ハードウェアを扱うよりも手軽に操作可能

もちろん、サーバーが起動した後は任意のSSHクライアントでログインすることも可能なので、使い慣れたクライアントソフトでサーバーを利用できる。

何らかの理由でサーバーを再起動したい、停止したいといった場合、サーバーにログインしshutdownコマンドを実行しても良いが、VPSコンソールには「再起動」「停止」といったアイコンが用意されているので、これを利用すればサーバー自体にログインする必要すらない。また、rootパスワードが不明となった場合のパスワード初期化もVPSコンソールから可能だ。

VPSは仮想サーバー1台をユーザーが完全にいじることができるので、やろうと思えばOSの動作に必要なファイルを削除してしまうことすら可能だ。そのため、システムが起動しなくなってしまう可能性もあるが、このような事態に備えてVPSコンソールには2つの機能が用意されている。

ひとつは、別の仮想サーバー環境を起動する「リカバリーモード」だ。リカバリーモードでサーバーを起動すると、本来の環境で使用していたプライマリーディスクが「/dev/hdb1」として見えるので、これをマウントすることで、設定ファイルの再編集やデータのサルベージなどが可能だ。

  

単純な再起動ならログインは不要。もちろんrootログイン後shutdownコマンドを実行しても良く、この場合はOSの起動画面を確認することができる

リカバリーモードで起動後、本来のプライマリーディスクを/mnt以下にマウントしたところ。設定ファイルの確認や編集が可能だ

また、最悪の場合は、VPSコンソールからの操作ひとつで、OSを再インストールしサービス契約当初の状態に復旧することができる。ただし、当然のことながらこの場合データはすべて失われるので、重要なデータはあらかじめ別のサーバーにバックアップしておく必要がある。

VPSコンソールの簡単な操作だけでOSを再インストールし、契約当初の状態に戻すことができる

このように、手元に実体のない仮想サーバーとはいえ、VPSコンソールを利用することでマシンを手に取るように利用できることがおわかりいただけるだろう。「仮想環境」というとサーバー管理の初学者には難しい印象があるかもしれないが、起動・停止やフリーズ時の再起動などもマウス操作ひとつででき、最悪の場合は簡単にOSを再インストール可能なので、むしろ実機のサーバーよりもはるかに使い勝手は高いと言えるだろう。