2012年10月、レノボ製品を代表するノートPCブランド「ThinkPad」は、誕生から20周年を迎えた。1992年10月に米IBMが初のThinkPadブランドのノートPCをリリースして以降、トラックポイントやキーボードライト、CD-ROMドライブ、ロールケージ、指紋認証、HDDプロテクトシステムなどさまざまな革新を生み出し、多くのユーザーからの支持を獲得している。ここでは、なぜThinkPadが支持され続けているのか、振り返ってみたい。

20周年を記念して発売された「ThinkPad X1 Carbon 20th Anniversary Edition」。500台限定で、ヒンジ部分にシリアル番号、底面に「Made In Japan」の刻印が入れられる。この製品はNECパーソナルコンピュータの米沢事業所で生産される

効率的な入力に役立つポインティングデバイス

ブラックのボディに赤いトラックポイントというスタイルは、20年間変わることなく受け継がれている

ThinkPadのカラーイメージを聞かれると、多くの方が「黒地に赤い丸」をイメージすることだろう。ブラックのボディが黒地を、トラックポイントが赤い丸を連想させるからだ。ThinkPadは誕生から20年間、この赤い丸、つまりトラックポイントを採用し続けている。前回触れたキーボードとともに、このトラックポイントの使い勝手を評価するThinkPadユーザーは多く、中には購入直後からタッチパッドの設定をオフにして、トラックポイントだけで操作している方もいるくらいだ。

トラックポイントの最大のメリットは、文字キーから手を離すことなくポインティングが行えること。タッチパッドの場合、一度文字キーから手を離し、パームレスト部にあるパッドに触れてから文字キーに戻らなくてはならない。だがトラックポイントは文字キーの中心にデバイスがあるので、ポインティング直後にタイピングが行える。またタッチパッドは、一度パッド状で指を滑らせてもポインターが目的の場所まで届かず、折り返し指を滑らせなければならないロスが生ずることもある。だがトラックポイントは指をデバイスから離すことなくポインターを目的の位置に移動できる。

ただ、トラックポイントのようなスティック型のポインティングデバイスは、1点加圧に耐えられる堅牢なキーボードが必要だったり、ボディをスリム化するのに不利になったりするので、他メーカーは採用を見送るようになった。結果、ほとんどのノートパソコンがタッチパッドとなり、パッド操作に慣れたユーザーが激増。そこでThinkPadでは、トラックポイントに加え、タッチパッドを補助的に備えた「ウルトラナビ」を開発し、トラックポイントを支持するユーザーだけでなく、タッチパッドに慣れたユーザーにも扱えるようにした。登場当初のウルトラナビは、トラックポイント用、タッチパッド用それぞれに左右クリックボタンがあり少々いびつだったが、現在はパッドそのものを押下することで左右クリックとなる設計を採用しスマートになった。


液晶ベゼル上部のLEDライトに加え、透過光式のバックライトを備える。よりキーの視認性を得たい場合に役立つ機能だ

トラックポイントに加え、古くからThinkPadに採り入られてきたのがキーボードライトだ。これは、液晶ベゼル上部のLEDライトでキーボードを照らし、就寝前にメールを入力したり、照明を落とした機内で書類を作成したりといった用途に対応できるようにしたもの。今でこ透過光式のキーボードをバックライトで照らすノートパソコンは増えているが、いち早くキーボードライトを採用したのはThinkPadである。なお、現在ThinkPad Xシリーズの上位機やTシリーズWシリーズなどの主力機種は、液晶ベゼルのライトに加え、2段階で明るさを調整できるバックライト式キーボードライトを搭載。暗所でのキーの視認性を重視するならバックライト、バッテリの持ちを優先するならベゼル上部のLEDライトといったように使い分けることができる。

前回紹介したキーボードや、今回触れたトラックポイント、キーボードライトはThinkPadを象徴する存在。これらが実現するユーザビリティの高さに魅了されているユーザーは少なくない。


■ThinkPad誕生20周年特別企画

第1回……支持され続けるThinkPadのキーボード
第2回……ThinkPadの象徴ともいえるトラックポイント

(マイナビニュース広告企画)

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