Linuxコマンドなしでサーバーを設定できる「Plesk」
VPSコンソールを使えば簡単にサーバーを操作できると言っても、コンソールにログインした後の世界はLinux環境そのもの。ベテラン管理者ならばコマンドラインから自由自在にサーバーを操ることができるだろうが、これまで共用ホスティングサービスなどを利用していたユーザーがVPSに触れる場合、いきなり荒野に放り出されたような感覚を覚えるかもしれない。
しかしGMOクラウド VPSでは、オプションを追加することで非常に強力なサーバー管理ツール「Parallels Plesk(プレスク) Panel」(以下Plesk)を利用できる。Pleskはサーバー管理のための商用ツールとしては最もポピュラーなもののひとつで、これを利用すればユーザー管理からWebサーバー・メールサーバーなどの構築、ブログやECサイトといったWebアプリケーションの運用まで、Linuxのコマンドラインには一切触れなくてもサーバーを管理・活用することが可能だ。
例えばWebサイトを公開したい場合、Pleskにログイン後「ウェブサイトとドメイン」を選択し、「ドメインの追加」画面からWebサイトのドメイン(ドメインは別途取得した独自ドメインまたはGMOクラウドから提供されるサブドメインを利用可能)をする。わずかこれだけの操作でWebサイトがインターネットに向けて公開される。Webブラウザを通じて利用可能なファイルマネージャも用意されているので、FTPを利用しなくてもHTML/CSSや各種素材をアップロードしたり、ファイルマネージャのエディタ上で内容を編集したりできる。
Webサイトをホスティングするドメイン名を入力するだけでサイトの公開が可能。ここではGMOクラウドから提供されたサブドメインを使用しているが、もちろん独自ドメインを利用できる |
運用中のWebサイトはこの画面に一覧表示され、ここからファイルマネージャを呼び出したり統計情報を確認したりできる |
上の操作でドメインを追加すると、メール転送用のMXレコードなど一般的に利用するDNS設定も自動的に行われるので、独自ドメインを用いたメールアドレスも利用可能になる。Pleskで「メール」を選択し、「アドレスの作成」画面を開き、作成したいメールアドレスとそのアカウントの初期パスワードを設定するだけで、メールアドレスが有効になる。
また、サーバー上のディスク領域を共有フォルダとして使う機能も用意されている。Webブラウザを通じて共有フォルダにファイルをアップロード/ダウンロードできるほか、必要に応じてファイルを外部に公開することも可能なので、メールではやりとりできない大容量のファイルをグループ内で共有したり、社外に対して提供したりするときに便利だ。GMOクラウド VPSでは最小プランの「マイクロ」でも100GBのディスク容量が割り当てられ、最大で800GBまでのプランが用意されているので、ファイルサーバーとしても十分活用できる。