パソコンにとってもっとも負荷のかかる動作のひとつが、PCゲームのプレイだろう。ゲーミングPCには、3D描画やエフェクトなどをスムーズに表示するための強力なCPUとグラフィックが求められる。例を挙げるとCPUはCore i7クラス、グラフィックはNVIDIA GeForce GTXクラスというのが相場といえるだろう。だが、こうしたパーツを使ってマシンを組むには、冷却効率を考えてミドルタワーやマイクロタワーといったPCケースが使用されるのが一般的。したがって設置スペースにそこそこコストがかかるのは、覚悟しなくてはならない。

キューブ型PCと同じフットプリントのゲーミングPC

サイコムのG-Master Vanguard-ITX。Core i7-3770を搭載したモデルで131,310円~

ところが設置スペースの面で、ミドルタワーやマイクロタワーよりも遙かに有利なマシンが存在する。それがBTOパソコンメーカーのサイコムがリリースする「G-Master Vanguard-ITX」である。同機の最大の特徴は、キューブ型PCケースとほぼ同等のフットプリントで済むSilverStoneの「Fortress SST-FT03B-MINI」をPCケースに採用したこと。高さこそ397mmとマイクロタワーほどあるが、幅188.9mm、奥行き235.1mmと、占有する面積はキューブ型パソコンと同等かそれ以下といってもよい水準なのだ。

この小さなフットプリントを実現した理由は、フォームファクタにミニITXを採用したことと、独特のパーツレイアウトにある。まず、ミニITXについてだが、これはおよそ17cm四方のマザーボードを使用するもので、組み込み向けシステムなどで多くみられる規格。この規格に対応したインテルZ77エクスプレスを搭載したマザーボードを使用することで、マザーが消費する面積を抑えている。またパーツレイアウトについてだが、140mmのケースファンを底面に配置、グラフィックボードを垂直に設置することでフットプリントが増大することを防いでいる。ちなみに約254mmの長さのグラフィックボードが収納可能だ。


インタフェース類は上部に集約される。ミニITXはI/Oパネルは小型だが、USB3.0×4など必要十分なインタフェースが搭載される。右は底部の14cmケースファン。後述するが、CPUの冷却にも一役買う

左はフロントのアルミパネルをはずしたところ。ボード長の長いグラフィックボードがしっかりと収まっている。右は側面のアルミパネルをはずした様子。スリムドライブと電源が確認できる。なおこの電源は80PLUS Bronzeに準拠している

スリム光ドライブとHDDは専用ステーにて固定されている