4年に一度のスポーツの祭典は終了したけれども、サッカーW杯アジア予選や秋の番組改編による新ドラマ、そして年末年始の大型番組と、まだまだテレビの楽しみは尽きない。そこで、新たにテレビ録画環境を増強してみてはいかがだろうか。ということで、ここではテレパソ自作について解説する。これまでの録画環境に加え、新たにテレパソが追加されれば、観たい番組がどんなに重なってもうまく対応できるだろう。

マイクロATXでコンパクトなテレパソ自作

テレパソを自作する際、やはりHDDレコーダーのような横長のきょう体で作ることを想像するだろう。だが、横長のボディは意外とフットプリントが大きく、設置面積のコストがかかってしまう。かといって、設置コストのかからないスリムタワー型だと、ロープロファイル仕様の拡張ボードしか搭載できないことが多く、TVキャプチャボードの選択肢が狭まってしまう。そこで導き出されるのがマイクロタワー型のきょう体。確かにスリムタワーよりも設置コストはかかるが、3.5インチ内蔵ベイが複数用意され、録画番組でHDDが圧迫されても新たなHDDを追加しやすい。標準サイズの拡張ボードも装着できるので、好みのTVキャプチャーボードをチョイスできるのもメリットだ。ということで、今回はマイクロタワー型のテレパソを自作してみる。

  

今回、自作に使用したパーツ群。CPUはCore i7-3770、メモリはDDR3 1600の4GBモジュールが2枚だ

自作PCの核となるマザーボードはZ77MX-D3H TH。インテルZ77エクスプレスを採用したマイクロATX準拠の製品だ

マイクロタワー型のPCケースに収まるマザーボードは、マイクロATX以下のプラットフォームになる。そこで今回選択したのがギガバイトの「Z77MX-D3H TH」。このマザーボードはインテルZ77エクスプレスを採用したマイクロATX規格準拠のマザーボードである。次世代インタフェースである「Thunderbolt」を2基搭載しており、対応外付けHDDやディスプレイなどとの接続が行える。特に録画機として利用するなら、高速な外付けHDDを拡張できる点はありがたい。前述した内蔵HDDの容量がいっぱいになっても、高速伝送が可能な外付けHDDを活用できるからだ。なお、デジタル放送の録画データは、CPU内蔵グラフィックで十分にデコードできる。なので今回は外付けグラフィックボードは用意していない。では、早速このマザーボードを使ってPCを自作してみよう。

まずはCPUとメモリをマザーボードに装着

自作パソコンの第1歩はCPUとメモリをマザーボードに装着することから始まる。この際に注意したいのは、CPUクーラーの電源ケーブルを接続し忘れないことと、メモリをしっかりとスロットに奥まで挿し込むこと。これらをしっかり確認しながら作業を行おう。

  

まずCPUソケット横のレバーをはずし、CPUをセットしてまたレバーを閉じる。○で囲んだCPUのくぼみとソケットの凸部を合わせるのが鉄則

メモリスロット両サイドのフックをはずし、メモリモジュールを上からまっすぐ押し込む。こちらもメモリのくぼみとスロットの凸部を合わせてから押し込む。フックが自動で持ち上がればOKだ

  

続いてCPUクーラーを取り付ける。クーラーの脚上部の切り込みが、矢印のようにクーラー側を向いた状態で、マザーボードの穴に脚の位置を合わせ指で押し込む。カチッと音がなって脚の先端が穴に挿し込まれればOK

CPUクーラーから延びている4ピンのコネクタを、マザーボードの「CPU_FAN」に接続する。忘れずにつなげておこう

CPUとメモリの装着が終わったら、マザーボードをPCケースに仮り置きし、マザーの穴とPCケースの穴が一致するネジ穴をチェック。一致する穴をチェックしたらここに真鍮性の六角スペーサーを取り付けていく。スペーサーの取り付けが終わったら、I/OバックパネルをPCケースに装着してマザーボードをネジ止めする。ミドルタワー型の場合、おおよそこの手順で作業は進むが、マイクロタワー型の場合、ここで接続コネクタの位置をよく確認してほしい。というのも、マイクロタワー型はミドルタワーに比べ内部が狭く、マザーボードを取り付けたあとでは指が入らずケーブルが接続しにくくなることがあるからだ。もし、指が届きそうにないなという箇所があったら、あらかじめケーブルを接続してからマザーボードを固定しよう。また、マザーボードを固定し終えたら、光ドライブやHDDをドライブベイに取り付けるが、光ドライブはネジ山の狭いミリネジ、HDDはネジ山の広いインチネジを使う。この際、完全には固定せず、位置をずらせられるように仮止めにしておくのがセオリーだ。

マザーボードの穴とPCケースの穴を照らし合わせ、合致するところに六角スペーサーを取り付ける

マザーボードを固定する前に、マザーに付属するI/Oバックパネルを取り付ける。マザーボードを仮止めにした際、指が入りにくいコネクタがないかチェックしよう。今回使用したマザーボードとPCケースの組み合わせの場合、右の写真の○で囲った部分に指が入りづらかった