ビジネス現場における会議やプレゼンテーションはもちろん、教育現場でも大きなニーズのあるプロジェクター。ベンキュージャパンではこれらの需要を満たすべく、プロジェクターを中心とした教育現場向けのソリューションを提供している(過去、こちらの記事でもその有用性や設定方法について触れているので参考にしてほしい)。今回は、さまざまなデジタルコンテンツを学べるデジタルハリウッド大学の協力のもと、ベンキュージャパンが提供する教育向けソリューションのひとつであるプロジェクター「MW853UST」と、オプションの電子黒板キット「PointWrite PW01U」を試用し講義を行っていただいた。教育現場に向けてソリューションの導入を検討する読者には、ぜひ注目いただきたい。
ベンキュージャパンが提供する教育向けソリューションのひとつである、プロジェクター「MW853UST」(写真左)と、電子黒板キット「PointWrite PW01U」(写真右) |
デジタルハリウッド大学が、プロジェクターに求める要件とは
さっそく講義の模様をお届けしたいところだが、その前に今回協力をいただいたデジタルハリウッド大学 学長の杉山知之(工学博士)氏に、同校がプロジェクターに求める要件について伺ったので、まずはそれをレポートしていこう。
「昨今の教育現場では、学内の教室だけでなく、初めて訪れる会場でプレゼンテーションをしたり、成果物を発表する場として個展を開くなど、プロジェクターの利用機会が非常に増えています。しかし、現地でいざプレゼンテーションを始めようとした際に故障で画面が映らない、ノートPCやタブレットなど手持ちのデバイスに対応していない、といったケースも少なくありません。主催者側で予備のプロジェクターを用意していない場合も多いものです。こうしたトラブルが怖いので、中には個人所有の小型プロジェクターを持ち歩いている人もいます」と語る杉山氏。同校では、学内所有のプロジェクターを学生に貸し出すことも多いそうだ。しかし、コンパクトモデルの難点は大きな画面サイズで投影ができず、画面サイズを大きくしようと投影距離を伸ばせば映像がぼやけて暗くなってしまう。また、小さな会場で個展などを行う場合、思い通りの空間デザインができないのも問題だ。
さらに教育現場では、プレゼンテーションに加えて、研究員が指導しながらホワイトボードに描き込んだり、ディスカッションする機会も非常に多いという。「ホワイトボードでは面積が限られる上に、保存する場合はデジタルカメラやスマートフォンでの写真撮影が基本となります」と、杉山氏は少しばかりの不満も漏らす。
教育現場においては、安定的に動作し、いかに講演者の表現をサポートするか。また、ディスカッションといった場面でどのように寄与するか、以上がプロジェクターに求められる要件といえる。
「MW853UST」でプレゼンテーションを実施
これらの要件を受けて、今回は実際にデジタルハリウッド大学の「杉山知之ゼミ」のゼミ生、大学院「杉山知之研究室」の研究員たちがベンキュージャパンのプロジェクターでプレゼンテーションを実施。その後、電子黒板キットを使いディスカッションするという形式で行われた。前半部では安定的に動作し、いかに講演者の表現をサポートするのかを。また、後半ではディスカッションの際の寄与について、細かくみていきたい。まずはプレゼンテーションの様子について、4名の講演をレポートしていこう。
インターネット選挙運動を独自視点で分析 - 高橋伸太郎氏
New Media Technology 代表であり、デジタルハリウッド大学大学院「杉山知之研究室」研究員の高橋伸太郎氏は「公職選挙法におけるインターネット選挙運動の規制」というプレゼンテーションを行った。同氏は、2013年の公職選挙法改正でインターネット選挙運動が解禁されたことを受け、その現状と課題を独自の視点で分析。デジタル社会におけるイノベーションとのバランスが難しいながらも、政治家や有権者の意識改革を進めるにはインターネット選挙運動の推進が必要だと結論付けた。
日本が誇るマンガ文化を世界へ伝える「Manga Tree」
同大学「杉山知之ゼミ」所属4年生の鈴木美香氏は、現在開発を進めているサービス「Manga Tree」に関するプレゼンテーションを行った。このManga Treeは、日本が誇るマンガ文化を世界の人々にもっと知ってもらいたいという想いから生まれたもの。作者によるマンガのアップロードやアプリ経由での閲覧に加え、創作活動のモチベーションを上げる作品の評価システム、言語の違いに起因する微妙なニュアンスの差を埋める工夫として読者による翻訳システムなどを備えている。現在はまだ招待制のα版だが、10月20日頃を目処にβ版をリリースする予定だ。
なお、iPadを接続した講演だったが、HDMIでプロジェクターへ接続する事ですぐに画面が投射され、製品の安定性がみてとれた。
結婚式や披露宴で双方向コミュニケーションを実現する「ブライダルライブ」
続いては研究員の谷川正継氏が、藝術結社シナプスとして提供しているサービス「ブライダルライブ」を紹介した。結婚式や披露宴の様子をインターネット経由で配信し、リアルタイムに「アクションスタンプ」や「祝コメント」などが集められるサービスだという。SNSを用いた双方向のコミュニケーションにより、列席できなかった多くの人々が参加できるほか、ブライダルの新しい演出としても効果がある。プロジェクターが必須のサービスになるため、わずか34cmの距離で87インチの大画面が投写可能なMW853USTにも大きな興味を示していた。
