ワイモバイルは9月より、SIMカード単体の提供を開始している。同社がスマートフォン向けに提供する「スマホプラン S/M/L」を、SIMフリー端末やSIMロックを解除した他社スマートフォンで利用できるというもので、手持ちの端末を格安な料金で運用することが可能だ。

料金プランは月額基本使用料が2,980円の「スマホプランS」(データ容量1GB)、3,980円の「スマホプランM」(3GB)、5,980円の「スマホプランL」(7GB)。基本使用料の中に「国内通話定額」「Web接続料」「パケット定額料」がすべて含まれており、1回10分以内の通話が月300回まで利用できる点が特徴だ。

本稿では、実際にワイモバイルのSIMカードを各種端末で試し、どの機能・サービスが利用できるかを検証しつつ、使い勝手を確認していきたい。今回は、ASUS製のSIMフリースマートフォン「ZenFone 5」にワイモバイルのSIMカードを装着して試した。

ワイモバイルのSIMカード(左)と「ZenFone 5」

「ZenFone 5」でワイモバイルの音声SIMを試す!

ZenFone 5は、ASUS製のSIMフリーAndroidスマートフォン。画面サイズは5.0インチで、OSはAndroid 4.4(KitKat)を採用。背面が丸みを帯びたラウンドデザインになっており、大画面ならが持ちやすいのが特徴。また、直感的に操作できる「ASUS ZenUI」や、日本語入力システム「ATOK」を標準搭載している。

ワイモバイルのSIMを利用するための設定手順

それでは早速、ワイモバイルのSIMカードを利用するための設定手順などを見ていこう。ZenFone 5で利用できるSIMカードの種類はmicroSIMとなり、背面のカバーを取り外して装着可能。再びカバーを付ければセットは完了だ。

ZenFone 5の背面。丸みを帯びた持ちやすいデザインが特徴

背面のカバーを取り外して、SIMカードを装着する

SIMカードの装着後、端末を起動してしばらく経つと、自動的にワイモバイルの電波を捕捉し、ステータスバーに電波強度を示すアンテナが表示される。この時点で音声通話やSMSは、すでに利用可能だが、LTE/3Gのデータ通信を利用するには、APN(アクセスポイント名)の設定が必要だ。

APNの設定については、MVNOサービスを利用する場合と同様だが、Androidの設定画面を表示して設定を行う。[無線とネットワーク]項目の[その他…]から[モバイルネットワーク]→[アクセスポイント名]と進んで、APN画面右上の[+]ボタンボタンをタップして、新規APNを作成しよう。

ワイモバイルのAPN情報は、同社のWebサイトでも確認できる。任意の名前を入力した上で、"APN"に「plus.acs.jp」、"ユーザー名"および"パスワード"に「ym」を入力し、画面右上のメニューから設定を保存する。

Androidの設定画面の[その他…]からAPNを設定しよう

[モバイルネットワーク]→[アクセスポイント名]と進んで、APN画面を表示しよう

APN画面に戻り、作成したワイモバイルのAPNを選択すれば設定は完了だ。すると、画面上部のステータスバーでは、アンテナの左側に"4G"または"3G"、"H"などと表示され、データ通信が可能になったことを確認できる。

APNを新規作成し、ワイモバイルのAPN情報を入力して保存する

APN画面に戻り、作成したワイモバイルのAPNを選択すれば設定は完了

通話/データ通信ともに利用可能。テザリングにも対応

ここからは、ワイモバイルのSIMカードを装着したZenFone 5で利用できた機能について紹介していきたい。

ワイモバイルのSIMカードでの各種機能の利用可否

■ ZenFone 5(ASUS製)
SIM OS 通話 SMS メール LTE Web LINE Yahoo!アプリ
microSIM Android 4.4

まず、音声通話は問題なく利用でき、1回10分以内で月300回まで無料で通話可能なワイモバイルのメリットを活かせることを確認できた。また、SMSも利用可能だった。

音声通話は発信、受信ともに利用可能

SMSの送受信も可能だった

また、データ通信では、ステータスバーの"4G"表示により、LTEで通信していることを確認できた。なお、ZenFone 5では、ソフトバンクの3Gのほか、ソフトバンクの2.1GHz帯LTE、旧イー・モバイルの1.7GHz帯LTEに対応する。

テザリングは、設定画面から[その他]→[テザリング]と進んで利用できる

端末をモバイルルーターのように使えるテザリングも利用可能だった

また、"テザリング"も利用できた。テザリングにより、端末をモバイルルーターのように使って、パソコンなどからインターネットにアクセスすることが可能だ。

このほか、Webブラウザを使ったWebサイトの閲覧、Gmailや「Y!mobile メール」などのメールも利用できたほか、LINEや「Yahoo! JAPAN」などのアプリも問題なく利用可能だった。

Webブラウザを使ったWebサイトの閲覧も可能

Gmailなどのメールも利用できる

LINEの登録や利用も問題なく行える

「Yahoo! JAPAN」アプリも快適に利用できた

最後に、ワイモバイルのSIMカードを装着したZenFone 5でスピードテストを実施した。都内にある筆者の事務所にて、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用し、計5回の計測を行ったところ、平均通信速度は下り39.05Mbps/上り11.18Mbpsだった。下り平均速度が40Mbps近くと高速だったほか、上り平均速度も10Mbps以上となり、快適に通信できることを確認できた。

通信速度は下り平均39.05Mbpsを記録。最高速度は下り43.45Mbpsだった

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