ニーズにぴったりのパソコンを、お得にゲットできるのがBTOパソコン。ただ、自分でスペックを選ぶBTOパソコンは、普通のパソコンに比べるとすこし難しく感じるかも。そこで今回は、誰にでもカンタンにわかるBTOパソコンの選び方のポイントを紹介しよう。

鈴木家の登場人物

父:鈴木一郎
都内の技術系大手企業に勤める40代半ば。企画管理部に所属しているがコンピューターには相変わらず明るい。結婚19年目。妻と長男、次男の4人暮らし。
長男:鈴木次郎
都内私立大学に通う平凡な大学一年生。相も変わらず勉強不得手のゲーム好きだが、新しい大学生活に夢を膨らませている。

4年の月日は長い。当時は中学生だった長男も既に大学一年生。今では大学の近くにアパートを借り、1人で暮らしている。生活費はバイトで稼いでいるそうだが、いつも懐は寂しいらしく、家に来ては普段の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように飯を腹に詰め込んでいるらしい。そんなある日、長男がいつものとおり飯を食いに帰っていた。

父 ただいま~。今日の仕事はつらかった、と……。
息子 お帰り~。
父 おう。来ていたのか。
息子 まーねー。バイトの稼ぎだけじゃ食えなくてさ。
父 そうだろうな。俺も若いときは……。
息子 ところでオヤジ。ちょっと相談があるんだ。
父 また、パソコンか?
息子 そう! 今のヤツも古くなってさ。OSなんかWindows XPだからサポートが--

そう。長男が中学三年生だった当時、自分専用のパソコンが欲しいとねだられたのだ。自分の趣味もパソコンであるだけに、鈴木・父は長男の気持ちは痛いほどわかる。結果的にミドルレンジクラスのパソコンを買い与えていた。共通の趣味が生まれたことで、若者誰しもがとおる反抗期もホドホドに収まり、よい関係ができたと当時を思い返していた。

息子 オヤジ聞いてる?
父 おう。また無心か。コドモだなぁ。
息子 そーゆーわけじゃないんだ。大学で必要なんだよ。

そう言いつつ長男は、スマートホンでサイコムのWebページを父に見せた。確かに大学に入れば論文作成などいくつかの場面でパソコンが必要になる。しかし、それはかなり先の話だ。長男は趣味のゲームをPCで楽しもうと画策していたのだ。長男が父に見せたのは「G-Maser Hydroシリーズ」のページである。MicroATXのボディに静音性と冷却性のバランスをコンパクトにまとったダブル水冷モデルだ。

据置型ゲーム機とはひと味違うPCゲームを楽しむのであれば、ハイエンドモデルを選択するのは基本中の基本。また、ストレージをHDDからSSDに変更し、ビデオカードもグレードアップすれば、大学卒業まで、いや卒業後もしばらくの間はメインPCとして使えるはずだ。

■「G-Maser Hydro-Mini」のBTO例
CPU Intel Core i7-4770
マザーボード ASUS GRYPHON Z87
メモリ 8GB PC12800 Dual Channel
ストレージ 500GB HDD SSD選択可
グラフィック NVIDIA Geforce GTX 770 2GB標準装備
OS 別売
参考価格 167,700円
父 高っ! 自分で買えばいいじゃないか!
息子 そりゃそうなんだけど……。

鈴木・父も一人暮らしの経験はある。実家は金銭的余裕がなかったために、奨学金とアルバイトで学業をこなしていた苦学生だった。それだけに家から出た長男は独立した存在であり、自宅に戻るのは盆暮れ正月で十分という古い考えを持っていた。しかし、長男の方が上手なようである。

息子 ミニタワーの安いやつだったらお願いできる?
父 うーむ……。

確かにミニタワーは設置場所も選ばず、PCパーツ構成もバランスがよいため、安いモデルからパワーアップするのにベストな選択肢となる。加えて長男の住まいは六畳程度のワンルームアパート。あまり大きなボディよりも拡張性を備えるミニタワーPCの方がいいだろう。そんな鈴木・父の考えを知っていたのか、長男が提案したのは第4世代Core iシリーズとIntel Z87チップセットを搭載したミニタワーPC「VX2300Z87」だった。標準選択CPUはIntel Pentium G3220のため、Intel Core i3-4130に変更しても6万円を超えず、手頃に新PCを手にしたいユーザーには選択しやすいモデルだ。

■「VX2300Z87」のBTO例
CPU Intel Core i3-4130T
マザーボード ASRock Z87M Pro4
メモリ 4GB DDR3 PC-12800
ストレージ Seagate ST500DM002(500GB/7200rpm/16MB)
グラフィック オンボード
OS 別売
参考価格 57,650円

鈴木・父は考えた。自分なりにPCを拡張する楽しさを知るためには、エントリーモデルをベースにPCパーツを換装していった方が楽しいはず。そして長男は18歳である。18と言えば結婚やクレジットカードの保有、自動車免許まで取得できる年だ。それだけに昔みたいな甘い考えで接するのは本人のためにならない。それなら長男が最初に提案したモデルよりも、こちらのモデルの方が適しているか……。

父 よしっ。大学の入学祝いも何だかんだで後回しになっていたし、注文するか。
息子 オヤジ、ありがとう!! ビデオカードは追加したいな。
父 自分でバイトして買え!
息子 チェッ。
父 そうだ、ディスプレイは昔のヤツがあるだろ?
息子 あれ、オヤジのお古じゃん。さすがにキツいよ。

となると、ディスプレイもオプションで追加しなければならない。サイコムのカスタマイズページを開くと、21.5インチワイドディスプレイの「LG 22EN33T-B」がプラス12,500円で選択可能だった。昔に比べれば安くなったな、と鈴木・父はスマートホンを眺めながら、つい先ほど<甘い顔は見せない>と思った考えはどこにやら、である。合計すると7万円を超える程度だったが、これなら許容範囲だと、鈴木・父は自分に言い聞かせていた。

父 到着は……一週間後だな。
息子 わかった。ありがとう。俺これから友達と約束あるから帰るわ。

言葉もそこそこに長男は帰宅準備を始めた。現金なもんである。しかし、自分が過去に楽しんだ自作PCに通ずるものがあるBTOを選択し、自分でパーツを選択したいと言う息子に対して、くすぐったくも誇らしいような気分を味わう鈴木・父であった。(了)

(マイナビニュース広告企画)

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