産学連携の「4K高精細映像収録プロジェクト」
最後に登場したのは、モード・ファクトリー・ドット・コム Digital Contents Planner/代表であり、研究員でもある平田元吉氏だ。同氏は、デジタルハリウッド大学 メディアサイエンス研究所とパナソニックの産学連携で行っている「4K高精細映像収録プロジェクト」の進捗報告を行った。同プロジェクトは、4K動画撮影が可能なパナソニック製ミラーレス一眼カメラ「LUMIX DMC-GH4」(以下GH4)を用いて、その活用研究や映像表現の制作・配信実験などを行うものであり、3月開催の「ファッションウィーク東京」をはじめ、6月には伊・フィレンツェで開催された世界最大規模のメンズファッションイベント「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ・イマージネ・ウオモ)」の様子を収録したビデオなどを紹介した。MW853USTの解像度は1280×800だが、実際にLUMIX GH4で撮影した4K映像を再生したところ、非常に高精細な映像表現に参加者一同驚かされていた。これは、表示する解像度が下がっても、映像ソースの解像度が高ければ一定以上のクオリティを維持できるためであり、平田氏は「このボディサイズとこの投影距離でこの表現ができることは素晴らしいですね。欲をいえば、4K映像に対応したプロジェクターがあればもっと最高ですね」と語った。
ディスカッションに適した"描けるプロジェクター"
4名のプレゼンテーションの模様をお届けしたが、いかがだっただろうか。動作の安定性や、講演者の表現へのサポート部分について、MW853USTの製品としてのクオリティの高さが表れていたように思う。ここからは、平田氏との打ち合わせのためデジタルハリウッド大学を訪れていた、Etw. Vonneguet(エトヴァス・ボネゲ)代表でありファッションデザイナーのOlga氏も急遽参加のうえ、ディスカッションの模様をお届けしたい。
Olga氏はファッションデザイナーという職業柄からか、PointWrite PW01Uを使った"描けるプロジェクター"に大きな興味を示し、プレゼンテーションの後にそのままディスカッションへと移行した。
Etw. Vonneguet(エトヴァス・ボネゲ)代表でありファッションデザイナーのOlga氏。投射された画面上でデザインも描ける「PointWrite PW01U」で、すぐさま壁に思い思いのデザインを描く(写真右) |
今回のディスカッションでは、Olga氏の描いたデザインについてだけでなく、ベンキュージャパンが提供する教育向けソリューションを実際に体感し、その使い勝手などもテーマに進めてもらった。それぞれ自由にペンで文字や絵を描いていたが、「予想以上に細かい描き込みもできる」「資料に直接描けるのはユニーク」「スクリーンや映像の録画ができるのが便利」など、いずれも反応は上々。従来のプロジェクターでは投影したプレゼンテーション資料をレーザーポインターなどで指し示す程度だったが、強調したい部分に文字や絵を描き込んだり、別途ホワイトボードを用意することなくディスカッションが行えることに新鮮さを感じるという意見が多かった。また、性能や機能面に関する質問が数多く出てくるあたりは、さすがデジタルコンテンツを専攻するデジタルハリウッド大学の学生・研究員ならではともいえる。
「現状でも非常に優れた製品」と評価
プレゼンテーションとディスカッションを終えたあと、ふたたび杉山学長へ話を伺った。まず、安定性や表現への寄与の面について、「モバイルタイプのモデルではありませんが持ち運びも可能な範囲ですし、なによりこの本体サイズでこれだけ投影距離が近いのは嬉しい限りです。欲を言えば、オプションでキャリングケースなどがラインアップされていると最高ですね」と語った。電子黒板キットのPointWrite PW01Uについても、「このPointWrite PW01Uを使えば、描いた内容をそのままデジタルデータとして保存できますし、ホワイトボードを移動する手間も省けます。ホワイトボード機能だけでなく、プレゼンテーション中に描き込めるのもいいですね」と高く評価をした。投影できる壁さえあれば使える点にも評価し、たとえばホワイトボードを常設していないような学外の喫茶店やレストランで、プレゼンテーション・ディスカッション大会を開催する、といった需要にも対応できるだろうとも加えた。
最後に杉山氏は「現状でも非常に優れた製品ですが、今後さらなるブラッシュアップの期待を込めていえば、高解像度化とデザインバリエーションの拡充をしてほしいです。最近ではノートPCでもフルHDが一般化してきたので、プロジェクターもフルHD対応がベストです。デザインについては、昔から"いかにも業務用"という雰囲気の製品が多いため、もう少し親しみやすいデザインや選択色が増えると、より多くのシーンで活用しやすくなると思います」と、日々プロジェクターを使用している立場から要望を語ってくれた。
今回はデジタルハリウッド大学で、ベンキュージャパンが提供する教育向けソリューションを試してもらった。MW853USTの短い投影距離や、PointWrite PW01Uを使った描き込みなど、その実力は普段からデジタルコンテンツに触れる機会が多い同校の学生や研究員にも魅力的に映ったようだ。これから教育設備を整えたい、現在の設備を変えたいという教育機関や企業の方は、ぜひ参考にしていただきたい。
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