インテルが発売している超小型PCフォームファクター「Next Unit of Computing」、通称「NUC(ナック)」。101.6mm四方の小型マザーボードを中心として、高さ5cm~10cm程度の小型筐体で構成されながらも、Intel CoreプロセッサというパワフルなCPUを利用できるのが特徴だ。ユニットコム 法人営業部(パソコン工房)では、いまこのNUCを業務用PCとしてさまざまな分野に提案している。
その一例が京都府にある「医療法人 桜花会 醍醐病院」だ。醍醐病院では、この「NUC」を医療現場のPCとして全面的に導入しているという。数あるPCの中からNUCを選択した理由はどのような点にあるのだろうか。総務部・副部長の山崎氏、および総務課の藤木氏にお話を伺った。
醍醐病院においてPCの活用・管理を業務としているお二人。しかし、実はお二人ともシステムとは縁のない、事務系職員として醍醐病院に就職されたのだという。
醍醐病院で行っている精神医療について
マイナビニュース:醍醐病院はどのような病院なのでしょうか、詳しくお聞かせください
山崎徹氏(以下、山崎氏):醍醐病院は、精神科・心療内科・神経科・内科を専門として診療を行っている病院です。病床数は301床となり、医師やコ・メディカルスタッフなど230人が従事しております。開設は昭和32年ですので大変歴史のある病院なのですが、精神科のイメージを変える明るい空間を目指して、平成21年に新たな病棟を開設しました。
精神科といえばさまざまな事件などを耳にすることがあるかと思いますが、当院では早めにキチっと治療をして、地域でフォローを行うという体制を目指しています。作業療法、訪問看護、デイケアなどを重視し、入院よりも外来に力を入れている点が特徴ですね。京都は精神医療発祥の地ですから精神科の病院は多いのですが、それでもやはり精神科は足りておらず、特に救急・急性期病院は慢性的に不足気味です。このような現状に対応するため、当院も急性期外来を中心に診療を行えるような形にシフトしていくことになると思います。
また当院の名誉院長は他ではあまり行っていない、慢性離人症の治療に力を入れていて、東京など遠隔地から治療に訪れる患者さんも徐々に増えています。
醍醐病院におけるPCの用途とは?
マイナビニュース:醍醐病院ではどのような用途にPCを使用しているのでしょうか?
山崎氏:日常の医療全般で使用していますが、もっとも重要な役割は電子カルテの閲覧でしょうね。当院は、恐らく京都の中でもかなり早期にカルテの電子化に取り組んだ病院です。他の医療関係者の方などが見学に来られたこともありますよ。
精神科は治療が長期化するケースも多いため、カルテを長期間保存しなくてはいけません。そういった過去のカルテを効率的に参照するには、電子化が必須と考えました。何年もかかりましたが、保存されていた過去のカルテも電子化が完了しております。このように電子カルテを全面的に採用していますので、メディカル、コメディカルスタッフは全員PCを使わざるを得ません。つまり、ほぼ全員がPCを使用することになります。
マイナビニュース:スタッフの皆さんのPCスキルはどれくらいですか?
山崎氏:ピンからキリまでいますね。「バージョンアップを行うので、業務終了後、PCの電源を切っておいてください」とお願いしていたのですが、ディスプレイの電源をポチッと押すだけになっていて、更新が一度に終わらなかった、なんて話もあります(笑)。電子カルテを導入する以上、スタッフは必ずPCに触れなくてはいけないのですが、導入当初はマウスの操作もおぼつかない看護師さんなども沢山いました。それでも使えなければ仕事になりませんので、講習を行ったりしてスキルを高めてきました。いまでも相互に教え合いながら、スキルを高めているようですよ。
精神医療を専門として、先進的な医療体制を築いている醍醐病院。次ページでは、醍醐病院がユニットコム 法人営業部からNUCを導入した理由について伺ってみよう。