2012年10月、レノボ製品を代表するノートPCブランド「ThinkPad」は、誕生から20周年を迎えた。1992年10月に米IBMが初のThinkPadブランドのノートPCをリリースして以降、トラックポイントやキーボードライト、CD-ROMドライブ、ロールケージ、指紋認証、HDDプロテクトシステムなどさまざまな革新を生み出し、多くのユーザーからの支持を獲得している。ここでは、なぜThinkPadが支持され続けているのか、振り返ってみたい。

ロールケージを採用し堅牢性を強化

ロールケージの採用で堅牢性を高めたThinkPad。写真はThinkPad T430

快適な打鍵感を得られるキーボード、少ない指の移動範囲で的確なポインティングが可能なトラックポイントなど、ThinkPadのシンボルとなる機能は多い。これらに並んでThinkPadの象徴ともいえるのが“高い堅牢性”だろう。ThinkPadでは堅牢性・安全性を高めるために多くの工夫が施されているが、その代表格ともいえるのが「ロールケージ」だ。ロールケージはラリーやジムカーナなどの競技車両が横転、クラッシュをした際に、乗員スペースを守るためのフレームのことだが、ThinkPadも同様の思想でこれが採用されている。マシンの落下や衝突時の衝撃をロールケージが低減し、内部パーツが損傷することを防ぐ構造になっている。なお、競技車両で利用されるロールケージはスチールやアルミ製だが、ThinkPadではマグネシウム合金やカーボン素材を採用。高い剛性を確保しつつも、軽量化を目指しているというわけだ。


堅牢性が高いので、ディスプレイ部分を持って振っても安心感がある。もちろん推奨される持ち方ではない

ロールケージ以外にも堅牢性を高める工夫は多数ある。そのひとつがステンレス合金製のヒンジだ。ヒンジは数千回、数万回も稼働するパーツのため、耐久性が非常に重要になる。他メーカーではデザインを重視するあまりABS樹脂などで覆われてこともあるが、ThinkPadは分厚いステンレス合金がむき出し。武骨ではあるが、堅牢性の高さを連想させてくれる部位だ。また、ディスプレイのベゼルが立体的になっているのもThinkPadの特徴。Xシリーズの一部やTシリーズWシリーズなどは、立体的なベゼルを採用することで天板のねじれ剛性が高められている。一方、スリムボディを追求したX1シリーズでは、カーボン素材の天板を採用したり、強化ガラス・強化プラスチックでディスプレイを保護したりして剛性が確保されている。


左はステンレス合金がむき出しになったヒンジ部分。右は立体的にすることで剛性を高めた液晶ベゼル

そのほかにも、内部パーツの浸水を防ぐ防滴キーボードや設置したときの衝撃を緩和する衝撃吸収ゴム脚など、耐久性を高める工夫が各所に施されている。またThinkPadでは、振動を検知するとハードディスクのヘッドを待避し、データ記録領域の損傷を防ぐ「ハード・ディスク・アクティブプロテクション・システム」をいち早く採用。メインストレージがHDDからSSDに移り変わりつつある今、その役目は軽くなってきたが、使用素材や設計だけでなくソフトウェアの面からも耐久性を高めようとした姿勢がうかがえる。

このように、数多くの工夫を施すことで高い堅牢性を実現したThinkPad。多くのユーザーが“頑丈なブランド”として認識しているのは、こうした数々の工夫によるものだ。

■ThinkPad誕生20周年特別企画

第1回……支持され続けるThinkPadのキーボード
第2回……ThinkPadの象徴ともいえるトラックポイント
第3回……堅牢なボディを実現するロールケージ

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