2012年11月にインテルが提唱したミニPCフォームファクター「NUC」(Next Unit of Computing)。あれから約半年ほどが経過し、同規格に準拠する製品が多くのメーカーからリリースされ始めた。日本ギガバイトが投入を予定しているミニPCベアボーン「BRIX」シリーズは、そんなNUCに酷似した製品だ。なぜ“酷似”としたかというと、NUCはインテル製マザーボードを採用していることが前提。BRIXシリーズは、当然ギガバイト製マザーが使われているので厳密にはNUCとは呼べないのだが、コンセプトは同じといえるだろう。
さて、このNUCの特徴を簡単に説明すると「モバイル向けアーキテクチャを活用して手のひらサイズの筐体を実現したPC」である。2006年頃に注目された「MoDT」(Mobile on Desktop)を彷彿とさせるコンセプトだ。MoDTは、省電力・省スペースという提案が受け、PC市場を席巻する大きなうねりになるかと思われたが、いつの間にか下火となった。純粋なデスクトップに比べ非力だったことが敬遠され、波に乗れなかったのではないかと思われる。ところが、今回は当時と事情が異なりハードウェアが進化、CPU性能が向上しメモリもDDR2からDDR3になった。何よりも、MoDTでボトルネックともいえた2.5インチHDDではなく、高速な読み書き性能が期待できるmSATA接続のSSDが一般化していることが大きい。
わずか約11cm四方の超コンパクトボディ
まずはBRIXの外観からチェックしてみよう。NUCは手のひらサイズを実現していると前述したが、BRIXの場合も同様で、W107.9×D114.6×H29.9mmと非常にコンパクト。一見しただけではこれがPCとして動作するのか疑いたくなってしまうほどだ。また、単に小さいだけではなく、艶やかなピアノブラックで塗装され高級感を演出。小さいながらも所有欲を満たすデザインとなっている。これだけコンパクトならデスク上に置いておいてもまったくジャマにならないが、BRIXにはVESA 100規格に変換できるブランケットが付属する。VESA対応ディスプレイの背面に取り付ければ、液晶一体型PCのように利用できる。なお、ブランケットは100×100mm、75×75mmの取り付け口に対応している。
インタフェースについてはフロントにUSB3.0が1基、背面にHDMI出力、DisplayPort、USB3.0×1基、LAN端子が備わる。ボディがコンパクトなので拡張性は少々心許ないが、映像出力を2系統備え、デュアルディスプレイが活用できる点はありがたい。また、ボディ内部には802.11nに対応した無線LANモジュールを内蔵。ワイヤレスでのネットワーク接続が可能となっている。