夏休み真っ最中の今、スカパー!では、昭和・平成の様々な仮面ライダーの映画やTVシリーズをあつかう「仮面ライダー特集」が放送中。
悪を倒す仮面ライダーの必殺技というと、みなさんは何を思い浮かべるだろうか? ライダーキック? ライダーパンチ? 中にはサイクロンアタックやロイヤルストレートフラッシュ、プロミネンスドロップなど、変化球な"技"もあり、仮面ライダーそれぞれが実に多彩な必殺技を持っている。
ところで皆さんはライダーによって、さまざまなバリエーションがあることをご存じだろうか? 実はライダーによってキックに入る前のポーズや蹴り方が微妙に違うのだ。なんのためにそんなポーズを取るのだろうか? それによってダメージに大きな違いがあるのだろうか?
今回はそんなライダーキックの謎を知りたいというマイナビ読者のために、スタントマンに歴代仮面ライダーの必殺技を実演してもらい、どの必殺技が一番強いのか、検証してみることにした。マイナビニュース初の死者が出てしまうかもしれない、かつてない危険な検証である。皆さん、心して見ていただきたい!
プロのスーツアクターがチャレンジ!
今回ご協力いただいたのはアクションやアクロバット、ダンスの練習に特化し、本格アクションスクールなども開設しているスタジオBOSの下川真矢さんと安永晃さん。
スタントマンとしてドラマや映画の吹き替えはもちろん、「仮面ライダー」をはじめとする特撮もの全般に参加しているという、いわばスーツアクターのスペシャリストである。
「かっこよく魅せる、痛そうに魅せる……リアルに近づけていくっていうのは当たり前なんですけど、怪我をしないっていうことが一番大事(笑)。より安全によりハードに魅せることを心がけています」と、スタントマンとしての心得を話してくださった下川さん。今回の検証に関しては「だれもが知っているライダーキックの強さ、そして昭和と平成ライダーの微妙な違いを魅せられれば」と語る。
そして今回、技を受ける側の安永さん曰く、「ライダーキックを直に受けることってなかなかないので、どれが一番激しいのか興味がありますね。今回は怪我をしないように蹴られたいと思います(笑)」と今回の意気込みを語ってくれた。
それでは早速検証を開始しよう。今回検証対象となるのは、マイナビ編集部が独断と偏見で選んだ、以下のライダーキックである。
・仮面ライダー1号(1971年) | ライダーキック |
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・仮面ライダーストロンガー(1975年) | ストロンガー電キック |
・仮面ライダーBLACK(1987年) | ライダーキック |
・仮面ライダークウガ(2000年) | マイティキック |
・仮面ライダーアギト(2001年) | ライダーキック |
・仮面ライダーカブト(2006年) | ライダーキック |
前半を昭和ライダー、後半を平成ライダーと位置づけ、それぞれのライダーキックを実演。蹴る側を下川さん、蹴られる側を安永さんが担当し、それぞれの威力を検証する。
昭和ライダーのキックのポイントとは?
それでは早速、昭和ライダーのライダーキックから検証していこう。
昭和の3ライダーの過酷なライダーキック検証が終了した。下川さんによると、一番難しかったのはストロンガー電キック。
「空中で1回転して、止まって蹴るのは物理的に無理」だという。仮面ライダーシリーズの戦闘シーンは細かなカット割りで構成されており、一回転してキックをしたらかっこいいし、見栄えするのではないだろうか? という制作サイドの思いつきで完成したと思われ、実戦では使用不可能だということを付け加えておきたい。
またその威力に関しても安永さんによると、「逃げ場がない、予期できない蹴りで、かかと落としのようになっている。本気で蹴られたらストロンガー電キックが一番痛そうですね」。ということで、昭和ライダーキックのNo. 1は仮面ライダーストロンガーのストロンガー電キックに軍配が上がった!
ちなみ読者諸氏は1号ライダーキックとBLACKライダーキックの違いが分かったであろうか? "キングストーンエネルギー"を用意できなかったので違いは分かりにくかったかもしれないが、下川さんによれば、1号ライダーキックは「スポ根ブームの影響で格闘技に徹した」もので、BLACKライダーキックは「足先にキングストーンエネルギーを集中させて繰り出す跳び蹴り」となっているそうだ。
それぞれのポイントについては「ただ単に飛んで蹴っているのが1号ライダーキック。蹴った勢いで身体が回転してしまうのがポイントです。BLACKはライダーキックとしての見栄えの美しさが考え抜かれた、キレイな飛び蹴りなんです」とのこと。
なるほど! キングストーンエネルギーがなくとも、あの美しいライダーキックが生まれるとは……明快なお答えをいただいて納得である。