日本人の足型を熟知したリーガルシューズ店長の嵐正義さんと福田正博さん

福田 正博(ふくだ・まさひろ)氏プロフィール
中央大学卒業後、三菱(現浦和)に入団。50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王に輝くなど、Jリーグ通算228試合で93得点をマーク。日本代表では、45試合で9ゴールを記録し、ワールドカップアジア地区最終予選も経験。2002年に現役を引退。
引退後日本サッカー協会のJFAアンバサダーに就任し、全国各地で幅広い普及活動をサポートした。サッカー解説者、浦和レッズのコーチなどをつとめたのち、2011年よりサッカー解説者として、幅広いメディアで活躍中。

足元がしっかりとキマっていればすべてうまくいく、とはあながち言い過ぎではない。靴の佇まいは、その人そのもの。特に印象で損をしたくないビジネスにおいては足元に十分気をつけたい。そこで、日本人の足型を熟知したリーガルシューズの嵐正義店長、サッカーの解説者として幅広いフィールドでご活躍中の福田正博さん、靴には一家言を持つお二人に大いに語っていただきました。仕事と靴のいい関係とは?

現役時代も今もフィット感が最優先

嵐店長:福田さん、普段はどんな靴をお履きになっていますか?

福田氏:プライベートではやっぱりスニーカーが多いですね。仕事の時はスーツも着ますので、その時は革靴を履きます。

嵐店長:何か靴を選ぶ時の基準みたいなものはありますか?

福田氏:僕の場合、足の形がよくないので、自分が履きたい靴と履ける靴は違うと自覚しています。イタリアのすらっとしてカッコいい靴とか、履きたいですけどね(笑)。でも、最近は意外と自分が思っているより履ける靴が多くなったなと思います。僕の足の形は甲が高くて横幅が広い日本人の典型で、昔は履ける靴が限られていましたから。無理して買って履かなくなった靴が何足もありましたよ。

嵐店長:それでは現役のアスリート時代、大変だったのではないですか? 特に足が命のサッカー選手としては。

福田氏:そうですね。スパイクは自分の足に最適に合うものを求めていましたが、理想的に合うものを見つけるのは難しかったですね。本当にピタっとしたのが好みだったので。
当時のスパイクはカンガルーの革が主流で、練習で何回か履いてなじんできたものを試合で使っていました。試合用と練習用に分けて、試合で履くスパイクは年間一足か二足。これを試合前にピカピカに磨き上げていました。スパイク磨きは集中するのによかったんです。

嵐店長:今でもタイトなフィッティングがお好みですか?

福田氏:現役を引退してから気づいたのですが、少し余裕があったほうがいいと。今は少し緩い靴でも履けるようになりました。しかし、靴を選ぶ時の正しいフィッティングってどういうことなんでしょうね?

嵐店長:フィット感というのはそれぞれ好みが違いますので、タイトを好まれる方もいれば、少しルーズが好みという方もいらっしゃいます。それはお客さまとの話し合いのなかで決まっていくことが多いですね。ただ、自分に合った靴ということになりますと、踵から土踏まずの長さで決まってきます。
あと、履いた時に止まってないといけない部分と遊びが必要な部分があります。止まっていなければいけないところは、踵、横幅、甲の3カ所。指の部分は遊びがあったほうがいいでしょうね。このフィッティングを間違えて合わない靴を履いていると血流が滞ったり、変に力が入ったりしてよくないですから。

福田氏:足って重要ですよね。実は僕、1994年にドイツで手術しているんですよ。スポーツヘルニアといって腰や膝に問題があると診断されました。それでまず最初にいわれたのが、知り合いの店にシューフィッターがいるからそこに行きなさいと。足形とか全部とってもらって、どこのメーカーのなんの靴があなたには合いますというように、最適なシューズのアドバイスをしてくれるんです。よりフィットするようにインソールもつくってもらった思い出がありますね。ドイツの選手なんかはみんなそうしていましたよ。僕は足ですごく苦労したので、サッカーを教える時、足と靴のことは子どもと親御さんにはちゃんと説明しています。……続きはこちら