ドキュメントスキャナーが実際の業務においてどれほど役に立つのか、気になる人も多いだろう。業種や職種によっては、活用方法が異なる場合もあるはずだ。そこでマイナビニュースで募集した8名の読者モニターの方々にキヤノン製ドキュメントスキャナー「imageFORMULA」シリーズの「DR-C225W」と「DR-P208II」を実際に使っていただき、使い勝手やどのように活用したのかをうかがった。

第1回では、私立中学校で教師を務めるOさんに「DR-C225W」を使っていただいたので、その感想をお届けする。

毎分50ページ(両面取り込み時)の高速スキャンが可能な据置型ドキュメントスキャナー「imageFORMULA DR-C225W」

ドキュメントスキャナーで溜まった資料を整理整頓

Oさんは都内の私立中学で教鞭をとる理科教師だ。全国の私立学校は少子化の影響から厳しい経営環境にあり、Oさんの学校でも相当な危機感を持っているという。そのような中で魅力的な学習環境をつくり上げるため、教師が研修会に参加する回数を増やしたり、生徒が使う小テストや補助教材の量を増やし、まずは教育の質の向上を目指しているとのこと。おかげでここ数年、研修会で配布される資料やテスト用紙などで紙資料の量が飛躍的に多くなったらしい。

「うちの学校は、教師用のロッカーが小さくて(笑)。だから机の上や引き出しに、資料を保管しておくしかないんですよ。おかげで、どの先生の机の上もギュウギュウ詰めです」

Oさんが日常的に管理する資料は、授業で使うテストや教材が中心。このほか保護者へのプリントや自分用の研修資料なども含まれるという。担当する生徒の数はおよそ200人。テストの時期ともなると、机の上が大変なことになるそうだ。

そんなOさんがDR-C225Wを実際に職場で使ってみたところ、机の上の資料を劇的に減らすことができたとのこと。もしかしたら必要になるかもと念のために残していた数年前のプリントなど、処分したくてもできなかった資料がかなり減ったらしい。

今まで、職員向けに配られたプリントなどはなかなか捨てることができずファイリングして保管していたが、今回それらをDR-C225Wでスキャンし、プリントは思い切って捨ててしまったという。そのほか、キーワード検索機能も活用しているとのこと。「過去のプリントを調べるのも、だいぶ楽になりましたよ。最近では前回の体育祭のお知らせを確認したんですが、キーワードで検索したら一瞬でした。去年はまず、どのバインダーにしまったのかを確認してましたね。これかな? と思ったら"インフルエンザに注意"のお知らせだったりして(笑)」

さらには研修で使った小冊子や書籍などもデジタル化したことで、身の回りの資料をスッキリ整理できたようだ。学校には裁断機があるため、仕事で使う書籍資料を手軽に自炊(書籍を裁断してスキャナーで取り込み、自分で電子データ化すること)できるという。※学校やその他の教育機関で教員や学習者が教材作成などを行う場合、著作物を複製利用することができる(著作権法第35条)

「スキャナー本体がコンパクトなのもいいですよね。特に"ラウンドスキャン"で紙が上方向に戻ってくるので、設置スペースが小さくてすむのが便利です」

Oさんの机があまりにもキレイに整理されたため、同僚の教師や事務職員がその理由を尋ねにきたらしい。そこでDR-C225Wを紹介したところ、そのうちの1人が購入して、やはり職場で利用しているとのこと。スキャンした資料を共有することで、やり取りがスムーズにできるようになったと語る。

「いずれは学校全体に、資料のデジタル管理を導入してほしいですね。紙で残さなければならない資料もありますが、個々の教師の効率は飛躍的に向上すると思いますよ」

スキャナーとタブレットで効率的・魅力的な授業を

さらにOさんは、DR-C225Wとタブレットを活用し、授業での発表もデジタル化したという。スキャナーで取り込んだ資料をタブレットへ転送し、授業でそのタブレットを教室にある大型テレビに接続。生徒が研究内容を発表する際、手元のタブレットでページを移動したり、はっきり見せたい部分を簡単に拡大表示できるようになったとのことだ。タブレットを使うことで手順がスムーズになっただけでなく、生徒が興味を持って授業に取り組むようになったらしい。

「読み取り速度が速いので、作業時間はそれほどかかりませんでしたよ。あと、一度に複数枚の原稿をセットしても、一枚一枚スキャンされ、途中でつまることがなかったのもスゴイと思いました」

DR-C225Wがあれば、授業で使う資料のデジタル化も進められるとOさんは語る。現在、政府の成長戦略のひとつとして教育現場のIT環境整備が挙げられ、一例として国は2020年までに小中学校の生徒ひとりにつき1台のタブレット端末を導入する目標を掲げている。より魅力的な学習環境を提供したい私立学校は、公立の学校に比べていち早くタブレットを導入することになるだろう。だがデジタルの教科書や教材が充実してくるのはこれからで、現在はまだ十分な環境にあるとは言えない。そんなときに、実績ある過去の資料をデジタル化できるDR-C225Wが活きてくるのだと言う。

「教室で使うタブレットの数が増えれば、スキャンしたレポートを個々の生徒が確認したり、グループディスカッションで資料を探したり、それを発表するのにも使えますよね」とOさん。彼女の今後の目標は、ドキュメントスキャナーを含めたIT機器全般(電子黒板やプロジェクターなど)を活用できるようになることらしい。教育現場へのIT導入が加速するのは必須で、それについていくためだと言う。DR-C225Wを使って身の回りの書類を整理できただけでなく、仕事に対する意識にも変化があったようだ。

「生徒はすぐ最新技術に適応しますからね。教師は置いていかれないように、がんばらないと(笑)」

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