場所を取らない省スペース型やハイスペックなモデルなど、多彩なラインナップをそろえるマウスコンピューターの「地デジPC」。BSやCSの一部でスタートしている3D放送に対応する新モデルが登場した。立体感や設定方法などを早速レビューしていこう。

地デジPCに3D放送対応モデル登場!
W録画も可能とスペックも充実

マウスコンピューターの地デジPCは、フルHD液晶がセットになって5万円台と驚きの低価格モデルから、Core i7やGeForce GTX 470など高いスペックとデジタル3波対応に10倍録画など高機能なチューナーを備えるハイスペックモデルまで、目的や予算に合わせて幅広いラインナップをそろえている。また、Twitterで同じテレビを見ている人とコミュニケーションが楽しめるサイト「ピーチク」など、新しい地デジの楽しみ方を提案しているのが大きな魅力だ。その地デジPCに、3D放送にいち早く対応したモデル「Lm-i720E-DB22D」が登場した。

「Lm-i720E-DB22D」は、CPUにデュアルコアのCore i3-550、4GBのメモリ、1TBのHDD、グラフィックスにGeForce GT 240を搭載するデスクトップPC。書き込み型のブルーレイドライブも装備し、高性能な地デジチューナーに、3D放送対応のフルHD液晶ディスプレイを付属して13万円台と高いコストパフォーマンスを誇る。3D放送の視聴は面倒そうに思えるが、実際には非常に簡単。3D立体視に興味があるなら、ぜひともチェックしてほしい。

3D放送に対応する「Lm-i720E-DB22D」。標準構成価格は139,860円

サイドバイサイド方式の放送に対応
ワンクリックで3D放送を楽しめる

3D放送といってもピンとこない人もいるだろう。現在ではBS11デジタルが3D立体映像の普及拡大を目指し、ほぼ毎日、短時間ではあるが3D対応の番組を放送。このほか、スカパー! HDでは3D専門のチャンネルを用意しており、スポーツ中継やアーティストのライブなどを3Dで楽しめる。地デジでの放送はまだスタートしていないが、すぐに3D放送を体験できる環境は整っているという状況だ。その3D放送を楽しむ機器といえば、3D対応の液晶テレビが主役といえるが、対応しているのは一部の大型モデルで、20万円以下はなかなか見あたらない。その点、「Lm-i720E-DB22D」ならば液晶がセットになっても13万円台の上、HDDレコーダーとしても活用できるので断然お得だ。

さて、「Lm-i720E-DB22D」で3D放送を楽しむための中心となるのが付属するZALMAN製の21.5型ワイド液晶「ZM-M215WGD」。現在の3D放送で採用されている「サイドバイサイド方式」の3D立体視をサポートしているのが最大の特徴だ。ちなみに、サイドバイサイド方式とは1フレームに右目用と左目用、2つの映像を並べ、それを対応ディスプレイとメガネで見ることで立体感を得られるというもの。PCの3D立体視で普及をはじめている「3D Vision」で採用されている、1フレーム毎に右目用と左目用の映像を入れ替えて立体感を得る「フレームシーケンシャル方式」に比べて、解像度は半分になってしまうが、現在のテレビ放送で配信しやすいというメリットがある。

ZALMANの21.5型ワイドのフルHD液晶ディスプレイ「ZM-M215WGD」。入力にはDVIとD-Sub15ピンの2系統が用意されている
サイドバイサイド方式では、1つのフレーム(映像)に右目用と左目用の映像を並べて表示する。対応しないディスプレイでは、ただ映像が並んでいるように見える
視聴には専用のメガネを使用する。この偏光メガネをかけることで、左右の目、それぞれに必要な映像だけが届くようになる仕組みだ すでにメガネをかけている人のために、クリップタイプの偏光メガネも付属している

実際に3D放送を視聴する方法だが、実に簡単だ。テレビ視聴・録画ソフトである「StationTV X」を起動して、3D番組を放送しているチャンネルを選択。あとはメニューを開き、右上にある「3D」ボタンを押すだけ。専用の偏光メガネをかけて画面を見れば立体的に見える。

StationTV Xの右上にある「3D」ボタンを押せば3D放送を立体視で楽しめる

さて、「ZM-M215WGD」で使用しているサイドバイサイド方式の3D立体視は、どこまでスゴイのか気になるところだろう。個人的な感想ではあるが、まず一番に感じたのが、奥行き感が強い3D Visionに比べて、物体が飛び出している感じが強いこと。3D Visionは、窓の向こうを見ているような立体感だったが、「ZM-M215WGD」での3Dは画面から文字や物体が自分に向かって飛び出しているように見える。その分、立体感をより楽しめた。しかし、その一方で難点もある。視野角が非常に狭いことだ。3D Visionは、多少角度が変化しても立体感を得られたが、「ZM-M215WGD」では真っ正面からちょっとでも外れると画面にブレを感じてしまう。複数の人間で楽しむには向いていないといえそうだ。とはいえ、強く感じられる立体感は魅力。それに現在のところ、3D Visionで3D放送は楽しむことはできない。

なお「ZM-M215WGD」でも、付属の再生ソフト「Power DVD9」を使って、Blu-ray 3Dや既存の動画やDVDを3D化して立体視を楽しめる。3D立体視が手軽に楽しめるプレイヤーやサンプルビデオもあり、3D放送以外のコンテンツがそろっているのもポイントだ。このほか、一部のタイトルに限られるが、ディスプレイにはゲームを3D化して楽しむためのドライバも付属している。

付属のPower DVD9で動画やDVDを3D化して楽しむことも可能だ