2011年の夏は“節電”が大きなキーワードになっている。震災などの影響で発電力が落ちる中、エアコンの使用を控える動きが広がっているが、猛暑になると気になるのがPCの冷却だ。PCのパーツは熱に弱く、高温になれば動作トラブルや製品寿命が縮むという影響が出ることも。発熱が大きくなるハイエンドなPCならなおさらだ。そこで注目したいのが、マウスコンピューターのダブル水冷モデル「MASTERPIECE i1330BA1-Liquid」。CPUとGPUの両方に水冷ユニットを搭載し、驚くほどの冷却力を実現している。ここでは、その魅力について2回の連載をお届けする。まず第1回はダブル水冷ユニットと、その搭載を実現するPCケースにスポットを当てる。
CPUもGPUもメンテナンスフリー
高冷却を手軽に利用できるのが魅力
2004年に自作PCの世界で大ブームとなった水冷ユニット。静音&冷却を両立する手段として人気を集めたが、定期的に不凍液の交換が必要など、メンテナンスに手間がかかるため、コアな自作ユーザー以外には敷居の高いパーツだった。現在でも、水冷に興味はあるけど使うのは面倒で怖い、というイメージを持っている人も多いだろう。しかし、マウスコンピューターのダブル水冷モデルMASTERPIECE i1330BA1-Liquidでは、CPUとGPU、その両方を水冷化する大掛かりなものながら、完全なメンテナンスフリーを実現。ユーザーは水冷と意識することなく、通常のPCと同じように利用できる。
そのダブル水冷の魅力だが、一番は冷却力だ。冷却液を巡回させる水冷システムは、空冷となる通常冷却ファンとは比べ物にならないほどの冷却力を持ち、動画のエンコードや3Dゲームのプレイなど、発熱が非常に大きくなる高負荷の処理でも温度が上がりにくく、長時間でも安心して動作させられる。その具体的な実力は第2回で紹介する予定だ。
また、この水冷システムは、発生した熱をダイレクトに外部排出できる構造なので、通常の空冷システムに比べ、PCケース内部の温度を下げるのにも貢献するため、HDDやマザーボードの温度が下がるというメリットも。熱によるパーツへの悪影響をグッと減らせるという側面を持っている。
MASTERPIECE i1330BA1-Liquidは、CPUとGPUそれぞれ独立した水冷システムを採用している。もし、将来的にGPUを水冷以外の製品に交換しても、CPUの水冷システムは残るのが便利なところ。なお、CPUの水冷システムはCPU側の冷却ユニットにポンプが内蔵されており、冷却水を循環。PCケースの背面にあるケースファンと一体型のラジエーターによって冷却を行い、再びCPU側に流れるという仕組みだ。熱はケースファンによって、PCケースの外に送り出される。
GPU側の水冷ユニットは、GPUに専用の水冷ジャケットを装着。CPUとは異なり、冷却ファンと一体化したラジエーター側にポンプも備えており、水の循環から冷却まで、すべてラジエーターによって行われる。熱に関しては、ラジエーターのファンおよびケース前面に取り付けられたケースファンによって、ケース前面から外へと送り出される仕組みだ。どちらも、水冷ユニットという大がかりなシステムながら、非常にコンパクトなのが特徴といえる。
※写真は貸出用サンプル機のものです。販売モデルと一部異なる場合があります。ご了承ください。