いまや若年層からシニアまで、幅広い層に認知されるようになった"格安SIM"(格安スマホ)。しかし、格安SIMに興味を持っているものの、「自分に使いこなせるだろうか?」と不安を感じている人も多いかもしれない。

今回、格安SIMへの乗り換えを決心したが、基本的な知識を一切知らないという女性に対し、"格安SIMのベテラン"を自称する男性が、格安SIMの基本から使い方までを手ほどきする場面に立ち会ったので、その模様をお届けしよう。

格安SIM初心者の女子に"ベテラン"男子が手ほどき

格安SIMのベテラン(自称)Bさんと、格安SIMに乗り換える予定のH子さん

まずは、本稿の登場人物を紹介しよう。今回、格安SIMの手ほどきをすることになったのは、都内在住の男性会社員、Bさん。"格安SIM"という言葉が流行りだす以前からデータ通信専用SIMを使い始め、格安SIM歴は約4年。さらに、1年前からは、メインのスマートフォンでも格安の音声SIMに乗り換え、日頃から格安SIMを使いこなしているという。

一方、格安SIMに興味を持ち、乗り換えを決心したのは、Bさんの同僚であるH子さん。2年前にフィーチャーフォンからAndroidスマートフォンに乗り換え、「そろそろ機種変更しようかな」と考えていたところ、「格安SIMにすればスマートフォンの月額料金が安くなるらしい」という話を聞くとともに、キャリアの利用料金が高いことを改めて実感。そこで、社内でも格安SIMに詳しいと噂のBさんに相談を持ちかけた。

格安SIMがどんなものなのか、まだよく分からないというH子さんは、Bさんに疑問をぶつける。

「そもそも、格安SIMって何? キャリアとは何が違うの?」

H子さんは次々とBさんに質問をぶつける

この質問に対し、Bさんはまず"SIMカード"について説明する。SIMカードとは、電話番号などの情報が書き込まれた小型のICカードで、このSIMカードをスマートフォンに装着することで、音声通話やデータ通信ができ、インターネットやメール、LINEやTwitterといったアプリが利用可能になる。

格安SIMは、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる事業者が提供しているSIMカードのことで、キャリアよりも料金が割安なことが特徴。MVNO各社は、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクといったキャリアの移動体通信網を借りて通信サービスを提供しているので、格安SIMの利用エリアはキャリアと同様。

つまり、キャリアと同等の通信サービスを低料金で利用できるのが格安SIMであり、なおかつMVNO各社のさまざまなバリエーションのプランから自分に合ったものを選べるのがメリットだ。

「格安SIMにデメリットはないの?」

H子さんの質問に対し、Bさんは「一番のデメリットはキャリアメールが使えないこと」だと解説する。格安SIMはキャリアのサービスではないため、「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」といったキャリアメールは利用できない。とはいえ、普段からLINEやGmailを活用している人であれば、キャリアメールが使えなくても、あまり影響はないのではないだろう。

ただし、プランによって月間の通信容量や通信速度が異なる場合があるので、プラン選定時には注意したい。

「スマートフォンは新たに購入する必要がある?」

格安SIMについて、同僚のH子さんに教える会社員Bさん

次々と質問するH子さん。Bさんは「場合によっては、いま使っている端末のまま、格安SIMに乗り換えることができる」と説明。たとえば、ドコモのネットワークを利用する格安SIMであれば、ドコモのスマートフォンで利用することが可能。

もちろん、"SIMフリースマートフォン"と呼ばれるキャリアのロックがかかっていない端末でも格安SIMを利用でき、SIMフリースマートフォンと格安SIMをセットで販売しているMVNOも多い。端末代金を分割払いできるMVNOもあるので、初期費用を抑えつつ端末を新調したいのであれば、MVNOでセット購入するのがおすすめだ、とBさん。