さて、次に実際の使用感を見ていこう。

まずは接続距離だが、アダプター本体とノートPCとの距離を5mほどに離しても、問題なく接続可能。間に家具などの障害物があっても通信は良好だった。試しにノートPCをドア1枚隔てた別の部屋に持ちだして接続したところ、これも繋がった。隣の部屋からリビングにあるテレビにPC画面を映し出すといったことも、これなら十分にできそうだ。

PC画面とモニター側の表示には多少のズレがあり、PC上でマウスポインタを動かすと、モニター上ではそれがワンテンポ遅れて反応するといった感じ。PCでバリバリ作業をしたりゲームをしたりする際にモニター替わりとして使うというような、即応性を要する用途を想定した製品ではないということだ。

モニター側の表示は、ノートPC上の操作からワンテンポ遅れる。この写真はコンテキストメニューを表示してみたところだが、ノートPC側ではすでに表示されているメニューがモニター側ではまだ表示されていない

ただ画質は、さすがにHDMIで繋げているだけあり、手元にあるノートPCの画質と遜色なし。自分で撮影した写真を32v型の液晶テレビで見てみたが、画質の劣化はほとんど感じられなかった。PC内に保存した画像のスライドショーを、大画面テレビで見るといった用途にはうってつけといえる。

静止画を表示した際の画質は、ノートPCで見るのと遜色なくキレイだった

続いて、動画再生を行ってみる。まずはYouTubeにアップされているHD動画を何本か視聴。一時停止して見比べる分には、ノートPC上に映るものと画質に見劣りはない。

YouTube上の動画を一時停止したところ。モニター上の表示もノートPCの表示も画質に大きな差はない

動画の再生を行うと、PC側とのタイムラグがやや顕著になる。また、動きが激しいシーンなどで若干表示がコマ落ちする箇所があった。総じて言えば概ね快適に再生できたのだが、ブラウザ上でダウンロードしながらの再生となると、コマ落ちが激しくなるのに加え、ブロックノイズが発生する場面もあった。同様にニコニコ動画の動画も再生してみたが、やはりコメントが多くなるとコマ落ちが見られる。

ただし、ストリーミング再生ではなくキャッシュにすべてを読み込ませた状態で再生した場合には、とくにカクつくこともなく、スムーズに再生ができた。ストリーミング再生ではなく、あらかじめデータを読み込んでおくのが快適に再生するためのポイントだ。