3Dプリントの最中に造形物が造形テーブルから剥がれたことによるもの。造形テーブル上に埃などが付着していると、この失敗が起こりやすいようだ。
今回、3Dプリントには同梱される白色のフィラメントを使用したが、富士通WEB MARTには他の色も用意されている。全部で10色(白、赤、黒、青、黄、蛍光緑、蛍光オレンジ、透明、灰色、透明赤)あり、価格は各5,400円(税込)。同じ造形物でも、色が変われば印象は様変わりすることだろう。今回は時間がなかったが、できた造形物を塗装したり、やすりで研磨したりしても面白い作品ができそうだ。
ちなみに海外には、3Dプリンタの愛好家が思い思いに3Dデータをアップロードしているサイトが存在する。著作権などを考慮し、本稿では紹介しないが、iPhoneケース、フィギュア、PCの周辺機器に利用できる小物など、サイトには様々なジャンルの3Dデータがアップされており、個人が自由にダウンロードして使用できる。筆者もいくつか試してみたが、完成度の高い作品も複数あり、大いに興味を惹かれた。
これまで、”ひと握りの人が使うモノ”というイメージが強かった3Dプリンタだが、最近では一般の消費者に向けた製品もラインナップが増えてきた。ムトーエンジニアリングの3Dプリンタ 3D Magic Egg MF-1150は、国内メーカーならではの製品の信頼感に加え、日本人スタッフによるサポート窓口が利用できるのが大きなメリット。3Dプリンタに初挑戦する人にとって、安心できる製品となっている。
この先、一般家庭の生活必需品として3Dプリンタが普及する日はやってくるだろうか。MF-1150を使いながら、そんな近未来に思いを馳せた。
(マイナビニュース広告企画:提供 富士通)
[PR]提供:富士通