映画・映像専門の学校UTB映像アカデミー(所在地:東京都千代田区 代表取締役相談役:渋谷尚武)は、去る12/15(土)、井筒和幸監督らが審査員を務める映像作品コンテスト「UTB AWARD 2012 Tokyo Wonder Culture ~世界に知らせたいTokyoのこんな一面」を開催した。

UTB AWARDとは、映像制作のプロフェッショナルを育成するという教育観念より、毎年年末に開催する、見る人のことを考えた自己満足で終わらない映像制作者を目指すための作品制作コンテスト。

 

今回のお題であるドキュメンタリー制作では、学生のリサーチ力、構成力、説得力、コミュニケーション能力を養いつつ、Tokyoや取材対象物への興味喚起を促す作品制作に取り組んだ。

審査員には、映画監督でありUTB特別講師でもある井筒和幸監督、東京ウォーカー編集長の秋吉健太氏、TV番組プロデューサーの魚住昌史氏、スクリーン・インターナショナル在日特派員のジェイソン・グレイ氏が参加した。

「撮りたいから撮る、見せたいから見せる、そして見に来ていただく、こういう世界ですね」学生にエールを送る井筒和幸監督

赤坂で活躍する一人の芸者を追った作品「芸者ふみ香 東京物語」で観客賞、準グランプリのW受賞を達成したディレクター長尾理央さんは、「観客の皆さまありがとうございました。この二ヶ月間全力で取り組みました。それを支えてくれ、一緒に頑張ってくれたチームに感謝したいです」とコメントした。

審査員の講評

井筒和幸監督「30分やれば充分なテレビ番組になりますね。30分の番組にできるだけの素材はとれているはずなんですね(今回は10分という制作制限のため不可)深く掘り下げてきてあるはずなのに、それをよく10分にまとめきれたなと思う。感想もなにもまとめられないくらい見入ってしまった。茶の間でTVを見ている感じを味わった。大したもんです。ドキュメンタリーの制作なら今すぐにでも入れるはず。ぜひドキュメンタリー監督を目指して頑張ってください」

下町の文化である「紙芝居」の現代について切り取った作品「約束の舞台」でグランプリを受賞した長井詩織さんは、「紙芝居を題材にしようと思ったきっかけは下町風俗資料館で実演をしていた方と出会ったことでした。今日本番を迎えて、自分は本当にやりきれたのか不安でしたが、改めて紙芝居が大好きだということに気づきました」と話した。

審査員の講評

井筒和幸監督「いい題材を探してきました。とても心がしみじみとしました。こういうものは丁寧に作らないと伝わらない。時間制限があって表現がしきれない部分もあったと思うが、うまく作られていると思います」

総評

今回の「UTB AWARD 2012 Tokyo Wonder Culture ~世界に知らせたいTokyoのこんな一面」審査員総評は下記となっている。

井筒和幸監督
「わずか9ヶ月でここまで本格的に作れるようになるというのは、やはり好きこそものの上手なれということですね。撮りたいから撮る、見せたいから見せる、そして見に来ていただく、こういう世界ですね。TwitterやFacebookに取って代わりつつあるが、やはり伝わるのはこういう生の映像だということを忘れず頑張って下さい」

魚住昌史氏
「僕らはやはり人間なんだなあと思いました。発見する喜び、伝えたいという思いがあって、それが伝わったという喜び。これを感じました。作っていくうちに不安を覚えたかと思いますが、自分がいいと思ったものを最後まで信じてやり遂げることが大事ですし、そういった作品を発表できる場というものをもっと作っていかなければならないと思いました」

秋吉健太氏
「人間ドラマと、新しい知識を得られました。新書を読んでいるような、そんな気持ちになりました」

ジェイソン・グレイ氏
「未経験者として入学してきた学生とは思えませんでした。これを第一歩として、映像の世界に進んで下さい」

優秀作品は2013年3月にアメリカのケーブルテレビ局「UTB」で放送される予定とのこと。

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