マウスコンピューターのゲーマー向けPCブランド・G-Tuneでは、ノートPCでもデスクトップPC並みの強力なグラフィックス性能を備えたPCを各種用意しているが、ラインナップ中最上位に位置づけられているのが、17.3型の大画面ディスプレイを搭載した「NEXTGEAR-NOTE i970GA2」だ。ノートPC用グラフィックスチップの最高峰・GeForce GTX 680Mの採用で、従来モデルから大幅な性能アップを果たしているが、今回実際に新旧両機種でのベンチマークテストを行うことができたので、そのスコアも含めて詳しく紹介しよう。
ゆとりの17.3型ボディに最強パーツを惜しみなく搭載
フルHD(1920×1080ドット)表示に対応した17.3型の光沢液晶ディスプレイに、ゲームを楽しむのに欠かせないステレオスピーカーやテンキーなどをすべて内蔵した「NEXTGEAR-NOTE i970」シリーズ。特にこの「i970GA2」は、"フルスペック・オールインワンノート"と形容するのが適当と思われるほどに、強力なパーツを満載している。
まずCPUだが、インテルのすべてのモバイル用プロセッサーの中で最強となるCore i7-3920XM エクストリーム・エディションを搭載している。動作周波数2.90GHz、ターボ・ブースト機能利用時は最大3.80GHzの動作が可能なクアッドコアCPUで、内蔵グラフィックスコア「HD グラフィックス 4000」も最大1300MHz動作と、"Ivy Bridge"のコードネームで呼ばれる、ほかの最新プロセッサと比較しても頭一つ抜け出た性能を実現している。
そして、グラフィックスチップにはNVIDIAのノートPC用GPU最上位モデル・GeForce GTX 680Mを搭載している。グラフィックス処理を行うCUDAコアの数は、"Fermi"アーキテクチャの最上位であるGeForce GTX 675Mが384基であったのに対し、"Kepler"アーキテクチャを採用する680Mでは1344基と大幅な拡張が図られており、複雑な処理を行う最新のゲームでもスムーズな描画が可能となっている。また、Kepler世代では消費電力あたりの処理能力が大きく向上しており、ノートPCでの高性能実現に、より適したGPUということができるだろう。「NEXTGEAR-NOTE i970」シリーズは、負荷に応じてCPU内蔵グラフィックスとGeForceのどちらを使用するかを切り替える「Optimusテクノロジ」に対応しているので、低負荷時はGeForceをオフにすることで、消費電力や発熱を自動的に抑えられるのも特徴だ。
また、17.3型という余裕あるサイズを活かし、2.5インチドライブを2基同時搭載できるのも大きな特徴だ。今回のi970GA2ではSSD 120GB+HDD 1TBのツインドライブ構成が標準となっており、高速なSSDと大容量なHDDの両方のメリットを享受することができる。ストレージの構成はBTOオプションでカスタマイズ可能で、SSDを最大容量で搭載した場合の構成はADATA SX910 512GB+インテル520 480GBの計992GBとなっている。標準構成ではDVDスーパーマルチドライブを搭載しているが、オプションでブルーレイディスクドライブに変更することも可能だ。
入出力端子群も非常に充実しており、例えばディスプレイ出力はDVI-I、HDMIに加えDisplayPortも備えている。大画面ディスプレイに接続してゲームを楽しみたい場合なども出力先を選ばず、テレビからプロジェクターまでさまざまな画面に対応できる。USBポートは3.0×3(1ポートはeSATA兼用)、2.0×1の計4ポートが用意されており、うち左側面の1ポートは電源オフ時も給電が可能なので、携帯電話の充電などにも利用できる。
GTX 680Mで最大6割の性能アップを確認!
さて、今回は同じ17.3型NEXTGEAR-NOTEの従来機種から、i970GA2とGPU以外はすべて同じ仕様の「NEXTGEAR-NOTE i960GA4」を用意することができた。i960GA4はFermi世代のGPU・GeForce GTX 675Mを搭載しているので、この2機種で同じベンチマークソフトを実行すれば、ほぼ純粋にGPUの性能の違いのみを知ることができるというわけだ。
スペック | i970GA2 | i960GA4 |
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OS | Windows 7 Home Premium 64ビット | |
CPU | Core i7-3920XM エクストリーム・エディション | |
GPU | GeForce GTX 680M | GeForce GTX 675M |
メモリ | 16GB (PC3-12800) | |
SSD | 120GB (SATA III) |
結果を見ていただければその違いは一目瞭然だが、DirectX 11の機能を使用し極めて描画負荷が高い「ロストプラネット2」において、解像度が720p(1280×720)の場合54%、フルHDの場合は実に66%もの性能の伸びが確認できた。同じくGPUに高い負荷をかける3DMark Vantageでも4~5割程度スコアが伸びており、いずれも解像度が高いときほど性能アップの割合が大きくなっていることがわかる。アーキテクチャが変更されているので、「ファイナルファンタジーXIV」のようにタイトルによってはスコアが微減するケースも見られるが、スコアが16%下がったLow設定においても4600以上の高いスコアとなっており、実際にゲームをプレイするときの体感にはまったく影響のないレベルにとどまっている。最新のタイトルをモバイル環境においてもバリバリプレイしたいというユーザーには、GeForce GTX 680Mが必須のアイテムといって差し支えないだろう。
ロストプラネット 2 ベンチマーク テストタイプB(DirectX 11) | |||
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i970GA2 | i960GA4 | 伸び率 | |
1280×720 | 76.4fps | 49.7fps | 54% |
1920×1080 | 58.3fps | 35.1fps | 66% |
ファイナルファンタジー XIV オフィシャルベンチマーク | |||
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i970GA2 | i960GA4 | 伸び率 | |
Low | 4607 | 5508 | -16% |
High | 3119 | 3182 | -2% |
3DMark Vantage 1.1.0 Performanceプリセット | |||
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i970GA2 | i960GA4 | 伸び率 | |
3Dmarks | P21530 | P15730 | 37% |
GPU SCORE | 20509 | 13990 | 47% |
CPU SCORE | 25305 | 25094 | 1% |
3DMark Vantage 1.1.0 GPU SCORE | |||
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i970GA2 | i960GA4 | 伸び率 | |
1280×720 | 27310 | 19733 | 38% |
1920×1080 | 14084 | 9508 | 48% |
CINEBENCH R10 64bit | |||
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i970GA2 | i960GA4 | 伸び率 | |
Single CPU | 6549(2分15秒) | 6488(2分16秒) | 1% |
Multiple CPU | 25030(0分35秒) | 24793(0分35秒) | 1% |
そのほか、SSDの搭載も全体のパフォーマンスアップに大きく貢献している。CrystalDiskMarkでストレージへのアクセス性能をテストしたところ、シーケンシャルリードが445.9MB/秒、OSやソフトの起動速度に大きく影響する4Kランダムリードが20.26MB/秒と、アクセスが非常に高速であることが確認できた。Windowsエクスペリエンス インデックスの値もすべて7以上で、高負荷のゲームをプレイするときはもちろん、Webページの閲覧や文書作成など日常的な使用においても、極めて快適なオペレーションが可能となっていることがわかる。