「FX」(Foreign eXchange=外国為替証拠金取引)と聞くと、いまだに「怖い」「難しい」というイメージを持つ人が多い。アンケート(マイナビ調べ)によると、投資に興味があると答えたのは80%に対し、実際に取引をしているのは36%だった。やってみたい気持ちはあるものの、一歩踏み出せない人が大半のようだ。そこで、FX取引サービスを提供する外為ファイネスト株式会社・代表取締役の石野由美子さん、FX事業部の周亜萍さん、高山裕可さんの3人に、FXの現状と魅力、ほかの投資に対するアドバンテージ、さらには簡単にFX投資ができる取引ツールなどについてお話をうかがった。
「24時間取引可能なのがFXのメリットといえます」
マイナビニュース(以下、MN):FXと聞くとどうしても尻込みする声をよく聞きます。名前は知っていても、実態がどういうものか知らない人が多いのでしょう。そもそもFXとは何なのか、また、これから投資を始めたいという人が、株式や先物取引ではなくFXを選んだほうがいい理由も教えてください。
石野由美子さん(以下、石野さん):FXは、外国為替市場で行う取引です。簡単にいえば、ドルと円など異なる通貨を売り買いし利益を得ようというものです。FXのメリットとして挙げられるのは、まず、何といっても「24時間取引可能」というところでしょう。オンライン環境があれば、月曜の朝から土曜の朝までの間、いつでもどこでも取引できます。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットで取引できるのも便利な点ですね。
高山裕可さん(以下、高山さん):24時間取引可能ということは、ほかの商品に比べてチャンスも多いということだと思います。株の場合は取引時間が日中に限られています。夜間に発注することもできるのですが、リアルタイムでは約定しません。翌朝まで待たないと取引が成立しないわけです。
周亜萍さん(以下、周さん):株は昼間しかできないので、朝イチで注文を出しても、その注文がどう動くかけっこう気になりますよね。会社員の方は仕事中にスマホで逐一チェックしたくなるかもしれません。でもFXは夜間に取引できるので、帰宅後に集中して投資することもできますから、会社員の方にも向いています。むしろ、日本の夜間はニューヨーク市場が開いている時間帯ですから、取引量が増え、値段も動きやすくなっています。帰宅後の時間を投資に充てられるメリットは大きいでしょう。
石野さん:「レバレッジ」という仕組みも特徴的です。聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、レバレッジとはテコという意味で、文字通り少ない力で重いものを持ち上げられる、つまり少ない資金で多額の取引を可能にするものですね。
MN:例えば1万円の資金で100万円分の投資ができる! というようなものでしょうか? レバレッジ=ハイリスクというイメージを持つ人も多いと推測しますが。
石野さん:FXが怖い、レバレッジがハイリスクというのはもう昔の話です。かつては法律が整備されていなかったため、たしかに1万円の資金で500万、1,000万円といった投資を行うことができた時代もありました。でも2011年8月の法改正によって個人投資家のレバレッジは最大25倍になっています。損失額が増えると自動的に取引が止まるシステムも用意されていますから、FX=ギャンブルのイメージはもう払拭されたと断言していいでしょう。
MN:仮に失敗しても、虎の子の資金を大損することはないということですね。それは安心です。
高山さん:ほかにもFXには、投資対象の選択肢が少ないので選びやすい、通貨の買いだけでなく売りから始めることもできる、手数料が安い、100%信託保全なので仮にFX会社が倒産しても預け入れた資金が保護される……といったメリットがあります。とくに初心者にとっては、株式投資で希望の銘柄を選ぶのはなかなか大変ですが、限られた通貨(米ドル、豪ドル、NZドル、ユーロなど)の中から組み合わせ(米ドル/円、豪ドル/円など)を選ぶだけのFXなら格段に始めやすいでしょう。
石野さん:安全性もポイントです。株の場合は会社が倒産すれば価値がなくなりますが、通貨は国が破綻しないかぎり安全ですからね。そしてもう1点、手数料が安い。FXの手数料は外貨預金の100分の1以下です。あとで弊社の商品としてもご紹介しますが、手数料0円というサービスも増えています。日本のFX取引手数料は、世界的に見ても最低水準ですね。
MN:実際問題、FXはいくらあれば始められるのですか?
高山さん:意外と安いと思うかもしれませんが、約4,000円です。少額から始められるのもFXのメリットなんです。弊社の場合は1,000通貨から取引できるので、1,000米ドルなら日本円で10万円程度ですね。個人投資家のレバレッジは最高25倍ですから、証拠金として約4,000円があれば投資を始められます。
石野さん:かつては1万通貨以上が一般的だったのですが、1,000通貨から取引できるようになったことで、より少ない資金で投資を楽しめるようになりました。4,000円といえば、若手のサラリーマンでも十分用意できる額ですし、豪ドルやNZドルと円であれば、さらに少ない額での投資が可能です。
MN:そんなに少ない額から、しかも安心して投資できるとは知りませんでした。日本は手数料が安いというのもうれしいですね。これならサラリーマンでも小遣いでの投資が可能です。反対に、FXのデメリットはありますか?
石野さん:レバレッジにより少ない資金で大きく儲けることができる反面、大損をする可能性もあります。また、ごくまれにですが、相場が急変したときなどは投資金額以上に損をする場合もあります。そのほかにデメリットといえば、市場が24時間動いているので一人で相場を見続けると睡眠時間がなくなる(笑)……といったことくらいでしょうか。
MN:先ほど、手数料0円のところも増えているという話が出ていましたが、手数料が0円でFX会社はどこから利益を得るのですか?
スプレッド0.003円を表示している例 |
石野さん:通貨には売値と買値があります。その差額をスプレッドと呼ぶのですが、これがFX会社の収入になります。たとえば米ドル/円のレートが102.298/102.301円と表示されていると、売値が102.298円、買値が102.301円でスプレッドは0.003円、つまり0.3銭がFX会社の収入になります。
MN:0.3円ではなく0.3銭ですか!
周さん:はい。ですから、いま日本は投資家にとって世界でいちばん恵まれた環境です。日本に住んでいる方には是非やってほしいですね。